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日本初となる生産者と共につくる居酒屋に注目。東北地方の生産者しか知らない価値ある食べ方を提案する店、 漁師直送まぐろ専門「ヒガシノマグロ」が神田小川町に5月9日オープン

マグロの中に“東北”の文字が隠されている看板。店舗は階段を降りた地下階にある
ナチュラルな雰囲気の店内。奥行きのあるカウンター席とテーブル席で構成される
ますはこれをオーダーすべし。気仙沼から直送の「ヒガシノマグロ盛り」
これを食べたら他では満足できなくなること覚悟の「牡蠣爆弾フライ」は猟師直伝メニュー
「東京から地元東北に貢献したい。そして、どんどん東北のファンを増やしたい」と話す、福島県須賀川市出身の店長 宗形悠希氏(左)、希望の環プロジェクト事業部部長の小倉伸太郎氏(右)

(取材=下前 ユミ)


日本初の生産者と共につくる居酒屋として、東京・神田小川町の靖国通り沿いに漁師直送まぐろ専門「ヒガシノマグロ」が5月9日にオープンした。経営は、全国の中小食品生産者を会員組織化し、百貨店や駅ナカ、商店街、道の駅などで生産者直売ビジネスを展開する生産者直売のれん会(東京都台東区、代表取締役社長 黒川健太氏)。東日本大震災で同社の会員であった東北の生産者が津波で生産設備などを失ったことがきっかけとなり、復興への足がかりとして立ち上げた東北復興支援プロジェクト「希望の環」の新たな挑戦であり、東日本大震災以降取り組んできた復興支援事業の集大成として飲食事業をスタートさせた。

「ヒガシノマグロ」は、食材を熟知した生産者たちだからこそ知る“とっておき料理”をフックに、東北の生産者と協同で知られざる食材の販路開拓につなげる店。いわば、生産者と共につくる居酒屋だ。経営元の生産者直売のれん会では、現在日本全国の高い商品力を持つ約100社の中小食品生産者と連携し、“価格競争”ではなく“価値競争”を行う新たな食品流通事業を構築し、日本の食品産業がより良い未来を迎えられることへの貢献を目指している。同店の責任者で、希望の環プロジェクト事業部部長の小倉伸太郎氏は、「日本各地にはまだまだ知られていない、びっくりするほどおいしい食材や、原料にとことんこだわっている商品がたくさんあります。しかし、現在の流通は低価格競争になっており、生産者のみなさんは価格競争で大手に負けてしまうという共通の悩みを抱えていました。また食材によって合う販路も違います。生産者さんたちと一緒に新しい食品流通を構築していく中で、生鮮食材の販路を開拓すること、つながった人と人が集まれる場所を作りたいという想いからその手段の一つとして同店を立ち上げました」と出店の経緯を話す。

メニューは、東北の生産者たちから直送される食材を、生産者たちがいちばんおいしいと思う調理法で提供される。漁師直送まぐろ専門と掲げる看板メニューの「ヒガシノマグロ盛り」(2人前 1480円、3人前2220円)は、気仙沼産のマグロを希少部位も含めた日替わりの5種盛りで用意する。独自製法により三陸・石巻の朝獲れの鯖を水揚げしてすぐに缶詰加工した“金華さば”を使った「金華さばサラ」(780円)は、人気メニューで、お土産として缶詰の購入も可能。「牡蠣爆弾フライ」(1個390円)は、3つの牡蠣を1つにまとめているため、衣率が低くなり牡蠣を十分に堪能できる猟師直伝のメニューだ。そのほかに、イカ、味噌、醤油、酒蔵、缶詰加工品など、食材を熟知した生産者の“とっておき料理”に仕立てた多彩なメニューを取り揃える。

ドリンクは、オリジナル醸造のマグロに合うクラフトビール「ヒガシノ麦酒」(650円)が目玉商品で、柑橘系の香りにスパイスの効いた味わいが特徴。そのほかに樽替わりのクラフトビールも1種類用意。取材時はポリフェノール入りのさっぱりとした苦みが癖になる味わいの「秋田美人のビール」(630円)。日本酒は、秋田「まんさくの花 特別純米」(120ml/650円)、福島「花春 純米 濃醇辛口」(120ml/540円)などをレギュラー酒として、東北6県の日本酒を1銘柄ずつと週替わり酒として3銘柄を用意する。さらに人気高まるハイボールには、青森「リンゴ酢ハイボール」(450円)、福島「白桃ハイボール」(450円)など、東北6県の食材を組み合わせたオリジナルのハイボールを用意している。

「ヒガシノマグロ」は、店舗の開業、PR資金をクラウドファンディングで募ったところ、目標金額の100万円に対して達成率300%となる300万円以上を調達。既に、期待度の高い店としてファン客を獲得してからスタートした。商品力があるのに埋もれてしまっている商品を取り上げてスポットライトを当てる同店の事業モデル。小倉氏は「生産者を全面に打ち出した飲食店として、生産者と協力して今後も展開をしていきます。また、食材や地域を絞れば絞るほど面白くなるのではないかとも考えています」と今後の展望を話す。商品の価値を軸とした新たな食品流通ビジネスとして、飲食業界に新風が吹き込まれた。

店舗データ

店名 ヒガシノマグロ
住所 東京都千代田区神田小川町1-8-3 小川町北ビルB1F

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アクセス 都営 新宿線「小川町」駅 A7出口 より徒歩1分
東京メトロ 千代田線「新御茶ノ水」駅 B4出口より 徒歩1分
東京メトロ 丸ノ内線「淡路町」駅 A5出口より 徒歩1分
電話 03-6206-8970
営業時間 ランチ 月〜金 11:30~14:00
ディナー 月〜土 17:00~23:30
定休日
坪数客数 28.5坪・46席
客単価 ランチ 1000円、ディナー 3500〜4000円
運営会社 株式会社生産者直売のれん会
関連リンク 生産者直売のれん会(HP)
関連リンク ヒガシノマグロ(HP)
関連リンク ヒガシノマグロ(FB)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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