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学芸大学に“王道の居酒屋メニュー×カフェのような内観”の「酒場 浮雲」がオープン。ギャップで非日常を演出し、付加価値をつくるネオ酒場

東口商店街の通りを少し脇に入ったビルの2階。暖簾をくぐり急な階段を登った先が店舗だ
12坪20席の店内。まるでカフェのような店内、窓が大きく、外の通りから見ても存在感がある
写真映えのする「はちみつブルーベリーサワー」、「国産レモンサワー」。「宮崎県地頭鶏の手羽先唐揚げ(2本)」、「宮崎県霧島鶏のもも肉唐揚げ(2個)」
もつ鍋店で鍛えた自慢のメニュー「国産牛もつ煮 醤油」、有川氏の出身地のブリュワリーから仕入れるクラフトビール「日南麦酒 」(各種1000円)
生き方自体が“雲のよう”とも評されるオーナーの有川 毅氏

(取材=福井 晶)


12月27日、学芸大学駅から徒歩2分ほどの東口商店街通りを脇に入った学大十字街に「酒場 浮雲」がオープンした。オーナーは、有川毅氏。同氏はスイスのチューリッヒに渡り日本料理店で勤務、帰国後イタリア料理店、店で研鑽を積んだ人物。同店はカフェやビストロを思わせる店内でありながら、もつ煮や唐揚げ、サワーなど定番メニューを提供する居酒屋。メインテーマも“居酒屋”としながら、居酒屋らしからぬギャップを絶妙なバランスで散りばめ、非日常感のあるネオ酒場を作り上げている。

なんでもあり!メニューの垣根がない居酒屋業態で勝負

有川氏は宮崎県の調理師専門学校を卒業後、視野を広げるため20歳でスイスのチューリッヒに渡り、1年半ほど日本料理店で修行を積み帰国。東京で数年はイタリア料理店で腕を磨くも、ジャンルの垣根を超えて料理の経験を積みたいと考え、碑文谷のもつ鍋店「博多もつ鍋うみの」(現在は閉店)へ。9年勤め、仕入れや調理はもちろん店舗管理も任され、店長も経験。独立を決意した。「居酒屋ならなんでもあり。自由な発想で自分の性に合っていると思い、居酒屋業態で勝負することにしました。今まで経験した日本料理、イタリアン、もつ鍋の3つもラインを引かずに活かせます。それぞれのお店で働く間に構想していたけどできなかった料理なども自由にチャレンジしていきたいですね」と同氏は語る。

ギャップを加えて付加価値のある店づくり

物件探しは、もつ鍋店で働く頃から探しはじめ、それを含めると2年半近くかかった。もつ鍋店を退職後は武蔵小山の人気イタリアン「ラ・トリプレッタ」で働きながら同駅周辺を中心に探していたが、ちょうど駅前の再開発のタイミングと重なり難航。自身が12年住んだ学芸大学駅も候補地に加え、ようやく希望の物件が見つかった。「店舗の条件としては駅から少し離れた路面店か、駅近くの2階、入るのに少しだけハードルをあるような場所を探していました。ここは急な階段がある2階だが、窓が広いので視認性も良く、条件にぴったりでした」と同氏。

店内は12坪20席で白が基調。メインテーマである“居酒屋”とギャップを作るべく、居酒屋とは思えないオシャレなイメージに仕上げた。実際、内装は業者と情報共有のため、有川氏がピックアップしたのはカフェやビストロの写真だったという。壁にはドライフラワーやネオンが飾られ、随所にセンスが光る。「店づくり全てに言えることですが、ギャップを重要視しています。居酒屋でありながら、いい意味で裏切りを加えることで特別感を出して非日常のワクワク感が提供しています。それが付加価値になって、お客様がウチの店を知っていること自体がステータスに感じ、友達に紹介したくなるような店を目指しました」と同氏。物件に少しのハードルを設け隠れ家のように感じる点も、店を知っているお客への特別感につながっていると言えるだろう。また、2月中に3階部分を改装し、5坪ほどの個室が完成予定だ。

居酒屋の定番を中心にもつ鍋やイタリアンの経験を生かしたメニュー

フードは居酒屋メニューが中心。中でも、「博多もつ鍋うみの」の経験を存分に生かした「国産牛もつ煮 醤油」(650円)と「国産牛もつ煮 味噌」(750円)、有川氏の出身地・宮崎の地鶏使用した「宮崎県地頭鶏の手羽先唐揚げ(2本)」(600円)、「宮崎県霧島鶏のもも肉唐揚げ(2個)」(600円)、見た目にも華やかな「特製ポテトサラダ イクラのせ」(750円)といった定番メニューに力を注ぐ。ベースである“居酒屋”がしっかりしてこそ、ギャップも際立つわけだ。また、「芝海老とズッキーニもフリット」(1100円)、アサリだしとオリーブオイルでパスタのように調理した「自家製からすみそうめん」(1500円)などのイタリアンの経験も存分に活かされている。

ドリンクもビール、サワー、日本酒、焼酎など居酒屋のラインナップが並ぶ。中でも「国産レモンサワー」(600円)、フルーツをふんだんに使用した期間限定の「はちみつブルーベリーサワー」(1000円)、「まるごといちごサワー」(1000円)、宮崎県のブリュワリー日南麦酒から仕入れる「ベルジャンホワイト」、「坂本棚田エール」(各1000円)など、フード同様、定番メニューのサワーやビールにこだわりを見せる。メニューが安定してきたら、少数精鋭でワインも増やしていきたい考えだ。

「これまで色んな店を経験したおかげか、現場に入った時の感覚ともう少し俯瞰した考えをフラットに持ち合わせているのが僕の強みです。『酒場 浮雲』という店名も一つのことに固執しない、浮かぶように軽く思考するという意味で名付けました、」と有川氏。今後については、同じ業態で複数店舗開することは考えていないとの答えだった。「まずお店を繁盛させたい」としながらも、同時進行で新たな事業を企んでいるよう。フットワークの軽い同氏の動向に注目が高まる。

店舗データ

店名 酒場 浮雲
住所 東京都 目黒区 鷹番 2-20-8 モンテローザビル2F

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アクセス 学芸大学駅から徒歩2分
電話 03-6882-1529
営業時間 17:30〜24:00(L.O23:00)
定休日 火曜日
坪数客数 12坪20席
客単価 4000円
関連リンク 酒場 浮雲(facebook)
関連リンク 酒場 浮雲(Instagram)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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