2018年3月13日、東急池上線五反田駅~大崎広小路駅間高架下に通称「五反田高架下」が開業。ここにニューオープンしたのが「RIO BREWING & CO. 東京醸造所」である。運営はEVER BREW(東京都港区、代表取締役:菅原亮平氏)だ。菅原氏は、大学卒業後、タリーズコーヒージャパンにて当時社長の松田公太氏に1年間従事し、その後2004年、「ベル・オーブ六本木」をオープン。その後ベルギービールの直輸入・卸を開始。その縁からベルギーの様々な醸造所にてビール醸造を学び続け、2015年にはベルギー・ブリュッセルにてビール子会社「RIO BREWING &CO. SPRL」をスタートさせ「初陣 Uijin」などのビールブランドを世界10ヶ国へ輸出している。現在は、「デリリウムカフェ」「ブラッスリー セント・ベルナルデュス」などのブランドも合わせ、16舗を展開中(今回の2店舗含む)。今回の出店での「店内でビールを醸造し、その場で提供するブルーパブ」というスタイルは初となる。
今回の出店資金の一部は、インターネットを通じて資金を集める「クラウドファンディング」という手法を利用した。菅原氏の根底にある「航路図のように食と醸造で世界をつないでいく」という思いに共感した人からの支援が相次いだ。また、この場所は単なる飲食店舗ではなく、街づくり装置の一部、ボーダーレスに人の縁(円)をつなげる地域のハブ的存在としてとらえているという。ビール、醸造のプロとしては、「ベルギーから酵母を取寄せ、伝統の醸造技術を守りつつ日本独特の原材料も取り入れながら醸造を行う」ことを課題に掲げて取り組んでいる。
同店の料理は、ビールに合うものが中心。「東京醸造所で醸造するビール」に合わせ、東京の食材を意識し、魚は東京の離島・三宅島、豚は東京都のブランド豚「東京X」を使うなど、地産地消を軸にした洋食を提案している。たとえば、「三宅島近海本日のお魚のカルパッチョ」(700円)は、東京都あきる野市近藤醸造所醤油とバルサミコを合わせたドレッシングで提供するなど、細部までこだわっている。
メインのコンテンツとなるビールは、これから開始する自社製造のクラフトビールが中心である。ベルギー子会社からの「初陣 Uijin」(690円/250ml)や「初陣 柚子ブロンド Uijin Yuzu Blond」(790円/250ml)などに加えて自社直輸入ベルギービールをラインナップ。店舗に醸造所を併設しており、酒類製造免許(※発泡酒免許)は3月に取得済、5月ごろからの稼働を予定している。店長を任されている須藤聡(あきら)氏も醸造に参加する。その日の仕入れに応じた料理作りにお客の嗜好を勘案し、最適なビールを提案できるよう、研鑚する日々だ。
仕切りのない、隣接する「BUTCHER NYC UNITED」や東京ミッドタウンの「リオ・ブルーイング・コー ビストロアンドガーデン」また東急電鉄武蔵小杉高架下の「BRASSERIE MUH」などの直営店でもこちらでの醸造ビールを提供していく。
駅から少々離れ、人の流れがなかったこのエリア。新たな商業施設「五反田高架下」が誕生し、進取の気性に富む新店が集結したことをきっかけに、ここから街のイメージが再構築されていくだろう。そして、同店の挑戦のスピリットは日本のビール文化をより一層盛り上げ、やがてこの地を中心に大きな賑わいが生まれていくことだろう。
店舗データ
店名 | RIO BREWING & CO.(リオ・ブルーイング・コー) 東京醸造所 |
---|---|
住所 | 東京都品川区西五反田1-15-6 |
アクセス | JR線ほか五反田駅から徒歩4分 |
電話 | 03-6420-0686 |
営業時間 | 15:00~24:00(L.O.23:00) |
定休日 | なし |
坪数客数 | 約30坪・20席 |
客単価 | 2800円 |
運営会社 | EVER BREW |
オープン日 | 2018年3月13日 |
関連リンク | Rio Brewing & Co.(HP) |