渋谷の宮益坂にジビエ専門業態を展開する夢屋グループ(東京都渋谷区 代表取締役:小林研氏)のジビエ酒場「焼ジビエ罠手止メ」が8月7日オープンした。現在、都内に4店鋪を展開する「焼ジビエ罠」ブランドのなかの七輪焼きとはスタイルを変えた新しいもう一つの形態となる。1号店の福岡県警固店に続き2店鋪目となる同店が東京へ逆上陸したのだ。熟練の焼き手が炭火の上でちょうどいい具合に焼き上げた食べ頃のジビエをグレートチューハイ(オリジナルレモンサワー)と共に味わうのが「手止メ」スタイルだ。
国道246の宮益坂を上がり1本入った六本木通りとの間には中小規模のオフィスを中心にマンションなどのビルが建ち並ぶ一帯が広がる。おしゃれな青山に隣接する渋谷駅周辺の華やかな喧噪とは離れ、昭和の面影も残す落ち着いた雰囲気を見せるエリアだ。しかし、意外や人気の個店をはじめとした話題の飲食店がぽつぽつと存在し、渋谷の隠れ飲食ポイントとしてその注目度は高い。そんなエリアの路地の角地に建つ昭和時代の2階建てビル1階に構えるのが同店だ。ガラスにフードアイテムの文字を手書きした何の変哲もない金物サッシのガラリ戸のすぐ向こうにはオープンキッチンの変形のコの字カウンターが構える。ざっくりとした骨太な空間がジビエを味わう酒場らしさを際立てる。時間が経過した空間が醸し出す独特の空気感がずっと以前からあるような馴染んだ趣を創りだしている。
「手止メ」はカウンターで寿司職人が握る寿司を楽しむ五感に響くスタイルから生まれたもの。目の前で丁寧に焼き上げる熟練した焼き手の技を楽しみ、それぞれのジビエの個体の旨味を堪能するのが「手止メ」の醍醐味だ。それだけに何よりも重要なのが炭火を扱う熟練した職人の腕と技にある。「焼ジビエ罠」業態を立ち上げ、ジビエを焼き炭と向き合い約7年、熟練した焼き手職人を育ててきたことが七輪焼きスタイルとはまた異なるジビエの魅力が広げる。
ここでは先ず、熟練した焼き手が仕上げる絶品のジビエ食べ比べが出来る「ひととおり」(1120円)からスタートするのが流儀である。基本は鹿、猪、うずら、雉子の4種類が基本となり、そこから先はお腹の状況や希望に合わせていく形となる。扱うジビエは蝦夷鹿、日本鹿、猪、雉子、猪豚を基本に時々に入荷する真鴨、兎、樋熊といった希少な肉にも出会える。焼き肉のほかにもジビエ肉で造る一品料理も豊富に揃えている。夫々、調理方法が想像出来るようにカテゴリー分けされている「手入レ」には「つくね」(3本450円)、「しうまい」(3個480円)など。「カタマリ焼き」には「猪豚スペアリブ」(880円)など。下ガリではジビエの肉を入れた「ポテトサラダ」(450円)や「猪味噌野菜」(450円)など。「止メ」は「焼きそば」(750円)など。ほかに数は少ない「野菜焼き」なども揃える。ドリンクは焼酎を継ぎ足しするカットレモンをたっぷりと入れたオリジナルレモンサワー「グレートチューハイ」(450円/次ぎ足し350円)がおすすめ。ジビエ業態の立ち上げ時から変わらない国産一升瓶ワインの量り売りワインをグラス、ハーフ、ボトルが夫々に500円〜、1200円〜、2300円で用意する。また下町定番焼酎の「下町の3杯ルール/魅惑のやかん有〼」(梅割り・葡萄割り/グラス350円・やかん950円)と酒場らしい個性的な構成となっている。
取り壊しとなり茅場町から神楽坂へと移転した本場フレンチスタイルのジビエ業態「Nico Chelsea」も展開する同社。今年11月には福岡県で建設中の自社の処理加工場が完成する。厚生労働省のガイドラインに沿い安全で安定した供給が可能となる。そこには命をいただくという想いの下にジビエと呼ばれる有害野生鳥獣の駆除をテーマに早くから真摯に取り組んできた小林氏のスタンスが反映されている。10坪以下物件では「手止メ」業態の展開を考え、新たな焼き手、炭火を知る職人の育成にも力が入る。そしてさらに裏渋谷というニッチなエリアは出店の在り方に刺激となっという小林氏の新たな事業展開に今後も注目である。
店舗データ
店名 | 焼ジビエ罠 手止メ |
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住所 | 東京都渋谷区渋谷2-8-6 |
アクセス | 渋谷駅から徒歩8分 |
電話 | 03-5774-1188 |
営業時間 | 17:00〜25:00 |
定休日 | 日曜日、祝日 |
坪数客数 | 8坪/22席(カウンター14席テーブル8席) |
客単価 | 3800円 |
運営会社 | 株式会社夢屋 |
オープン日 | 2018年8月7日 |