閑静な住宅街が周囲に広がるたまプラーザ駅から徒歩3分。ラーメン店や居酒屋、ビストロなど地元の飲食店が軒を連ねるたまプラーザ中央商店街。そのちょうど入り口にあるビル2階に日本酒バル「Tokyo Rice Wine」(トウキョウ・ライス・ワイン)が11月20日にオープンした。経営は新百合ケ丘で同名の日本酒バルを経営するニコカンパニー(神奈川県川崎市宮前区、代表取締役 平野良輔氏)。同社の2店舗目となる。同社の日本酒バル業態に、現代のエッセンスを加え「日本」の魅力を新たに提案する。
大学で電気電子工学を学んでいた平野氏が飲食の世界に入ったきっかけは、学生時代のアルバイトだった。「お客さんの反応が、直にかえってくるのが楽しかった」。両親に頭を下げ、大学を中退。独立を夢みて、大手飲食企業に就職した。そこで、数々の新店舗立ち上げや不採算店舗の再生を成功させ、経験と実績を着々と積んでいく。その後、飲食店経営に必要な数字を学ぶため、飲食店の経営コンサルティング会社に転職。赤字続きの居酒屋を1年で再生してみせた。
そのような同氏が、業態を日本酒バルに決めたのは実家が呉服屋というルーツが影響しているという。「『日本』というルーツを大切にしたい。それには新しいエッセンスを加えて魅力をちゃんと伝える必要がある」。たまプラーザ周辺に住む女性たちからの「日本酒を飲めるお店がない」という声も多くあったことから、女性一人でも楽しめる、おしゃれで気軽に入れる日本酒バルを同地にオープンさせた。メインターゲットは30代から50代の女性だ。
「日本の魅力を伝えたい」という思いから、メニューも可能な限り国産にこだわる。日本酒は、「鳳凰美田 純米大吟醸」(630円)、「梵 GOLD 純米大吟醸」(630円)など、女性にウケのいい人気銘柄を含め、純米酒のみ常時30種以上を揃える。たまたま見学にいった酒蔵の杜氏が、日本酒の出来を確かめるのにワイングラスを使っている姿を見て、発信できるはずだと日本酒バル業態に決めたという。より香りが引き立つワイングラスでの提供を決めた。2店舗目の同店から、グラスからオーダーできる日本ワインも加わった。フードメニューは、日本酒とのペアリングを軸に開発し、イタリアンなどの各国料理を和にアレンジ。ガーリックオイルに白みそを加えた「小エビの和ヒージョ」(780円)や、かに味噌を混ぜ込んだ「自家製ソースのバーニャカウダ」(880円)など。看板メニューの「新鮮!こぼれ寿司」(1280円)の米は、握っても粒がほどけやすい寿司に合うものを使用。同氏自ら千葉の生産現場に足を運び、農家から直接取り寄せているものだ。
今後、郊外の住宅街を中心に日本酒バル業態に特化し、ドミナント展開を考える同氏。「日本で一番純米酒を売れる日本酒バル」が目標だ。「日本」を独自の視点からの解釈で再構築し、その魅力を来店した一人ひとりにきちんと伝えていく。飲食店にはそのような役割もあると感じさせてくれる。
店舗データ
店名 | Tokyo Rice Wine(トウキョウ・ライス・ワイン) |
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住所 | 神奈川県横浜市青葉区美しが丘2-14-15 セントラルプラザ2F |
アクセス | 東急田園都市線 たまプラーザ駅から徒歩3分 |
電話 | 044-712-5558 |
営業時間 | 15:00〜24:00 |
定休日 | 12月31日、1月1日 |
坪数客数 | 21坪 47席 |
客単価 | 3500円 |
運営会社 | 株式会社ニコカンパニー |
関連リンク | Tokyo Rice Wine (FB) |