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銀座7丁目に6月16日オープン。国産の高品質なフレッシュフルーツを使ってカクテルを提供するバー「Misty」に注目

エレベーターを降りると店名のサインがついた木製扉が迎えてくれる
厳かなバーの雰囲気だが、フルーツモチーフのおしゃれな照明がなんともMistyらしい
宮崎県産のパパイヤを使った「ワインクーラー」は色鮮やか
和歌山県産のグリーンレモンを使ったひと味違う「モスコミュール」
店主・バーテンダーの三澤政樹氏

(取材=編集部)


6月16日、銀座7丁目にあるビルの3階に、日本の高品質な農産物をカクテルで国内外に発信することをコンセプトに、バー「Misty」がオープンした。旬の国産野菜や国産果物を主役にしたカクテルをオリジナルで展開しているだけあって、各県庁や府庁に勤める方なども遠くからわざわざ足を運ぶという。オーナーは、西麻布の「Majestic」や六本木の「瀬里奈」にてバーテンダーとしてのキャリアを積んだ三澤政樹氏。「より自分のブランドを高める」ために独立を決意。他エリアに比べてバー業態が多い銀座はいわゆる激戦区だが、多くの職人仲間がこの界隈で働いていることと、あえて一流のバーが多い地に挑もうというチャレンジ精神で銀座での開業を決意したそうだ。店内はカウンンターとソファー席で21席。なんともバーらしいバーで、落ち着いた雰囲気の内装に目新しさはさほど盛り込んでいないが、コンセプトを知らずに訪れても”バーとして間違いない空間”といった具合。来店客の大半はリピート客で、「おまかせ」でと頼まれることが多い。取材日のオリジナルカクテルメニューを聞いてみたところ、いつくか教えてくれた。

天皇献上品でもある「和歌山のグリーンレモンを使ったモスコミュール」(1500円)、「新潟おけさ柿のテキーラサンライズ」(1400円)、「宮崎パパイヤのワインクーラー」(1600円)など、どれもカクテルとしては聞きなれたものだが産直の旬の果物がそれらを特別なものにしている。今から12-13年前、フレッシュフルーツを使用した「ミクソロジーカクテル」が流行したことをきっかけに、三澤氏はスタンダードカクテル以外のものに目を向けるようになったそうだ。すると当然のことながら、果物の良し悪しが理解できるようになり、スーパーなどで手に入るものより産直の方がよいだろうと、仕入れにも熱が入ったという。さらに、同産地のものでも生産者によって個性が異なり、味わいに違いがあることに気づき今のスタイルに行き着いたという。このような三澤氏のこだわりカクテルの噂を嗅ぎつけてか、ある日突然、宮崎県の東京事務所の担当者がバーを訪れ、「宮崎産の日向夏やヘベス、マンゴーを使ってカクテルを開発してほしい」と依頼を受けたそうだ。この仕事がきっかけで、やがては宮崎県に三澤氏が考案したカクテルについて問い合わせが入るようになり、宮崎をはじめ、新潟、秋田、沖縄、高知、和歌山から現地へ招聘され、各地の特産品をカクテルでアピールするようになったそうだ。

「農業従事者が減っているので、なんとか貢献したいんです」と話す三澤氏。「農産物は日本の伝統であり文化です。日本ほどおいしい果物や野菜が採れるところは、ほかにないと思うんです。それが失われることのないよう、未来へ存続するためのPRとして国産農産物を生かしたカクテルを作り続けたい」と想いを語ってくれた。さらに「旬の食材は栄養価も高く、美と健康のためにとても有効的です。自然環境や気候風土など、地球の恩恵を受けて育った農産物は、人が本能的に欲するもの。人間の身体にフィットする自然由来なもので提供することを大切にしています」と続けた。それゆえ、カクテルに使うリキュール類や練乳なども自家製で用意している。また、素人の頭では絶対にカクテルには使わないだろうという食材も、各県から依頼があれば開発に挑戦するという。たとえば、高知県のニラはバナナと練乳、ラムと合わせてカクテルに仕立てたり、秋田の枝豆はハイビスカスソルトをあしらってカクテルにしたりした。もちろん、ひらめき通りにうまくいくわけではない。なんども失敗を重ねるなかで生み出されるまさに「産物」。しかし、カクテルにすることで農産物を見直すきっかけになったり、手間暇をかけた食材同士の掛け算によってマリアージュに昇華したりするなど、生食を超える美味しさに出会えることもあるという。

「私にとってバーはラボでもある」と三澤氏。これからも47都道府県、日本中のあらゆる農産物で独自のカクテルを作るため、研究には終わりがないそうだ。いずれは札幌から福岡まで主要都市に出店し、全国の人に国産の農産物カクテルを飲んでもらいたいと今後の展開について語ってくれた。さらに、ノンアルコールカクテルでも提供できるため、「宗教的にアルコールを飲まない国にも展開したいです」と、海外進出の夢も描いている。料理ではなく、カクテルという新しい領域において、自身のクリエイティビティを発揮し、国産農産物のブランド認知、消費拡大、輸出促進までをも実現しようと奮闘している三澤氏。独自のアプローチで日本の一次産業に貢献する姿はとても輝かしい。ぜひとも、実現に至ってほしいと期待が膨らむばかりだ。

店舗データ

店名 Bar Misty
住所 東京都中央区銀座7-6-5 石井紀州屋ビル3階

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アクセス 地下鉄銀座線 銀座駅 B5出口より徒歩3分
JR 新橋駅より徒歩5分
電話 03-6264-6845
営業時間 平日 18:00-翌4:00(L.O.3:00)
土  18:00-23:00
定休日 日祝
坪数客数 13坪 21席
客単価 5000円
運営会社 株式会社石塚
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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