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ダルマプロダクション古賀慎一氏が商業施設に大箱出店。薪焼き肉を看板に、バールとレストランのツーフロアからなるイタリアンレストラン「Trattoria Cicci Fantastico(トラットリア チッチ ファンタスティッコ)」をGEMS大門1階・2階に3月7日オープン

ガラス張りのファサードで、店内の様子がうかがえる。夏場は扉を開けて開放感あふれる空間に
2階は、レストランフロア。グループ利用しやすいレイアウトで、貸し切りパーティーの利用も可能
豪快に薪火で焼き上げられる塊肉「オーストラリア産 熟成ラム(骨付ロース)」(2500円)は、熟成された赤身の濃い肉質とアブラの甘みが絶品
Cicciのオススメは、その日の仕入れによって登場する季節食材の限定メニュー。「花ズッキーニのフリット」(1本600円)は、神奈川の今井農園から届いた花ズッキーの花の部分にモッツァレラチーズとアンチョビを詰め、王道のフリットに仕立てた逸品
妖艶な紫色のネオンの下で。株式会社ダルマプロダクション 代表取締役 古賀慎一氏

(取材=下前 ユミ)


都内有数のビジネスエリアが形成される大門・浜松町エリアに、野村不動産が展開する都市型商業施設「GEMS大門」が3月7日にオープンした。「GEMS」シリーズは、渋谷、市ヶ谷に続く3つ目の出店。「9つの豊かな美味しさを育て、つむぐダイニング」をコンセプトに、商業施設初出店4店を含む個性豊かな飲食店9店舗がラインナップされ、周辺のオフィスワーカーや周辺住民、観光客の飲食ニーズに応える。注目は、1階と2階のツーフロアにオープンしたダルマプロダクション(東京都渋谷区、代表取締役 古賀慎一氏)のイタリアンレストラン「Trattoria Cicci Fantastico(トラットリア チッチ ファンタスティッコ)」だ。本場イタリア仕込みシェフの古賀氏らしく、同店では「薪で焼く」をテーマに、イタリアの郷土食である“薪火で焼き上げた塊肉”と“生パスタ”を看板メニューに据え、季節感や素材を生かしたイタリア料理はそのままに、イタリア産のワインやクラフトビールとともに提供する。

路面角地に立地する全面ガラス張りのファサード。ピンク色のネオンサインが妖艶な雰囲気で、店内の活気ある様子と対比させた特異な空間にセンスが光る。鉄の破材を溶接して作ったオリジナルの大きな丸いランプシェイド。イタリアらしい配色の食器やニワトリの姿をしたファニーな水差しなど、元気で陽気な雰囲気を大切にした空間だ。シェフの手元まで見えるキッチンの延長線上にあるテーブル席や、厨房の中にいるようなカウンター席など、同社の特徴的な店づくりには、その席に座った人だけが分かるユニークな仕掛けを凝らしている。1階は、フルオープンキッチンを囲むように構成されたバールフロアで、2階はトラットリアとして機能するレストランフロアとなっている。店舗デザインを担当したのは、SUPER POTATO出身のデザイナー、MAMENOKI 301の相原憲太郎氏。古賀氏と相原氏は、2012年2月に渋谷にオープンした1号店「Osteria Urara(オステリア ウララ)」からタッグを組み、同社の全7店舗を手掛けてきた。別法人で立ち上げた同代表のおも茶が運営するグランツリー武蔵小杉の和甘味カフェ「雨時々小豆(あめときどきあずき)」(2014年11月にオープン)も同様だ。

伝統的な肉料理の「ビステッカ」など、イタリアでは“肉は塊のまま薪火で焼く”のが主流。薪火は生木を燃やすため水分を含んでおり、炭火よりもジューシーに柔らかく焼き上がる。さらに、自然な薫香がつくため風味よく仕上がるという。しかし、一定の温度に設定したら勝手に焼き上がるオーブン調理とは違い、薪火調理は食材のサイズや状態によって火加減を細かく調整し、薫香のまとわせ方にも強弱をつける必要がある。そのため、火入れには料理人の技量が問われるのだ。肉のラインナップは、香草ニンニクバターソースを添えた「USA産”チョイス”ランクTボーンステーキ」(600g:2~3人前 4400円/1kg:4~5人前 6900円)をはじめ、「日替わりのA4ランク以上の厳選和牛」、「鳥取産 トトリコ豚ロース」、「新潟県産 雪室熟成豚」、「スペイン産 鴨(マグレカナール)」を用意する。薪火によるスモーキーな香りとしっとりと柔らかな肉質は、オーブンで焼き上げるのとはひと味違った味わいで肉好きにはたまらない逸品だ。

同社は、これまでイタリアンと居酒屋を中心に東京・横浜で7店舗を展開してきた。それぞれ店舗ごとで全く異なる個性と専門性を持ち、ファン客をつかむヒット業態を生み出してきた。代表の古賀氏は、「スタッフ全員がやりたいことを表現できる場のある会社にしていくために、大箱出店はスタッフのスキルアップを図る必要な挑戦でした」と話す。今回の出店は、これまでの尖ったコンセプトの店舗展開とは違う。大箱にしかできない特性を生かした、どんなシーンにも合う間口の広いスタンダードな店だ。“真空調理”や“分子美食学”など科学を駆使した調理技術が注目を浴びる中で、トレンドと逆行するかのようにイタリアの伝統的な調理技法の“薪火調理”を看板に据えた。こうして社内でスキルアップが完結できる体制を着実に整えているからこそ、スタッフは楽しく働くことができ、お客のニーズに応えられる人材が育つ。組織にいながら個性の光る場を与えることが、自ずと店舗展開につながるのだろう。いま最も目の離せない若手経営者のひとりだ。

店舗データ

店名 Trattoria Cicci Fantastico(トラットリア チッチ ファンタスティッコ)
住所 東京都港区芝大門1-15-3 GEMS大門1・2F

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アクセス 都営大江戸線・浅草線 大門駅 より徒歩1分
JR 浜松町駅 より徒歩4分
電話 03-6435-9365
営業時間 ランチ  月〜土 11:30~15:00
ディナー 月〜金 17:30~23:30
     土・祝 17:30~23:00
定休日 日(日曜日が祝日の場合は翌月曜日)
坪数客数 61坪・90席
客単価 ランチ1080円、 ディナー4500円
運営会社 ダルマプロダクション
関連リンク ダルマプロダクション(HP)
関連リンク Trattoria Cicci Fantastico(FB)
関連ページ アカベコ(記事)
関連ページ 雨時々小豆(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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