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日本全国のクラフトビールを量り売り。店内で角打もできるニューウェーブの酒店「TAP&GROWLER」が下北沢にオープン

下北沢駅より徒歩2分の好立地。「酒屋」とは一見わからないおしゃれな外観
L字型の店内。入口から正面にはカウンターの先に瓶詰め機が見える
日本全国18種類のクラフトビールが楽しめる
ロシア製のビール瓶詰め機。ビールの酸化を防ぐため、瓶内の空気をまず窒素と二酸化炭素の混合ガスに入れ替える
オーナーの金井圭司氏。不動産業と兼業で酒店を営む

(取材=別役 ちひろ)


演劇と若者の街・下北沢。駅前食品市場跡地の先、路地の一角に3月22日、酒店「TAP&GROWLER」がオープンした。全国のクラフトビールを角打(かくうち/酒店の店先で買った酒を飲むスタイル)で飲むことができ、量り売りで持ち帰ることもできる。運営はドミンゴ(東京都世田谷区、代表取締役:金井圭司氏)。

全国18のブルワリーが醸造するクラフトビールを販売する「TAP&GROWLER」。店構えや店内の設えはちょっとしたバーという様相だが、あくまで「酒店」。入口から入った正面にはビールの瓶詰め機を置かれ、客は32オンス(約0.9リットル/1,350円、キャップ30円)もしくは64オンス(約1.8リットル/1,860円、キャップ30円)のグロウラー(ビールを詰めるリユースボトル)で、好みのクラフトビールを購入し、持ち帰る。加えて好みのビールを店先で飲むことができる、というスタイル。クラフトビールの種類は金井氏が「おいしい」と思ったブルワリーのビールを厳選。「IPAやペールエールが好きなので、どちらかと言えばそれらが多い」と話す。

18のブルワリーのクラフトビールから選べるが、特定のブルワリーに固定することなく、樽がなくなればまた新たなブルワリーのクラフトビールを仕入れる、という柔軟な姿勢。取材日は「福島路ビール」の“WEIZEN”(テイスティング740円、32オンス2,000円、64オンス3,660円)や、長野県の「AJB」の“IBUない”(テイスティング880円、32オンス2,370円、64オンス3,950円)、山梨県の「アウトサイダー」“オーストラリアンIPA” (テイスティング670円、32オンス1,810円、64オンス3,020円)、「宮崎ひでじビール」“栗黒” (テイスティング900円、32オンス2,920円、64オンス4,860円)などが揃う。店内の冷蔵庫では、取引するブルワリーの瓶ビールも揃えている。

金井氏は現在37歳。25歳までバックパッカーとして世界を飛び回り、帰国後はシェアハウスを運営する不動産業を営んでいる。「TAP&GROWLER」は金井氏のビール好きが高じて始めた店だ。「昨年の正月あたりからビールを造りたい、と思いはじめたが、酒税などの関係で、いきなりビール造りを始めるにはハードルが高かった。しかし普通のビアパブは至る所で見かけるので、誰もやっていないことをやりたいと考え、全国のクラフトビールの量り売りと角打というスタイルにした。この店が将来ブルワリーを造る足がかりになれば、と思っている」(金井氏)。飲食店や酒販とはまったく畑違いの分野から挑戦を始めた訳だ。下北沢で開店した理由も、ただ「12年住んでいる街だから」と話す。

3台備え付けられた瓶詰め機はロシア製。ビールの量り売りが生活に溶け込んでいるアメリカのポートランドで主流の機械で、日本ではマイクロブルワリーの瓶詰め作業で使われているという。ビールサーバーから直接瓶詰めすると、ビールが空気中の酸素に触れて酸化してしまうが、この機械なら、まず瓶内を窒素と二酸化炭素で充填するため、酸化を防ぎ、圧力をかけながららせん状にビールを詰めるため、泡立ちを少なくすることができる。

酒店ということで、フードは、ナッツ類(400円)の他、「焦がし醤油枝豆」(400円)や「ピクルス」(250円)といった手作り惣菜が少しだけ。変わり種として、スナック菓子「ドリトス」(150円)とタマネギやチーズ、ハラペーニョなどを混ぜて食べるメキシコのストリートフード「ドリロコス」(500円)がある。また近所にあるグルメバーガー店「EIGHT BURGER’S」のデリバリーも可能だ。その他、ビールアイテムとして、ビールを美味しい状態で持ち運ぶことができる真空耐熱の「Drink Tanks Growler 64oz」(16,500円)を販売する。酒店にしては珍しくポイントカードもあり、24杯ごとにテイスティングが1杯無料となり、72杯でオリジナルのTシャツがもらえるというサービスも行なっている。

「下北沢は便利な街だと思うし、今とてもこの街に支えられていると思う。常連のお客さんも近隣の人が多く、子連れのお客さんも、年配の常連さんもできた」と金井氏。今後については、「まずはこの店を軌道に乗せて、任せられる人材を育てたい。そしていずれはブルワリーを作って、できたてのビールを販売したい」とも。日本全国のクラフトビールを販売しつつ、自らのオリジナルビール造りの夢に向けて、金井氏は着実に進んでいる。

店舗データ

店名 TAP&GROWLER(タップアンドグロウラー)
住所 東京都世田谷区代田2-33-6

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アクセス 京王井の頭線・小田急線下北沢駅 徒歩2分
電話 03-6416-8767
営業時間 月〜金18:00〜24:00、土・日・祝15:00〜21:00(ボトルフィリングのオーダーは閉店の1時間前まで)
定休日 月曜
坪数客数 5.8坪 10席
客単価 2000〜3000円
運営会社 株式会社ドミンゴ
オープン日 2018年3月22日
関連リンク TAP&GROWLER(HP)
関連リンク TAP&GROWLER(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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