JR神田駅西口から外堀通りまで続く神田西口商店街に入って、徒歩3分ほどの立地に「ぎょうざいってん神田本店」が、8月19日にオープンした。運営する豊田産業(愛知県名古屋市、代表取締役 豊田貴久氏)は、1947年に豊田自動織機製作所(現豊田自動織機)の、織機及び関連部品の販売を目的として創立された豊田産業が2000年に立ち上げた外食事業部門(飲食店経営とフランチャイズサポート)である。同社は、「 D.U.M.B.O 」「醍醐味」「橙家」「美食居酒屋ちゃんと。」「あおい珈琲」などのなどの直営ブランドや、「焼肉きんぐ」、「丸源ラーメン」といったフランチャイズブランドなどを多数展開している。
今回、餃子専門店の展開は同社でも初めての試みとなる。その狙いについて、外食事業本部の山本利孝氏は、「餃子は日本の食卓で大人から子供まで大好きなメニューになります。しかし、サイドメニューとして位置づけられており、メイン料理にはなっていないのが現実です。当店では餃子をメイン料理として位置づけて、どうすれば餃子をおいしく食べてもらうことができるかを、徹底的に考えています」と話す。また神田西口商店街という立地を選んだ理由もあるという。山本氏は「当店は、昼と夜で別の顔をもつ店舗です。昼はランチの方が利用し、夜は会社帰りに45分ほど飲める場所になっています。そのため、通勤途上にある立地を選びました。立ち飲みでも、居酒屋でも満たすことのできないニーズを捕まえたいと考えています」と語る。
看板メニューは、1皿に6個の餃子がのった「焼き餃子(ニンニク・ニラあり/ニンニク・ニラなし)」(290円)と「水餃子(ニンニク・ニラあり/ニンニク・ニラなし)」(290円)の2つだ。女性にもやさしく、餃子も一口で食べられるサイズになっている。「当店の餃子は、福岡や浜松、宇都宮などの餃子を研究して作り上げました。白菜やニラ、キャベツなどの食感を活かした作りになっているのが特徴です。そのため、皮のパリパリとした食感と、餡のシャキシャキとした食感の2つを楽しむことができるでしょう。また、餃子の素材は皮を含め国産100%です」と山本氏。サイドメニューは、「肉味噌もやし」(190円)や「ニンニクの芽(旨辛味噌合え)」(190円)、「塩P(シャキシャキピーマン)」(190円)などリーズナブルな10品の料理が並ぶ。山本氏は「サイドメニューは、どれも餃子の旨みを邪魔しない料理です。ニーズの高い料理を中心に揃えて、シンプルなオペレーションになるように設計をしています」と話す。
ドリンクに関しても、餃子を中心に考えて商品設計がされている。中でも注目なのが、ビールメーカーと共同で開発したという「ドライハイボール(白角「淡麗辛口」)」(420円)だ。味は超レモン・梅・ウコン&ジンジャーの3種類用意されており、男性はもちろん、女性客でも飲みやすい味わいになっている。「ドライハイボールは、何皿でも餃子が食べられるように、スカッとした後味の良さを実現しました。餃子と言えばビールを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、アルコールの主張が強い傾向があります。しかし当店のドライハイボールなら、アルコールの良さはそのままに、餃子の旨みを引きたててくれるので、どちらも存分に楽しむことができるでしょう」と山本氏。
現在、リピーターの数が増えてきており、「ぎょうざいってん神田本店」は早くも神田の地に根付きつつある。同店店長の宮城氏も、「まずはしっかりと地域に根付くことが大切です。より多くの方が気軽に立ち寄れる店を目指して、取り組んでいきます」と話す。今後のビジョンについて山本氏は、「当店の業態は、立地で差別化を行っています。今後も、通勤途上のエリアに出店をすることで、店舗を拡大していくつもりです。当店がFC展開をすることで、より多くの業態を作っていくことも可能となるでしょう。今後も、コストパフォーマンスと利用シーンという2つの特徴を打ち出すことで、新しい餃子ブランドを作りあげていきたいと考えています」と語る。細部まで餃子を中心に作りこまれた同店の成功が、フードビジネスにおける餃子の位置づけの変化を引き起こすかもしれない。
店舗データ
店名 | ぎょうざいってん 神田本店 |
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住所 | 東京都千代田区内神田2-13-6 朝日電機ビル1F |
アクセス | JR神田駅西口から徒歩5分 |
電話 | 03-6206-8277 |
営業時間 | 11:00~23:00 |
定休日 | 無 |
坪数客数 | 16坪・30席 |
客単価 | 1700円 |
運営会社 | 豊田産業株式会社 |
関連リンク | 豊田産業(HP) |