多数の飲食店がひしめく神楽坂。その神楽坂のメインストリートともいえる早稲田通り沿いに、11月28日、「鉄板中華 青山シャンウェイ 神楽坂店」が開業した。「暴力的中華」を標榜し、ガツンと強いインパクトの中華料理で予約困難な店として知られる、外苑前の「鉄板中華 青山シャンウェイ」のFC店舗だ。運営は、銀座などでシュラスコ業態を3店舗展開する、バッカーナ(東京都中央区、代表取締役:佐藤尚之氏)。
バッカーナ代表の佐藤氏は、「鉄板中華 青山シャンウェイ 神楽坂店」でシェフを務める佐々木孝昌氏と20年来の付き合い。その佐々木氏とタッグを組み、FCとして今回の出店に踏み切った。その狙いについてこう話す。「当社は、1991年、当時、東京に無かったシュラスコのレストラン『バッカーナ』を開業しました。シュラスコはブラジルの食文化ですが、数年前のブラジルのサッカーワールドカップやリオデジャネイロオリンピックの追い風もあり、日本にブラジルの文化が浸透し、創業時には都内にはまったく無かったシュラスコの競合も多く出現しました。加えて、シュラスコは日常的に食べるものというイメージはないため、期間を置かずに何度も来店してもらえるようなアイテムではない。これからはシュラスコの業態だけに頼るのではなく、より普遍性が高く、お客さまの来店頻度の高い業態を展開することで、企業基盤をより強固なものにしたかった。客単価3000円程度の中華業態の『シャンウェイ』なら、お客さまに日常的に使っていただける店にできると考えたのです」と佐藤氏。
料理のコンセプトである「暴力的中華」とは、ボリュームや味付けなど、一皿一皿にインパクトある中華料理を指す。それでありながらも、可能な限り化学調味料の使用を抑え、素材の旨みを生かした味わいは、「福禄寿飯店」(東京・原宿、現在は閉店)などで修業を積んだ腕利きシェフの佐々木氏の成せる技だ。同店の代名詞にもなっている看板商品「毛沢東スペアリブ」(1本1058円)は、ジューシーな骨付き肉に、干しエビ、ニンニク、タマネギなどのフライドチップがたっぷりとまぶされた刺激的な味わいで、まさに「暴力的中華」を象徴する一品といえる。このほか、皮つきの豚のクリスピーな食感が楽しい「脆皮焼肉」(1296円)など、神楽坂店ではとくに焼き物料理に力を入れ、外苑前の店舗との差別化を図っているのも特徴だ。ドリンクには紹興酒14品(グラス626円、ボトル2700円~)をはじめ、ビールやチューハイ、現地で厳選した中国茶7品(540円~)などがそろう。
今後も、「青山シャンウェイ」のFC展開を計画する同社。その裏には、「飲食業界で夢を掴める会社にしたい」という佐藤氏の思いがある。「目標は、10年後を目途に年収1000万円を稼ぐ人材を50人輩出することです」と佐藤氏。「東京は世界的に見ても魅力ある飲食店が数多く存在する街。ですが、労働時間の長さや給料の低さなど、飲食業界における働く環境の悪さは、今後、社会に受け入れられなくなる。年収1000万円を稼げるような業態を確立し、優秀な人材を育てることで、飲食でも高い給与を得られるということを示し、飲食業界で、夢を掴める会社になっていきたい」と佐藤氏は話す。そのために、メニュー数を絞るなどしてオペレーションの簡素化を図り、FCとしてのパッケージングを進める予定だ。同時にスタッフの独立支援にも力を入れ、育ったスタッフがFCで独立する流れを描いているという。「外苑前の『青山シャンウェイ』は視認性の悪い路地のビル2階で、決していい立地とは言えない場所。ですが、佐々木の料理の味だけで、今や予約の取れない店と言われるまでに成長しました。今後も二等立地で成り立つ、さらに強い業態を作っていきたい」と佐藤氏は今後の展望を語る。
店舗データ
店名 | 鉄板中華 青山シャンウェイ 神楽坂店 |
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住所 | 東京都新宿区神楽坂2-6-1 ポルタ神楽坂 2F |
アクセス | 飯田橋駅から徒歩5分 |
電話 | 03-5579-8988 |
営業時間 | 【月〜金】11:30〜14:00、17:30〜23:00【土】11:30〜14:30、17:30〜23:00【日・祝】12:00〜14:30、17:30〜22:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 25坪52席 |
客単価 | 3000円 |
運営会社 | バッカーナ株式会社 |
オープン日 | 2017年11月28日 |
関連リンク | バッカーナ |