クラフトビールを1杯480円均一で打ち出し、クラフトビールの価値を世の中に広く知らしめ、ブームを牽引した存在といえる「クラフトビアマーケット」。2011年2月に虎ノ門で1号店を創業し、現在は都内や仙台で10店舗を展開している。そんな同ブランドを運営するステディワークス(東京都千代田区、代表取締役:田中徹氏)は、11月21日、吉祥寺に新業態「居酒屋ビールボーイ」をオープンした。
同店のコンセプトは「クラフトビールをもっともっと気軽に!」、「会話が弾み、縁が生まれる街のたまり場」。大衆酒場の要素を取り入れ、既存の「クラフトビアマーケット」よりもカジュアルに立ち寄れる空間やメニュー構成を意識。「人とのつながりが生まれる、街のコミュニティとなるような店を目指しました」とステディワークス代表の田中氏は話す。
ドリンクの看板商品は、クラフトビールとシャリキン(焼酎の「金宮」をシャーベット状に凍らせて、炭酸と合わせたドリンク)の2本柱だ。クラフトビールは、「レア&エクストリーム」をテーマにセレクトしたものを樽替わりで常時10種ほど用意。シャリキンは、香川県観音寺市のフジカワ果樹園のレモンを使った「シャリキンレモン」をはじめ、「シャリキントマト」「カフェオレンジ」など全5種をそろえる。クラフトビール、シャリキンともに価格はすべて1杯480円均一としている(クラフトビールのパイントは780円)。
シャリキンは、同社が独自に開発した、自動でシャリキンを製造する「シャリキンサーバー」を使って作る。日々、繁盛店視察でさまざまな大衆酒場に足を運ぶ中でシャリキンに惹かれ、同店の看板商品として取り入れることにした田中氏。「シャリキンをタッパーで凍らせて作る店もありますが、営業中の冷蔵庫の開け閉めによって溶けてしまうこともあり、それだと品質を安定させるのが難しい」と、シャリキンを製品化するにあたっての課題を話す。そこで、「クラフトビアマーケット」の創業時から付き合いのあるラフ・インターナショナル(東京都府中市)の代表取締役の堀輝也氏に相談し、ともにシャリキンマシンの開発に取り組んだ。「理想とする氷の状態を、常に安定して再現できるマシンを開発。氷が溶けにくいので、最後の一口までおいしく飲めるシャリキンです」と田中氏が太鼓判を押す自信作だ。ほか、サワーやワイン、冷蔵ショーケースからお客がセルフサービスで取る瓶のドリンクなども用意。「当店はあくまで“居酒屋”。クラフトビール好き以外の人も来店しやすい、間口の広いメニュー構成としました」と田中氏。
フードは、「もつ煮(カレー味)」(小300円、中480円)、「ハムカツエッグ」(580円)、ドイツ風マカロニサラダの「シュペッツレサラダ」(480円)、「さび」「血肝」(各180円)などの串焼き、「ルーロー飯」(500円)などのごはんものなど、大衆酒場の定番メニューに、クラフトビールに合うよう、アレンジを利かせた品々が並ぶ。すべて一人分のポーションの小皿料理となっている。
「あの店に行けば誰かに会える」と思えるような、地域に根づいた街のコミュニティ的な店を思い描いた田中氏。「『クラフトビアマーケット』は、オフィス街や商業施設の店舗が多いですが、今回は、地域コミュニティが生まれやすいエリアを希望。住宅街がありつつ飲食店が盛り上がっている、三軒茶屋、中目黒、吉祥寺などで探しました」と田中氏は話す。同店は駅近ながらも、吉祥寺の末広通りから少し入った路地に立地する。「落ち着いた隠れ家的な場所。大通りではなく、ここで繁盛店を作っていきたい」と田中氏は話す。
同業態の店舗展開も視野に入れている同社。場所は、今回の開業候補地であった三軒茶屋、中目黒などが有力だ。さらに、12月19日には、「クラフトビアマーケット」で関西初出店となる「クラフトビアマーケット ルクア大阪店」のオープンを控えているほか、2019年にはブリューパブを開業する予定もある。“クラフトビールを多くの人に広める”というビジョンのもと創業し、見事その目標を実現した同社。今後は、創業期から成熟期へステップへと差し掛かっている。
店舗データ
店名 | 居酒屋ビールボーイ 吉祥寺店 |
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住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺南町2-8-8 M288ビル1F |
アクセス | 吉祥寺駅徒歩3分 |
電話 | 0422-29-9112 |
営業時間 | 【月~金】16:00~翌1:00、 【土・日・祝】14:00~翌1:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 17坪36席+スタンディング14名 |
客単価 | 3000~4000円 |
運営会社 | 株式会社ステディワークス |
オープン日 | 2017年11月21日 |
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