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産直居酒屋の草分け・ワールド・ワン、新橋に「青森ねぶたワールド」をオープン

壁や天井にもねぶたの写真を展示し、郷土食あふれる演出を行う
窓を大きく取った開放的な空間。テーブル席が中心で、座敷席もある
「大漁ねぶた盛り」は大3680円(会員価格2980円)。魚介は地元の3社の協力会社から直送
「豊盃 大吟醸」(980円)や「田酒」(880円)、「陸奥八仙」(680円)など地酒充実
代表の河野氏(右)と、取締役の岡井友満氏

(取材=木村 悦子)


環状二号線(新橋~虎ノ門間)地上部の「新虎通り」整備により、新たな賑わいが生まれた新橋。この街に、2018年12月27日、青森県との連携協定店舗「青森ねぶたワールド新橋店」がオープンした。運営はワールド・ワン(神戸市中央区、代表取締役社長:河野圭一氏)。同社の本拠地である神戸・三宮生田新道の「青森ねぶたワールド」の2号店で、この新橋店が東京初進出となる。

ワールド・ワンは、高知(土佐清水ワールド・幡多バル)、鳥取島根(山陰・隠岐の島ワールド)、青森(青森ねぶたワールド)と、さまざまなご当地居酒屋を運営しているが、スタートは沖縄料理店。「今から17年ほど前の話です。神戸に沖縄料理店がほとんどなかった頃、『沖縄料理って実はこんなにおいしんだよ』ということを神戸の人に伝えたい、という思いが原動力でした」と代表の河野氏。とはいえ、当時は食材の流通どころか、インターネット黎明期で情報も皆無。仲間と沖縄に何度も通い生産者を回り、食材の仕入れルートを地道に開拓した。

産直主義・現地仕入れで郷土居酒屋を複数運営

そんな産直主義の河野氏が最近見出したコンテンツが、青森。既存店で1年半ほどかけて青森県産食材フェアを実施したり、毎月自社で発行する会員向け小冊子で青森特集を行うなどして、神戸の人たちに地道に周知していった。青森県の担当者もPRのために神戸の店を熱心に回ってくれたり、現地の生産者を紹介してくれたりと協力的で、河野氏らもどんどん青森にのめり込み、店も好評となった。

今回オープンの新橋店は、ただ単に食や料理の紹介だけでなく、青森の文化も伝えていきたいという思いで、ねぶたの展示もしている。「青森ねぶた」と「五所川原立佞武多」の2種類がある本場に倣い、どちらも現役職人に依頼して作ってもらい2種類が鎮座。それから、青森県産品を並べた物販コーナーも目を引く。「僕らの居酒屋は、その土地のアンテナショップ的な機能をもたせています。生産者側や地域の方にとっては、東京の人に商品をPRするショールームにもなります」との狙いだ。客席にはステージを設け、定期的に自治体の人によるPRイベントを実施する。

青森郷土料理と酒肴、地酒を充実させてお客にアピール

料理はもちろん青森の郷土料理ばかりである。食材は、「八戸前沖さば」(一本焼880円)、「十和田バラ焼き」(880円)などのよく知られた品から、「大鰐町の温泉もやし」(ナムル480円)などの知られざる特産品までを使用。また、「ねぶた漬け」(300円)、「ばっけ味噌」(300円)など、郷土の希少な珍味もそろえた。米どころ、酒どころ青森ということで、お酒は地酒が中心。県内酒造組合の全酒造所のお酒をラインナップしている。価格は「じょっぱり」など580円~「豊盃」(980円)。その他、「りんご酢サワー」(480円)などりんご系も充実。

神戸の会社が、東京で青森居酒屋を開業した、と言うといささか奇妙に聞こえるが、河野氏の中では自然なことだ。最近「熊本と連携した店、北海道と連携した店を考え、熊本、北海道と続けて回りましたが、どちらも大地震の被災地です」とのこと。阪神淡路大震災を経験した神戸出身、神戸育ちとして不思議な巡り合わせを感じ、「熊本、北海道どころか、日本全国を元気にしたい」という思いを強くしたらしい。使命に燃える河野氏が頼もしく見える。

店舗データ

店名 青森ねぶたワールド 新橋店
住所 東京都港区新橋3-13-4 eatus新橋3F

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アクセス JR線ほか新橋駅から徒歩1分
電話 03-6809-1777
営業時間 【月~金】ランチ11:30~14:30(L.O.14:00)、ディナー17:00~24:00(L.O.23:00)、【土・日・祝】12:00~23:00(L.O.22:00)
定休日 なし
坪数客数 40坪 70席
客単価 3800円
運営会社 株式会社ワールド・ワン
オープン日 2018年12月27日
関連リンク ワールド・ワン(HP)
関連リンク 土佐清水ワールド(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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