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22歳の若き飲食店オーナーが挑む 下北沢に誕生した「総作酒場おかえり」

全面ガラス張りのファサードで店内の様子が分かるため、入店のハードルが低い作りとなっている
テーブル席とカウンター席だけでなく、2階には座敷も設けているので団体の利用も可能
高い品質にも関わらずリーズナブルな値段で楽しめる「イチボのロースト」(900円)
「モッツアレラ豆腐の揚げ出し」(650円)は同店のキラーコンテンツのひとつ
代表取締役の江口貴博氏(左から2番目)と同店のスタッフのみなさん

(取材=三輪ダイスケ)


下北沢は若者の街というイメージが強い。確かに駅の南口には、大手チェーン店の飲食店が軒を連ね、連日多くの若者が集まっている。ただ西口には、戸建ての住宅も立ち並び、古くから下北沢に住む方も少なくない。そうした西口エリアに3月1日にオープンしたのが「総作酒場おかえり」だ。運営するのはBond Cueneo(ボンド・クエント、東京都荒川区、代表取締役 江口貴博氏)で、代表取締役の江口氏にとって独立店となる。

現在、江口氏は22歳。長崎県対馬市の出身で、実家は1887年創業の対馬醤油江口(長崎県対馬市、代表取締役 江口豊隆氏)である。同社は醤油の製造・販売を行う傍ら、飲食店なども経営しており、氏も幼いころからフードビジネスに興味を抱く。そして都内の高校に進学した兄の後を追うように中学のころ上京。そのまま高校・大学と進学し、18歳のときには飲食店でアルバイトを始めて飲食の世界に飛び込む。大学を中途退学した後、世界的なアミューズメントパーク内の和食レストランでの勤務を経て、マーケティングスキルを磨くためIT企業へ転職。そこで飲食店を出店するプロジェクトに巡り合って、「総作酒場おかえり」のオープンを実現させる。

今回、同店の誕生を語る上で、とある人物の存在が欠かせない。それが日いづる(東京都港区、代表取締役 前田朗氏)の前田氏だ。同社が運営する「総作料理 日いづる」は、六本木交差点からすぐの場所に位置しており、リピーター率が9割を誇る超人気店である。実を言うと、江口氏は「総作酒場おかえり」をオープンさせる前の6ヶ月間、「総作料理 日いづる」に修行へ出ているのだ。そのときの経験について、氏はこのように話す。「マニュアルで決まった接客ではなく、一人ひとりのお客さんとしっかりと向き合う自由な接客がしたい。そう考えて『日いづる』のお世話になりましたが、得たことが多かったですね。接客だけでなく料理の提案方法も自由。しかも、お客さんはもちろん、スタッフも笑顔で働いています。改めて飲食の面白さに気がつくとともに、自分もこのような空気を作り出せる店を出したいと決意しました」。

同店のメニューは、ドレッシングさえ一から手作りしているほど、どれも徹底したこだわりを持つ。その理由を江口氏は「大手チェーン店なら、スケールメリットを生かして、値段を抑えることができます」と語ると次のように続けた。「しかし、私たちのような個店はそうはいきません。それでも手間暇をかければ、値段が抑えられるだけでなく、それが新しい価値にもなるでしょう。当店の一番の目玉は、国産牛を使ったメニューです。いかにリーズナブルに提供するかにこだわった結果、店内でさばいて、オリジナルの提案を加えて提供をしています」。氏の言葉通り、国産牛を使ったメニューは「牛ホホ肉の赤ワイン煮」(500円)をはじめ、ロースト各種が「ヒレ」(1000円)と「ハラミ」(800円)、「イチボ」(900円)、「ランプ」(900円)といったリーズナブルな価格で並ぶ。また、くず粉を使った「モッツアレラ豆腐の揚げ出し」(650円)や辛いポテトをサワークリームとメープルシロップで食べる「フライドポテト」(580円)など、創作料理に軸足を置いたメニューも揃う。この他にも「フォアグラのカナッペ」(600円)や「自家製鶏しゅうまい」(600円)、「鶏ささみの柚子和え」(650円)、「ブリカマのロースト」(680円)などがラインアップされている。ドリンクの中心が焼酎で「泥亀(麦・芋)」や「39」をはじめ、「兼八」や「山ねこ」などの銘柄を500円で販売。ビールやサワー、カクテルも400円以下で抑えたリーズナブルな価格で提供している。

現在、「総作酒場おかえり」はグルメサイトなどに掲載をしていないにも関わらず、口コミを中心に人気を集めており、満席となる日も少なくない。こうした状況を受けて、今後のビジョンについて江口氏は、目を輝かせてこう話す。「少しずつではありますが、地域に愛されるお店になってきているのかもしれません。地域の方が主婦会で使ってくれたり、商店街の会合の場所になったりと、地域に根付いてきているのを感じています。飲食店は、地域社会に愛されなければ存在できません。もっと楽しんでもらうことを通して存在感を発揮し、下北沢になくてはならない店に育てていきたいですね」。22歳の若き飲食経営者の挑戦。その一つ一つの経験が、次世代のフードビジネスを築き上げていく。

店舗データ

店名 総作酒場おかえり
住所 東京都世田谷区北沢2-26-14

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アクセス 小田急線・京王線 下北沢駅から徒歩3分
電話 03-6407-0450
営業時間 ランチ:11:30-14:30
ディナー:17:00-23:00
定休日 火曜日
坪数客数 25坪・45席
客単価 3500円
運営会社 株式会社Bond Cueneo
オープン日 2017年3月1日
関連リンク 株式会社Bond Cueneo(HP)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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