「土風炉」「日本橋亭」「京町家」など多様なジャンルの業態で、全国に約150舗の飲食店を展開するラムラ(東京都中央区、代表取締役:村川 明氏)が、クラフトビールの醸造に乗り出した。それによって、大門・浜松町エリアに開業したのが、醸造所併設のビアレストラン「Ottotto BREWERY(オットットブルワリー)」だ。同社のクラフトビール醸造事業をここで行い、店内ではできたてのクラフトビールが楽しめる。
「お客さまにおいしいクラフトビールを楽しんでほしい、という純粋な想いから、この醸造事業は始まりました」と話すのは、同社ブルワリーグループで立ち上げを担当した中野泰成氏。クラフトビールの醸造についてはノウハウがなかったため、イチから作り上げていったという。同社で話が浮上したのが2017年の春ごろ。醸造経験のある、北山 修氏と永井 至氏を醸造事業のスタッフとして採用。2人を中心に醸造の準備と店舗の開業計画を進め、同年10月にひとまず店舗をソフトオープンさせた。その後、2月に醸造免許が下りたことでビールの試作を開始。そして同社オリジナルのビールが4種完成したことで、3月5日に晴れてグランドオープンに至った。
97坪の店内に、133席を配置する同店。地下への階段を下っていくと、まず目に飛び込むのが、ガラス張りの醸造室だ。約14坪の室内に300lタンクが6体並ぶ圧巻の光景だ。お客はその横を通って店内へと入っていく設計で、「作り立てのビールが飲める」という期待感を高める演出となっている。醸造室の横を過ぎて奥へと進むと、広々としたメインフロアに至る。厨房はライブ感あふれるオープンキッチンとなっており、ビールと同様に料理を作っている過程や作り立てであることを訴求するつくりだ。さらに奥にはプライベート感のあるボックス席や個室を備え、多様な利用動機にこたえる店内となっている。
生ビールのタップは計18を備え、自社のクラフトビールに加え、国内各地のクラフトビールを用意する。各種スモール(260ml)480~670円、レギュラー(380ml)680~810円で提供するほか、「本日の3種飲み比べ」(980円)も提供。それ以外には、各種カクテル、ワイン、ウイスキーなどがそろう。
料理のテーマは、「ケイジャン料理」。アメリカのルイジアナ州発祥で、ハーブやスパイスが多用された豪快な料理だ。肉や魚介、野菜などをスチーム調理し、ケイジャンスパイスを絡めた看板商品の「ルイジアナ・ケイジャン・コンボ」(ミックス2480円、シーフード・ミート2600円)をはじめ、「農園直送野菜のボルケーノサラダ」(1380円、ハーフサイズ720円)、「本日の生牡蠣」(時価)、「豪快!丸ごとチキンのロースト」(半羽1250円、一羽2250円)など、ビールと好相性の品々を用意する。
平日は会社帰りのビジネスマン、土日は家族連れを中心に集客する。土地柄、土日と平日でガラっと客層が変わるのが特徴だ。「まだまだ始めたばかりの事業ですので、多くのお客さまの意見を取り入れて、しっかりと店の土台を固めていきたい」と中野氏。さらには、目下、4月2日には神田・淡路町に「オットットブルワリー」2店舗目の開業を控えている。同じくビジネス街という立地で、コンセプトやターゲット、店づくりは同様で、2店舗とも地域密着を目指していく意向だ。さらにクラフトビールの醸造では、現在の4種から今後8種まで増やす予定。開発したクラフトビールは、同社の他業態でも提供することを検討中している。
多くの飲食店がひしめく大門・浜松町エリアでは、クラフトビールをウリにした店も多い。そんななかで醸造所を併設し、作り立てのおいしさを訴求できる大きな強みを備えた同店。今後、地域の中でも抜きんでた存在となりそうな一軒である。
店舗データ
店名 | Ottotto BREWERY 浜松町店 |
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住所 | 東京都港区浜松町2-1-5 クレトイシビル B1F |
アクセス | 大門駅A1出口から徒歩1分、浜松町駅北口から徒歩3分 |
電話 | 03-6452-8871 |
営業時間 | 11:30-14:30、17:00-23:30、【土日祝】15:00-22:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 97坪133席 |
客単価 | 3500~4000円弱 |
運営会社 | 株式会社ラムラ |
オープン日 | 2017年10月10日(グランドオープン2018年3月5日) |
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