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タイの屋台さながらの活気が国分寺に! タイ好き・アジア料理好きに支持される「バンコク屋台 飯と酒 tuk tuk tokyo」

バンコクの屋台をイメージし、路面・角地にあるこちらを選択。居抜きのため初期投資減に成功
テーブル作りや壁塗りなどは、知人の大工さんの助言をもらいながらできるだけ自分で行った
豚ロースをオイスターソースなどを合わせた調味液に漬けて炭火で焼いた「ムーヤーン」(800円)
青パパイヤのせん切りにスパイスを利かせた、タイの屋台料理の定番「ソムタムタイ」(800円)
「老舗店やユニークな個人店が多い国分寺で、個性を出して頑張っていきたい」と、店主の中谷氏

(取材=木村 悦子)


JR中央本線、西武国分寺線・多摩湖線の3路線が乗り入れる国分寺駅。北口エリアは大規模な再開発を終え、駅前の様相が一新した。新たな賑わいを見せる国分寺駅北口から徒歩約5分の場所に、「バンコク屋台 飯と酒 tuk tuk tokyo」がオープンした。2016年11月19日の開業から1年弱営業を続ける中で順調に客足は増え、しっかりとファンやリピーターをつかんでいる。店主の中谷哲也氏は飲食店初開業で、もともとは縁もゆかりもなかった国分寺という新天地でのスタートだが、「きちんとした料理を出し、よいサービスを行えば勝機はある」と飲食店営業に手応えを感じ、早くも2号店の開業を視野に入れているという。

同店は、駅前の繁華街を離れ住宅街が始まるあたりに立地。個人経営店が数軒見られるエリアゆえ、店同士の交流もあるという。そうしたつき合いの中で、老舗飲食店などからお客を紹介してもらう機会を得ることもあり、それが集客につながっているそうだ。中央線の中でも特に国分寺は小規模でユニークな飲食店が好まれる傾向にあり、店主の個性・嗜好を活かした業態がポイントとなる。その点、中谷氏は飾らず人懐っこい人柄で根っからのタイ好き。タイ人のお客もつき、「ここはこうした方がいいよ」などと助言をもらったり、同業者から料理のアドバイスを受けることも。国分寺のどこかゆるい空気感になじんでいるが、なかなか器用でフットワークの軽い人物だ。福生のタイ料理店に4年勤務し技術を習得し昨年5月に退職、そこから準備を始め8月末に物件契約、11月にオープンというスピード感・行動力には目を見張る。飲食業界に入る前はガスの工事をしていたというから驚きだ。

タイ料理との出合いは、10代のころにタイに旅行したことがきっかけだ。「料理の勉強目的ではなく、単に観光です。さまざまな国に行きましたが、アジアだとタイが心の故郷のようで一番ほっとできます」と語る。福生の店で働き始めたときは、特に希望を伝えていなかったため、厨房とホールのどちらも経験した。タイ料理はスパイスやハーブなど、独特のものが多く名前も難しいので最初は苦労したというが、奥深さにどんどん魅了されたと話していた。独立開業の意志は最初から伝えていたので、退職の際もさまざまな助言がもらえ現在の糧になっている。

同店の料理は軽いおつまみ、焼物、サラダ、ご飯と、食欲と酒心をそそるメニュー構成だ。イラストや描き文字が印象的なメニューブックは知人に描いてもらったそうだ。味つけは、「日本人の僕が作るので、やや日本人向けです。辛さも希望があれば調節します。ただ、調味料は現地のもの、ホーリーバジルやレモングラスは生ハーブ、米はジャスミンライス」と、こだわりを見せる。営業中は、炭を入れた七輪で焼き、あえていい香りの煙を上げてバンコクの屋台風を演出している。炭火焼は「ガイヤーン」(700円)など。お客の食欲を刺激する狙いもある。こうした焼き物のほか、肉を詰めて発酵させるところから自家製のソーセージ「サイクローク」(800円)などの手の凝ったものも。すぐに出せる焼き物と仕込みが必要なものを分けて、オペレーションの効率化を心がける。アルコールメニューはタイのウイスキーのほか、トムヤムクンのハーブを焼酎につけて炭酸で割る「トムヤムサワー」(500円)などが評判。マンゴーやパインなどの生フルーツを絞ったサワー(各500円)は女性に人気だ。

同店は現在、固定費を削減するために、基本的には店主1人で切り盛りしている。ランチ営業はせず、ディナー営業のみ。コース料理や飲み放題はなく、アラカルトを充実させた。国分寺には学校はいくつかあるが企業はそれほど多くない。周辺には会社員や学生の宴会需要を取り込みコースを提供する飲食店もあるが、メインターゲットを20、30代男女、1~2人客に絞った。「僕は今33歳なんですが、年齢が近いお客様が親近感を持ってくます。また、タイが好きな方は『現地みたい』と雰囲気を気に入ってくれます」。内装は、テーブルや椅子も含め、手先の器用さを活かしてできるだけ手造り。店に飾る雑貨も自分で買い集めたものが中心だ。このように「自分でできるところは自分でやる」をモットーに、アットホームな店作りを心がけており、できれば2店舗もしくは3店舗ほどの出店意欲があるようだ。「店を軌道に乗せたら、最終的に自分はシーズン中だけ海の家やスキー場のフードコートで働いて、繁忙期以外は旅をして生きていきたいです」と、究極の理想を語りながら自然体で笑う中谷さんから目が離せない。

店舗データ

店名 バンコク屋台 飯と酒 tuk tuk tokyo
住所 東京都国分寺市南町3−5−11

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アクセス JR中央本線・西武国分寺線・西武多摩湖線から徒歩5分
電話 042-349-6679
営業時間 ディナー【水~月】17:30ごろ~翌3:00
定休日 火曜
坪数客数 7.5坪・16席
客単価 2500円
オープン日 2016年11月19日
関連リンク バンコク屋台 飯と酒 tuk tuk tokyo(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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