赤坂見附駅徒歩2分の新築ビル「東京農村」の2階に「酒肴 ほたる」は8月1日、オープンした。オーナーはSAKE REVOLUTION(東京都千代田区)代表の宮井敏臣氏、「にほんしゅ ほたる」(千代田区内神田)からの2店舗目となる。
宮井氏は会計事務所を営む公認会計士で税理士。長年それらに従事する中で酒造メーカーの運営サポートをすることもあった。酒蔵に立ち寄り現場を見て回り、又蔵元の世代交代がさかんな時期にも重なった。若い後継者と話す機会を重ね「日本酒をもっと広めたい」「若者がもっと身近に日本酒を感じられるような新しいプレゼンテーションが必要ではないか」と考え始めた。広めるための一投目として、約3年前「にほんしゅ ほたる」を東京神田にオープン。「お洒落でカッコいい」「カジュアルでとっつきやすい」という日本酒の新しいイメージを若者の中に広げるため、バル風の雰囲気や少量から色々な日本酒が楽しめるようなメニュー構成などの仕掛けで、気軽さを訴求した。一方で日本酒を広めるには1店舗では限界があり2店舗目から3店舗目へと考え始めた頃、今回出店を決めた赤坂の新築ビル「東京農村」との縁がつながる。「ビル自体のコンセプトがしっかりしていて親和性が高く、考え方に賛同できたので出店を決めた」とその根拠を話す。
今回は神田の店舗より少し上の40-50代をターゲットの中心とし「日本酒を楽しむ大人の酒場」をコンセプトに作りこんだ。平日会社帰りのサラリーマン利用も多く見込める立地に合わせ「気軽に囲めるテーブル席」「奥行きのあるゆったりとしたカウンター席」「個室(4-6名)」を配した店内で様々なシーンで使いやすい。
ドリンクの主力商品は自家醸造の出来立て日本酒「どぶろく」。その名も「神田マドンナ」である。神田の自社店舗内で造ったうまれたての日本酒は、赤坂でそのままに味わえる。「グラス(ストレート)」(680円)や「お燗(一合)」(980円)、また飲みやすい「サワー」スタイル等各種用意がある。宮井氏自身が酒蔵で直に味わったことをきっかけに「この新鮮さをお客様にも楽しんでもらいたい」とその想いを追求した結果の「店内製造」で、希少な逸品。他にも50種程、全国の銘酒を揃えている。
料理は季節の食材をいかしたお酒に合うラインナップ。「酒飲み八寸(一人前)」(780円)は彩りもよく一品目での注文が多い。お刺身は千葉県の館山市から時季の天然ものを直送で仕入れて提供している。野菜は「東京野菜(産直)」を使用し「焼野菜」(780円)や「天ぷら」(780円)等、その風味をそこなわないシンプルな料理で仕上げた。しっかりとひいた出汁をいかすことにもこだわり、各種「江戸小鍋」(980円~)や「東京玉子の出汁巻き」(680円)をそろえた。「出汁巻き玉子などは酒場にあって当たり前の料理。そういった当たり前のものをしっかり用意しお客様が選べることはとても大事」と日常遣いの中で、安心感につながる視点も忘れていない。
飲食店運営に関わって約4年、利用する側での接点が多かった飲食店という場所は、働く場所としては遠いイメージだったという。しかし店に立つとまた、新たな世界も広がる。「お酒を売るときに『飲食店の現場』ぬきには語れず、『どこで飲むか』となれば自宅又は店。だからこそ店でのプレゼンテーションは本当に大切」と言葉がリアリティをもって伝わってくる。「毎日飲食店を営むことは大変だが時間があれば店に立ちたいと、今は思う。接客は楽しく、何よりも来て下さる方の『一番大事な場面を賄っているのが飲食店』」と表情は活力に満ちている。経営のプロの視点で感じ得たことを具現化し飲食店経営に至った宮井氏、これからもまた独自の切り口で新しいチャレンジをみせてくれるだろう。
店舗データ
店名 | 酒肴ほたる(しゅこうほたる) |
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住所 | 東京都港区赤坂3-19-1 東京農村2F |
アクセス | 地下鉄赤坂見附駅より徒歩2分 |
電話 | 03-6277-8098 |
営業時間 | 【月~金】17:00~23:30(L.O. 22:30)、【土】17:00~23:00(L.O. 22:00) |
定休日 | 日・祝 |
坪数客数 | 17坪 31席 |
客単価 | 5000円 |
運営会社 | SAKE REVOLUTION合同会社 |
オープン日 | 2018年8月1日 |
関連リンク | 酒肴ほたる(FB) |
関連リンク | にほんしゅほたる(FB) |
関連リンク | にほんしゅほたる(HP) |
関連ページ | にほんしゅほたる(記事) |
関連ページ | 自家醸造「どぶろく」(記事) |