東京メトロ日比谷線小伝馬町駅から至近、コンクリート打ちっ放しのスタイリッシュな一戸建ての2階に、2014年4月15日、フードトリップ・ダイニング「UMI YAMA HATAKE(うみやまはたけ)」がオープンした。同店は、元じゃらん事業部長でオブリージュ代表の村橋克則氏と、全国の小規模旅館20軒(現在は19軒)のオーナーで“感動日本一の宿”を目指す同志で作る「一の宿倶楽部」が共同で立ち上げた。昨春の開業以来、日本各地から直送される新鮮な旬の食材を使った創作料理が好評を得て注目店となっている。
「一昨年の9月に、顧問として参加した一の宿倶楽部の定期会議で、『東京では食べられていない美味しいものが各地にまだまだある。食を通して地域をもっと知ってもらいたい。真面目に仕事をしている地方の生産者を応援したい』という話が挙がり、地域の美味しいものを提供しながら応援する店の構想がスタートしました」と、村橋氏は同店を始めるきっかけとなった当時を振り返った。一の宿倶楽部のアンテナショップとして、「その地域ならではの食と日本旅館のおもてなし」を提供しながら、コンセプトである「日本の地域を応援する」ことを掲げ、会員旅館の地域のみならず、同社スタッフが日本の地域を巡る中で出会った美味しい食も紹介している。店舗立地は、東京の真ん中の日本橋大伝馬町。一の宿倶楽部の会員が東京駅からアクセスしやすいことや、江戸時代から続く町内会が存在し、未だに下町情緒が残る街であったことも選んだ理由だという。この歴史ある場所から「ニッポンの食とおもてなし」を世界に向け発信していくことを目指し、地域色の濃い珍しい食材や調理法、地域間のコラボによる新しい発見など、他では味わえない新しい食体験を多くの人々に楽しんでもらいたいと邁進している。
料理は、会員旅館19軒が推薦した食材を中心に、各地の美味しいものを厳選し、ひと手間ふた手間かけたメニューの数々が並ぶ。同店の料理長は、中華、イタリアン、和食と幅広い経験をした人物で、和食や洋食などジャンルを問わず、一番美味しい状態で食べてもらえるようにと素材を生かした料理をしている。グランドメニューの他に、「本日のおすすめ」として、取材当日は、刺身でも食べられる新鮮な山口県長門の漁港から届いたくじらを使った「くじらのステーキ赤ワインマスタードソース」(1180円)や、柔らかく芳醇な味の長州ながと和牛の「長門和牛リブロースのタリアータ」(2980円)などがメニューに登場していた。前週に開催の同店初となった地域フェアとして、山口県長門市をフィーチャーし、長門市の食材だけを使ったメニュー展開を実施。市町村レベルで、まだ知られていない食材や、新たな地域ブランド鶏・牛などさまざまな食材が提供され、来店客は新たな食体験を満喫したという。
料理に合わせる酒は、食材と同様に会員旅館それぞれが自信を持って薦める地酒をはじめ、厳選した国産ワインを揃える。ワインアドバイザーで第9回ワインアドバイザー全国選手権大会の優勝者・長谷部賢氏によるセレクトワインは、山梨や長野のものが中心で、ライトからボディ感のあるものまでラインナップ。気軽にオーダーできるグラスワイン(700円~900円)は赤・白各2種と、泡1種が用意されている。東京にはあまり出回っていない珍しい銘酒と出逢えることも同店の大きな魅力だ。
店名の「UMI YAMA HATAKE」が表す通り、日本の各地域にある、海、山、畑で採れたさまざまな食材を堪能できる同店。今後については、「先日開催した地域フェア、“山口県長門市フェア”のような、一つの地域にフォーカスしたフェアを今後は定期的に実施していきたいと思っています。漁業や農業は盛んで美味しい食材があるのに、地域の知名度がなく苦戦を強いられているのは残念。この場所で、その地域のPRをして応援していきたい」と語る村橋氏。同店の試みは、地方の生産者支援や地方活性化になり、地方、地域を元気にしていくことにつながる。東京に居ながら、「食の日本旅行をする」ことで、日本全体=ジャパンクオリティの活性化に貢献できれば消費者にとっても嬉しいことだ。
店舗データ
店名 | UMI YAMA HATAKE |
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住所 | 東京都中央区日本橋大伝馬町3-1 |
アクセス | 東京メトロ日比谷線 小伝馬町駅 より徒歩3分 |
電話 | 03-6661-6787 |
営業時間 | ランチ 月~金 11:30~14:30(L.O.14:00) ディナー 月~土 17:00~23:00 (L.O. フード 22:00、ドリンク.22:30) |
定休日 | 日祝 |
坪数客数 | 15坪(2階のみ) 24席 (テーブル20席、カウンター4席) |
客単価 | 昼 1000円台、夜 5000円台 |
運営会社 | 株式会社オブリージュ |
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