1月17日、三田通り沿いに「トリ&ハイ」がオープンした。セルフで注ぐハイボールが中心の飲み放題と、鶏焼肉を中心とした糖質オフメニューが楽しめるキャッシュレス酒場だ。運営はエルライ(東京都港区、代表取締役:村田春菜氏)。時流を捉えた工夫が詰まった店づくりに、注目が集まっている。
セルフ式ハイボールの飲み放題でエンタメ性&人件費削減を実現
「健康志向の高まりを受け、“糖質オフ”をテーマに、ビールより糖質の少ないハイボールと、ヘルシーな鶏料理というメニュー構成にしました」と代表の村田氏。同店では、ドリンクは30分単位の飲み放題方式をとっているのが特長だ。30分580円、60分1160円、90分1680円、120分2180円で、最初は60分から受付し、以後30分単位で延長可能。飲み放題メニューには、ハイボール(ウイスキーは25種類を用意)に加え、季節の果物をウイスキーに漬け込んだ「漬け込みハイボール」、生ビール、ワイン、焼酎、ソフトドリンクを用意する。一番の目玉となるハイボールはセルフ式。各客席には強炭酸サーバーが設置され、卓上にはおすすめのウイスキー5種類が並ぶ。これらを使って、お客自らがハイボールを作って楽しむというシステムだ。「自分で注ぐ楽しさや、好みの濃さに調節できるという魅力を感じてもらえると同時に、グラス交換不要でスタッフの手間削減にもなっています」と村田氏は話す。それ以外のドリンクについては、オーダーを受けてスタッフが商品をテーブルに運ぶが、店のウリとして打ち出しているだけあり、狙い通り多くのお客がセルフ式ハイボールを楽しんでいるという。
糖質オフの鶏料理が充実。iPad注文、キャッシュレスで運営の効率化
フードは鶏料理を中心にラインアップ。一番人気は卓上に設置されたロースターで焼く鶏焼肉だ。鶏肉は朝挽きの国産地鶏にこだわり、総州古白鶏、大山鶏、美桜鶏の3種類を、部位や調理法によって使い分ける。「国産銘柄鶏盛り合わせ」(980円)や「銘柄鶏3種食べ比べ」(750円)のセットをはじめ、「モモ肉」(490円~550円、鶏の銘柄による)、「むね肉」(450円~490円、鶏の銘柄による)「ささ身」(490円)、「ぼんじり」(550円)など。タレにも趣向を凝らし、コチュジャン甘辛ソース、もろみそジンジャー、粗塩の3種類から選べる。その他、「こだわり鶏のから揚げ」(590円)、「トマトとカマンベールのアヒージョ」(550円)、「焼きサバ入りポテトサラダ」(480円)など鶏料理を中心に酒に合うつまみが充実し、約50品の品揃え。素材にはなるべくヘルシーなものを取り入れ、糖質オフをアピール。また、肉はカットされた状態で納品されるなど、調理オペレーションも簡単なものとしている。
オーダーはお客がiPadで入力する方式とし、スタッフの手間を削減。さらに会計は現金不可でキャッシュレス会計のみ。「レジ〆の手間が省けるし、現金の盗難リスクもない。手数料負担を考えてもキャッシュレスのメリットは大きいと考えました」と村田氏。テクノロジーによるオペレーションの効率化を図っている。
目標は2023年までに15店舗、FC展開も視野に
20坪32席の店内は、グレーを基調としたスタイリッシュな空間。一見、酒場らしかぬ洒落た雰囲気で女性も入りやすい。「メインターゲットは、“健康を気遣う”20代後半~40代の男女を想定しています」と村田氏。オープンから間もないが、さっそく近隣のサラリーマンを中心に賑わい、現在は1日に約40人が来店。目標月商に設定した500万円に向けて順調な滑り出しだ。男女比はおおよそ7:3で男性が多いが、オシャレな店舗デザインもあってか、女性2人組など思った以上に女性客も目に付くという。
今後、2023年には同業態で15店舗ほど展開したい考えだ。まずは2020年末までに近隣エリアの新橋、浜松町、五反田周辺で2店舗ほどをドミナント展開で出店し、以降はFC展開を視野に入れている。糖質オフ、人手不足に対応するオペレーション、キャッシュレスなど、まさに新時代の飲食店モデルとも言える「トリ&ハイ」。今度の動向に注目だ。
店舗データ
店名 | トリ&ハイ |
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住所 | 東京都港区芝5-14-17 白蘭ビル1F |
アクセス | 三田駅から徒歩6分 |
電話 | 03-6453-6713 |
営業時間 | 【月~金】17:00~24:00(LO23:00)【土】17:00~23:00(LO22:00) |
定休日 | 日曜、祝日 |
坪数客数 | 20坪32席 |
客単価 | 3500~4000円 |
運営会社 | エルライ株式会社 |
オープン日 | 2018年1月17日 |