浅草駅徒歩1分、隅田川の桜並木沿い通称「助六夢通り」の角地に3月28日オープンした「SUKE6 Diner(スケロクダイナー)」は、靴の問屋だったビルをリノベーション。1・2階部分は食堂「SUKE6 Diner(スケロクダイナー)」。3階はテイクアウト可能なベーカリー工房「Manufacture(マニファクチュア)」として生まれ変わった。運営は、エピエリ(千代田区、代表取締役 松浦 清一郎氏)。松浦氏はニュージーランドの大学を卒業後、飲食店に興味を持ち、アルバイトから始め店長、新店舗の立ち上げを経験。2003年に麹町でカウンター12席、8坪の喫茶店を始めた。2年後、店は軌道にのっていたが立ち退きに合う。ちょうど目の前に物件をみつけるが、5倍近い50坪の規模だった。しかし、一大決心し、2006年「麹町カフェ」を移転オープンした。
カフェは軌道にのり、2009年、九段下にベーカリー&カフェ「FACTORY(ファクトリー)」、2012年にチリビーンズ専門店「Chili Parlor9(チリパーラーナイン)」のほか、外資系企業の社員食堂を委託運営する。今回の出店について、自社の麹町カフェ分に加え、ホテルや飲食店などのパンを受注している「ファクトリー」が、24時間稼働になり新たなパン工房の場所を探していたが、千代田区付近では物件が見つからなかった。そんな中、浅草で物件が見つかった。「浅草はプライベートで飲んでいた場所。スカイツリーの開業と同時に助六夢通りが整備され、商店街でもエリアとして盛り上げようといった動きがあった」「街の拠点となるような店をつくりたいと思った」と話す。
エピエリのコンセプトは一貫して「EAT GOOD=良いをたべる」だ。単に無農薬や有機野菜など、素材にこだわるだけでなく、ハムやベーコンなどの加工品から調味料にいたるまで、自分たちでつくれるものはすべて手作りする。例えば「フライパンにのったイングリッシュブレックファスト」パン付き(1200円)は、自家製のパン・ハム、野菜は松浦氏の住む三浦の契約農家から、松浦氏自身が毎朝運ぶものに加え、九州の契約農家や自社の山梨の農場で収穫されたものなど、その日の旬の素材を使用する。卵は三浦の安田養鶏農場から取り寄せる、納豆菌を独自の配合で作った飼料を与えた、味の濃い卵を使用している。「自家製の羊のソーセージと野菜の串焼き クスクスとアリッサ添え」(2200円)は、羊のソーセージだけでなく、辛いペーストソースアリッサも自家製だ。ケミカルなものは極力排除したいと、カクテルに使うグレープフルーツもワックス処理をされていないものを輸入する。フレッシュフルーツと赤ワインコンポートのカクテル「SUKEROKU」(1000円)。
今後について、「値段を払えば良いものは食べられるが、日常的に良いものを食べてもらいたい。地域の交流の拠点として、何世代も続くような使われ方をしてもらえたら嬉しい。また、海外からのお客様にもホームグランドとして利用してもらえるお店に成長させたい」「ゆくゆくは海外で自分たちの店を開きたい」と話す。自分たちにできることを自然体でこなす、言うのは簡単だが、日々行動を起こす松浦氏とエピエリの発展は今後の飲食業界のひとつの道しるべとなりそうだ。
店舗データ
店名 | 1・2階「SUKE6 Diner(スケロクダイナー)」 3階「Manufacture(マニファクチュア)」 |
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住所 | 東京都台東区花川戸1-11-1 あゆみビル1F-3F |
アクセス | 東武伊勢崎線「浅草駅」から徒歩1分 東京メトロ銀座線「浅草駅」から徒歩3分 |
電話 | 03-5830-3367 |
営業時間 | 月~金10:00~23:00 土日祝 8:00~22:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 35席・17坪 |
客単価 | ランチ1500円 ディナー3000円(想定) |
運営会社 | 株式会社epietriz |
関連リンク | epietriz(HP) |
関連リンク | SUKE6 Diner(FB) |