渋谷の進化が激しい。現在、渋谷駅のリニューアル工事をはじめ、駅ビルや大型商業施設、オフィスビルなどの建設が進む。大規模な再開発に伴って、周辺の物件取得も難しくなっており、都内屈指の激戦区となっている。そんな渋谷の地に、10 月 26 日にオープンしたのが「牡蠣入レ時(カキイレドキ)」だ。運営するのは、プラタフォルム(東京都千代田区 代表取締役社長 國分亮氏)で、同社にとって 2 店舗目の飲食店の展開。また同店は、FOOD ARCHITECT LAB(東京都港区、代表取締役 鈴木悠太氏)が運営する「牡蠣入レ時」の ライセンス 第一号店にもなる。同ブランドは、 2013 年 11 月、中目黒で誕生して以来、カウンターメインの隠れ家的なオイスターバーとして女性を中心に人気を集め、現在は新宿、品川、茅場町にも4店舗展開する。
もともとプラタフォルムでは、エンターテイメント系のコンテンツを開発する傍ら、2008 年頃から、テーマ型のレストランを秋葉原で運営していた。しかし、斬新なアイデアを導入しても、すぐに他店に模倣される現状などから、フードビジネスに行き詰まりを感じていたという。そうしたタイミングで出会ったのが、FOOD ARCHITECT LABのライセンス募集である。國分氏は「店舗開発力やメニュー作り、仕入れのネットワークなど、同社が持つノウハウに感銘を受けました。ここまで徹底していてレベルが高いのか、と。また、集客などの戦略も確立されており、本部との距離も近かったので、ライセンスの説明を受けているうちに、一緒にビジネスをしたいと考えるようになりました」と話す。
一方、ライセンスの一号店目を、プラタフォルムと展開することに決めた経緯について、鈴木氏は「國分さんの人柄が、一番の決め手です」と言うと、次のように続けた。「人として信頼できる方と一緒に展開していきたい。ライセンス展開を決めた時、そのように考えていました。國分さんは、すべての『牡蠣入レ時』の店舗を巡って、当ブランドの魅力に触れてくれるなど、真摯な姿勢の持ち主です。ブランドのコンセプトがぶれる心配もないと感じて、迷わずお願いすることにしました」。
こうして企画力に強みのあるプラタフォルムとフードビジネスで急成長を続けるFOOD ARCHITECT LABがタッグを組んで、大人が楽しめる空間「渋谷牡蠣入レ時」は誕生した。同店のキラーコンテンツは、生牡蠣と焼牡蠣、蒸牡蠣が味わえる「牡蠣食べ比べセット」(2,200 円)である。このメニューをオーダーした後、好みに応じて、「生牡蠣」(400円~)と「焼牡蠣」(290円)、「蒸牡蠣」(370円)を追加で注文する客が多い。人気の秘密は、何と言っても、牡蠣の身の大きさである。通常、牡蠣は焼くことによって、身が縮んでしまうケースが少なくない。しかし、同店の牡蠣は焼いてもあまり縮まらないばかりか、独自の瞬間冷凍方法を確立させているため、素材そのものの味わいが楽しめる。ドリンクについては、ビールやカクテル、ワインなどとともに、希少価値の高い日本酒も並ぶ。季節や出荷状況によって、ラインアップは変わるが「夜明け前 生一本」(グラス 800円)などが人気を集めている。
今後のビジョンについて、まず鈴木氏は「現在、2020年の東京オリンピックに向けて、今後ますます路面店の確保が難しくなると思われます。当社の物件取得力も生かしつつ、魅力的な店舗開発を進めていく予定ですが、ライセンスビジネスについては、良きご縁におもきを置き、まずパートナー様ありきで考えています。信頼できるパートナー様、投資計画に見合った物件と出会った時に店舗拡大を図っていきたいと考えています」と話す。そして國分氏は「これまで自社でもフードビジネスを 展開してきて、多くの飲食店の栄枯盛衰も見てきました。だからこそ、当ブランドのポテンシャルも身に染みて感じています。まずは激戦区・渋谷で選ばれる店に育てていって、FOOD ARCHITECT LAB様と 2 店舗目、3 店舗目と展開していけるようなパートナーシップを築いていけたら最高ですね」と語る。それぞれの強みがシナジー効果を発揮して、「牡蠣入レ時」が渋谷の勢力図を塗り替えていくかもしれない。
店舗データ
店名 | 牡蠣入レ時(カキイレドキ) |
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住所 | 東京都渋谷区道玄坂2-23-1小池ビル3F |
アクセス | JR・私鉄・東京メトロ各線 渋谷駅から徒歩4分 |
電話 | 03-6427-8735 |
営業時間 | 17:00~24:00 |
定休日 | 年中無休 |
坪数客数 | 約14坪・30席 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社プラタフォルム |
関連リンク | 牡蠣入レ時(FB) |
関連リンク | プラタフォルム(HP) |