JRと東急の2社3路線が乗り入れ、東京方面と横浜方面を結ぶ京浜エリアを代表する商業地、住宅地として活気のある街・蒲田。駅の周りには八百屋や薬局、生活雑貨店などが軒を連ねる昔からの地域密着型の商店街が残り、どこか懐かしい下町風情が漂う。路地裏には、昼から酒が飲める老舗大衆酒場や小さなスナックがひしめき合い、常連客を中心に連日賑わいをみせるなど、庶民の生活に歩み寄った商売の風土が今も深く根付いている。その蒲田駅西口から徒歩2分、ドンキホーテの裏手に、プロダクトオブタイムグループ(東京都品川区、代表取締役 千倫義氏)の11店舗目となるネオ大衆酒場「大衆酒場 BEETLE(ビートル)」がオープンした。代表の千氏が定義する“ネオ大衆酒場”とは、昭和のアナログ時代を懐かしく感じつつも、平成のデジタル時代を切り拓きながら生きる団塊ジュニア世代をターゲットに据えた新時代の大衆酒場だ。
「僕らの親世代の団塊世代と呼ばれる昭和のお父さんたちがつくったのが大衆酒場。団塊ジュニア世代の価値観がおり混ざった大衆酒場が僕らの考えるネオ⼤衆酒場です」と千氏は話す。店名の「BEETLE」も、団塊ジュニア世代に響くネーミングから決めた。自分たちが子供の頃に好きだった「カブトムシ」。そして、夜な夜な樹木の蜜に集まるカブトムシの習性を大衆酒場に集う姿にかけたダブルミーニングだ。さらに、アルファベット表記することで、いわゆる大衆酒場とは違う雰囲気を生み出している。この隠された意味に通じている団塊ジュニア世代だからこそ、心に響く仕掛けが店づくりの随所にあるのが同店だ。
大衆酒場感を醸し出す大鍋が据え付けられたコの字型のカウンター席に、野球中継が流れるTVと壁に下がるメニューの短冊。メニューのほとんどが300円~400円台の価格帯で、ほっと肩の力を抜ける明るく清潔感のある空間だ。ビールと一緒にさっと出てくる“あて”には、「ポテトサラダ」(320円)や「枝豆(にんにくオイル)」(370円)などのおつまみ系が約30種。「串焼き」(1本90円〜)、「おでん」(各種130円〜)などの定番に加え、白(胡麻ベース)・赤(辛み)・黒(カレー)の3種類が用意された「もつ煮込み」(各350円)や「パクチーボンバー」(390円)などのこの店にしかない創作性の高いメニューも揃う。素材のよさをシンプルに楽しませる「活車エビ大(踊り)」(350円)や「朝挽きレバテキ」(390円)も数量限定で用意する。
ドリンクは、健康意識の高い「青汁酎ハイ」や「ヨーグルト酎ハイ」(各470円)をはじめ、胡椒をたっぷり効かせた新感覚の強炭酸ハイボール「ビートル3号」(380円)、中サイズにとどまらず大サイズも用意した生ビール「男は黙って黒ラベル」(中380円・大770円)、440円均一の「地酒」など。同社らしさの伝わる「クラフトビール日替わり」(500円)も並び、エンターテイメント感があふれつつも、昔ながらの大衆酒場テイストをネオ大衆酒場で表現している。
同社は、近年の「ミヤマス」や「CRAFTSMAN」ブランドの出店から、ビストロやクラフトビールのイメージが強いが、ネオ大衆酒場業態は2013年2月にオープンした神奈川・鶴見の「お値段以上の大衆酒場 大鶴見食堂」に続く2店舗目。「ビストロだろうが、大衆酒場だろうが、今の外食マーケットではどちらも同じように行く飲食店です。物件から街にフィットして地域に根ざす、その街のそこにあって欲しい業態をつくっているだけです」と千氏。将来的には、食卓よりも安心で安全なものが食べられる「街の食堂」として、時代を超えてなお変わらず庶民に愛されるネオ大衆酒場を目指していく。
店舗データ
店名 | 大衆酒場 BEETLE(ビートル) |
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住所 | 東京都大田区西蒲田7-4-3 ソシアルプラザ1F |
アクセス | JR京浜東北線、東急池上線・多摩川線「蒲田駅」西口から徒歩2分 |
電話 | 03-6428-7375 |
営業時間 | 月〜金 16:00〜25:00 土日祝 14:00〜25:00 |
定休日 | 年中無休 |
坪数客数 | 27坪・50席 |
客単価 | 2500円 |
運営会社 | 株式会社プロダクトオブタイム |
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