JR・ブルーライン桜木町駅から徒歩すぐのエリアに広がる街、野毛。500店以上の飲食店が軒を連ね、個性的な店主たちがしのぎを削っている。そのような野毛に程近い立地に4月27日オープンしたのが「活菌酒場 菌太郎」だ。オーナーの角地直氏は、寿司の板前として15年キャリアを積んだ後、居酒屋で5年間、店長を務めてから独立。出店に際して同エリアを選んだ理由について角地氏は「野毛は個性的な店が揃う地域です。周囲の飲食店から刺激を受けることができますし、生き残っていくためには常に店のレベルを向上させていかなければいけません。こうした環境で、どこまでやれるか挑戦したかったのです」と話す。
活菌酒場という店のコンセプトは、もともと味噌が好きであった角地氏が居酒屋の店長をしていた時代に思いついたそうだ。「居酒屋の店長をやっている時、手作り味噌を作るサークルに参加する機会がありました。でき上がった味噌は、粗ごし大豆で手作り感もあり、野菜につけるだけで素材の良さを引き立てます。居酒屋で提供したところ、お客さんの評判も上々です。そして味噌から麹類に興味が広がり、店のコンセプトができ上がりました」と角地氏は語る。数年前、塩麹に端を発した麹ブームがあったが、一過性のムーブメントでマーケットは下火となった。同店では健康食でもある麹の良さをしっかりと追求し、魅力ある料理を提案することで、健康和食として麹を定着させたいという。「当店では普段は脇役に回ることの多い味噌や麹が主役です。使用する味噌も、店内で私自身が手作りしています。大切なのは基本です。見た目などの奇抜さなどでお客さんの興味を引くのではなく、料理の味で満足をしてもらいたいと考えています」と同氏。
料理に関しては、角地氏考案のオリジナルメニューが並ぶ。お店のコンセプトを知ってもらいたいと期間限定で提供している「麹納豆腐」(350円)、3種類のキノコを味噌と酒粕であえた「キノコの味噌っかす」(450円)、甘酒と塩麹のつけダレに旬の魚を3日間浸してから焼く「魚の甘酒焼き」(680円)など、味噌や麹の魅力がつまった料理を揃えている。メニュー作りのこだわりについて「当店では日によって漬物や魚を変えたりして、常に新しい提案をしています。提供しているメニューも、私が麹を使って新しい味が作れないか研究を重ねたものです。本当に自分で美味しいと思った料理しか提供していません」と角地氏。こうした試行錯誤の結果、醤油麹と味噌を合わせたタレで食べる「麹餃子」(550円)なども開発された。
ドリンクに関しても、日本酒は石川の「天狗舞」(1合770円)や佐渡の「北雪」(1合770円)、そして秋田の「雪の茅舎(ぼうしゃ)」(1合920円)、岩手の「南部美人」(1合920円)など角地氏こだわりの一本を味わうことができる。焼酎も「からり芋」(370円)や「はげあたま」(480円)などの芋焼酎から、米、麦、黒糖焼酎までラインナップは幅広い。ビールやカクテル類もメニューに並んでいる。
「野毛は食に対する意識の高い方が多くいます。お客さんの舌がとても肥えているエリアです。こうしたお客さんに満足してもらうためにも、常に新しい提案をして、食べた後に驚きのある料理を提供していく必要があります。全てのお客様を100%満足させることは不可能かもしれません。しかし、そこに少しでも近づいていけるように取り組んでいくつもりです」と角地氏は語った後、今後のビジョンについても話を聞かせてくれた。「野毛に行ったら、まずは菌太郎と言われる存在になりたいと考えています。当店にしかない味、当店でしか食べることのできない料理で勝負をしていきたいです」。和食の代表格である寿司。そこで15年のキャリアを積んだ角地氏が、同じく和食の調味料として欠かせない麹の世界で「活菌酒場」という新ジャンルの確立に挑む。
店舗データ
店名 | 活菌酒場 菌太郎(かつきんさかば きんたろう) |
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住所 | 横浜市中区宮川町2-55-1 ルリエ横浜宮川町206 |
アクセス | 京急 日ノ出町駅より徒歩5分 JR・ブルーライン 桜木町駅より徒歩8分 |
電話 | 045-334-7209 |
営業時間 | 月・水~金 17:00~24:00 土・日 16:00~23:00 |
定休日 | 火 |
坪数客数 | 20坪・22席 |
客単価 | 2500円 |
関連リンク | 活菌酒場 菌太郎(FB) |