4月5日、東急東横線・学芸大学駅東口にある昭和の風情が残る飲み屋街“学大十字街”に、立ち飲みイタリアン「あつあつ リ・カーリカ」がオープンした。経営は、同駅に構える人気店「オステリアバル リ・カーリカ」、同沿線の隣駅・都立大学駅高架下にある「カンティーナ カーリカ・リ」を展開するタバッキ(東京都目黒区、代表取締役 堤亮輔氏)。同店は、自然派ワインとイタリアの郷土料理をベースにした料理は変わらず、19時の開店時以外の予約は一切受けないという既存店とは一線を画すスタイルで、古き良き時代を知る大人たちが分け隔てなく織り混ざり、美酒と旨い料理に酔いしれる憩いの場所として連日連夜賑わいを見せている。
どことなく昭和な佇まいの格子のガラリ戸を開けると、店内には食欲をそそる香ばしい香りが立ちこめている。カウンター越しに楽しそうに料理をしながら接客をする代表の堤氏とスタッフ。そして、先客たちが少しずつ中に詰めて、新たな客を迎え入れるためのスペースを作ってくれる。店名の「あつあつ」とは、“あつあつな店”というキャッチーなコピーから名付けたそうだ。「カタカナのカッコイイ名前の店ではなく、料理に没頭しすぎないでお客さんと一緒に楽しめる10坪以下の小さな店——。お客様と距離感が近くて、生産者とお客様を店がつなぐことができる店。肩肘張らないでみんなでひとつの料理を食べるような店をつくりたかった」と堤氏は話す。
メニューは、冷菜、温菜、麺、チーズで構成され、その日仕入れの食材でメニューの内容は毎日変わる。仕入れは、堤氏が買い付けに行く。鮮魚は神奈川県・三浦半島西に位置する佐島漁港へ。野菜は顔見知りの生産者から直送されるものがほとんどだという。そして、メニューには載っていないが、毎日20時頃に焼き上がるトスカーナ地方の名物料理「アリスタ」がこの店の名物メニューだ。巨大な骨付きの豚ロース塊肉の中心に穴をあけ、そこにローズマリーの枝とニンニク押し込み、オーブンで焼き上げる。とても豪快でいてシンプルに旨い、イタリアを感じさせる料理だ。「お肉焼けましたよ!」という堤氏の合図とともにジューシーに焼き上がった塊肉がカウンターの上に登場すると、「お肉ください!」、「こっちにもください!」と、たちまち注文の声が殺到する。まさに、たまたま居合わせたお客同士でひとつの料理を食べるような一体感が生まれ、楽しいひと時に一層賑わいが増す。
ワインは料理に合わせて楽しめるように、ボトルの他にグラス(700円〜1200円)で20種類以上が提供される。お手頃なものから高価なものまで、いろいろな味わいのものが常時開栓される。「白ワイン」、「赤ワイン」の他に、「スパークリング」や「シードル」も。さらに、自然派ワインと似た雰囲気の山廃造りで醸される「日本酒」(800円〜)。冷蔵庫には、「サッポロ赤星」やイタリアのワインを思わせるような「クラフトビール」などの「瓶ビール」(650円〜)がセルフサービスで楽しめ、飲み処らしさを演出している。
スタッフの成長とともに会社が大きくなっていくことをモットーに、1号店のある学大の街に3店舗目となる「あつあつ リ・カーリカ」をオープンした堤氏。いつでも気軽にふらっと立ち寄れる憩いの場になるような店でありたいとの考えから予約は一切取らずにスタート。しかし、開店前に並んだのに入れないという状況が続いたため、それでは申し訳ないと5月より19時の開店時間のみカウンター9席の予約を受けることにしたという。基本的には、カウンター席が空いて入れば座ることが可能。椅子席が空いていなくても、立ち飲み席ならば先客の隙間に入れてもらえる。客同士で席を詰めたり、そろそろ切り上げたり、譲り合って楽しむのがこの店の流儀だ。そんなあつあつな思いと人がギュッと詰まった「あつあつ リ・カーリカ」は、夜な夜なおいしい料理とおいしいお酒が楽しめる大人たちの憩いの場として早くも学大の街に根付いている。
店舗データ
店名 | あつあつ リ・カーリカ |
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住所 | 東京都目黒区鷹番2-20-4 |
アクセス | 東急東横線 学芸大学駅から徒歩2分 |
電話 | 080-4858-2233 |
営業時間 | 19:00~27:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 7坪・カウンター9席、スタンディング11名 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社タバッキ |
オープン日 | 2017年4月5日 |
関連リンク | あつあつ リ・カーリカ(FB) |
関連ページ | カンティーナ カーリカ・リ(記事) |