池袋西口のへいわ通りに12月18日オープンした「呑処 iitoki(のみところいいとき)」が美味しい隠れ家として注目となっている。ワインバルブランドとして知られる「ワイン厨房tamaya Otsuka」(運営:TAMAYA、東京都文京区、代表取締役高田和則氏)から独立した山中淳氏(リルフィス代表、東京都板橋区)の初オリジナル業態となる。実力派ソムリエが選ぶワインとフレンチのシェフの料理を提供するも、コンセプトはあえて来る人がお店のスタイル、使いかたを決めてもらうという。斬新な発想のもとに誕生した、飲む、食べるを自由に楽しむ場、まさにネオ酒場だ。
池袋駅西側北口から川越街道までの500mの距離の間に飲食店や物販店、さらにはサービス業などが建ち並ぶ池袋平和商店街がへいわ通りだ。昭和21年に誕生した池袋を代表する商店街は、生活通りとして今も地域に密着するが繁華街としての精彩は今や乏しい。そんな奥池袋に位置するへいわ通りに建つ平和湯の1階に構える店は、明るくおしゃれな店内の奥までが臨める全面ガラスのファサードで際立を見せる。
学生時代、まだ草創期であった創コーポレーション(東京都渋谷区、代表取締役大津慶一氏)でアルバイトを始めた山中氏は同社の代表付きの内勤へ。そこで飲食経営や運営のノウハウを学び、飲食業界での独立の道を選んだという。さらに他の有名飲食企業での経験やワインを学ぶなどスキルを重ね、TAMAYAの新規出店であった「wine厨房大塚店」へ立ち上げと共に入社したという。そして2015年、目指していた独立を暖簾分けという形で大山に「wine厨房tamaya Oyama」を出店させたのだ。その後2016年に水道橋「wine厨房tamaya Suidobashi」を2店鋪目として出店。続く2017年の12月、ついに念願であった初オリジナル業態として同店オープンさせた。飲食企業で働く人がハッピーであることを一番に考える新しい働き方を模索し独立したという山中氏の想いを込めた実質スタート店なのだ。
そんな想いを一緒にしながら、大塚店を共に盛り上げ現在は同店の厨房を仕切るのがフレンチ出身の槻山祐輔シェフ。その彼が作る料理はフレンチをベースに柔軟でオリジナリティ性に優れた一品だ。「タルトフランベ〜アルザス風ピザ〜」(820円)や「生ウニとニンジンのババロア」(980円)。メインの「鴨ミンチとフォアグラのパイ包み焼き」(1700円)などや季節の素材で作る炊き込みごはんやパスタも揃う。「スペインオムレツ」など10種類以上揃う早く出るクイック前菜は全て400円など丁寧に仕上げた料理はいずれも綺麗に皿を飾る。ドリンクはハウスワインに一升瓶の日本ワインの赤白各1種類をグラス(580円)とカラフェ(1900円)で提供する。赤白4種類のグラス、カラフェ、ボトルがある。さらに8種類ずつの2980円、3980円の気軽なボトルワインから30種類以上を店長でありソムリエの伊藤将太氏が厳選する。ほかにも厳選5種類の日本酒をグラス(100ml、500円〜)と2合サイズ(1600円〜)でライナップする。さらにサワーやウィスキーまでを揃えた構成はTamayaから続くワイン専門店のイメージを払拭し、新しいポジションの店を目指しているからだ。
白を基調にウッディな家具を配し、ゆったりと穏やかな空気感が流れる居心地の良い空間の同店。それはカフェでもおしゃれな食堂でも、またはビストロという形にこだわらずに楽しい時、良い時「iitoki」を過ごす場所を目指したものだからだ。そこには飲食店の形、在り方を今一度見直す山中氏の想いが反映されているのだ。そして今後は働く人、なかでも続く若い次世代のためにも誰もが楽しいと思える快適な環境造りのために総合的な食ビジネスでの展開を視野に入れている。当然、新しい出店も考えているが、ワインと洋食からは離れたいという山中氏の活躍に期待である。
店舗データ
店名 | 呑処 iitoki |
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住所 | 東京都豊島区池袋2-64-11平和ビル1F |
アクセス | 池袋駅北口より徒歩5分 |
電話 | 03-5843-3906 |
営業時間 | 16:00〜24:00(L.O.23:00) |
定休日 | 日曜 |
坪数客数 | 35坪58席 |
客単価 | 4500円 |
運営会社 | 株式会社リルフィス |
オープン日 | 2017年12月18日 |