個性的な飲食業態を展開するとして業界関係者が注目する夢屋(東京都渋谷区、代表取締役:小林研氏)が中央線を代表する飲食エリアの中野に新業態「親父の食堂 PEP(ペップ)」を12月14日に出店した。気取らないスタイルと日常使いの価格で日々の疲れを癒すビストロ酒場のコンセプトはずばり普段使いのパリの下町酒場。かつてパリの下町マレ地区にあったで在ろう、日常が溢れるような食堂であり酒場でもあった古典的ビストロをイメージする。名物のコップワインを片手に親父達が集い呑み食べ楽しむ酒場である。場所は中野通であっても知られていないディープな中野新仲見世商店街をあえて選んだ。
古民家自体が持つ空気感を業態やスタイルに反映させた神楽坂の日本酒酒場「酒ト壽」や銀座の本格ビストロ「IJ」などの和洋業態。さらに鳥獣被害という観点からもいち早くそして真摯にジビエと取り組んだジビエ業態の「罠」。独創的な業態を数多く展開する飲食業界で際立つ個性を放つ夢屋の小林研氏らしい店が中野に誕生した。トレンド発信地としても注目される一方、名だたる老舗酒場も残る古くから大衆感溢れる飲み屋街として人気を集めているエリアだ。
そんな酒場街の中で一際、昭和の時代を色濃く残すのが中野新仲見世商店街。袋小路となっているエリアにひしめき合うように小さな飲食店が軒を連ねる、時が止まったままのようなディープな一角だ。行き止まりに建つ古いスナックビルのワールド会館が一層にカオスなオーラーを際立たせる。そんな場所に構えた「PEP」のフレンチレッドのファサードがパリの下町に潜んでいると想像するビストロ酒場の臨場感を盛り上げる。さらに「北京料理 北京亭」の文字を残す古ぼけた看板が不思議な妖しさを盛り上げる。しかし扉を開ければワイン樽をイメージしたカウンターがしゃれたフレンチ酒場らしさを引き立てる。5,60年を経過したビルの空気感が新しさのなかに古典ビストロらしさに色を添える。2階はアンティークミラーやロートレックの絵が壁を飾る落ち着いたテーブル席で3階はワインセラーだ。
フランスの下町にある「親父の食堂」らしくフランスのトラディショナルでベーシックなビストロ料理にこだわったフードメニュー。コンテポラリーフレンチではなくソースもあえて使わずに素材感を際立たせたシンプルでいてパワフルな料理が揃う。「PEP風骨髄のオーブン焼き」(1ヶ300円)。「濃厚グラタンオニオンスープ」(400円)。「エスカルゴ バターブルギニョン」(880円)など、どれも名物のコップワインが進むテイストに仕上げている。「牛ほほ肉赤ワイン煮」(680円/1280円)のように、幾つか小ポーション(1階限定)を用意する。その料理と合わせるのが通称冷やタンと呼ばれる水用に使われるガラスのコップで提供される「名物コップワイン」は(赤白共に250円)。ボトルは(ハーフ750円・フルボトル1500円)。「本日のワイン」はグラスで(泡・白500円・赤600円)。ボトルは(泡2500円:白ハーフ1480円:フルボトル2500円:赤ハーフ1780円:フルボトル3500円)。ほかには酒場定番の「レモンサワー」(380円)や「PEPハイ」(380円)と3種類のサワーと生ビール(ジョッキ500円・コップ200円)、シードル(980円)とシンプル。あくまでも気取らずにがぶがぶとコップワインを飲む店に徹底する。
長年、古典的な下町ビストロをイメージしてきた小林氏は本場パリで自身の想いを明確にした。本場以上の本物感へのこだわりと酒場に対する絶対的な価値感だ。ベーシックである事、オーセンティックを大事にするそのスタンスはいつも変わることなく一貫している。今年は既に新しい計画が同時進行している同社らしい絶対的価値を店造りに期待したい。
店舗データ
店名 | 親父の食堂 PEP(ペップ) |
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住所 | 東京都中野区中野5-55-7 |
アクセス | 中野駅から徒歩3分 |
電話 | 03-3387-3355 |
営業時間 | 【火〜金】17:00〜23:30、【土日祝】15:00〜23:00 |
定休日 | 月曜 |
坪数客数 | 20.3坪(1階〜3階まで)/1階20席、2階24席 |
客単価 | 2500円 |
運営会社 | 株式会社夢屋 |
オープン日 | 2017年12月14日 |