唎酒師であり日本酒学講師として活躍する山本将守氏(愛知県名古屋市、マグネティックフィールド代表取締役)が良い日本酒との出会いをナビゲーションする立ち飲み日本酒Bar「純米酒専門 八咫(やた)新宿三丁目店」を11月1日に新宿3丁目のビル10階にオープンさせた。同店は名古屋の大繁盛店の立ち飲み日本酒Bar「純米専門店 八咫」の2号店であり東京初進出。名古屋店と同様、良い日本酒、米と米麹で醸す純米日本酒の素晴らしさを知り、もっと気軽で身近に楽しんで欲しいとBar業態、しかもオールスタンディングという気負いのないスタイルとなっている。
同店では、常時50種類前後もある日本酒の中から4つのタイプの特徴をわかりやすく、自分の好みまでナビゲートしてくれる純米日本酒のテイスティング、利き酒コース(60分2000円)がお勧め。それは、同店が単なる酒場ではなく、日本酒の伝道師山本氏が信頼し、きちんと伝えることのできる良い純米日本酒との出会いの場であり、蔵元達が丹誠込めて醸す純米日本酒を啓蒙する場でもあるからだ。純米日本酒以外一切置かないという潔さと、飲食店従事者の勉強のためにと、15:00(土日祝14:00~)と早い営業時間の開始からもその深い想いをうかがい知ることができる。そこまでの徹した店作りは家業である酒店「中村屋」を継ぎ実感した街の酒屋、日本酒の現状と将来を憂い、本来のある姿、原点回帰ための具現化の一つだからだ。酒屋の店主となり真っ先に改革したのは、自信を持って進めることができる蔵元の純米日本酒だけを自ら選び、扱う酒屋へと替えたという。そして、伝えられることの出来る真摯に醸された酒、醤油などの醸造文化を後世に残し、情報として発信できる酒屋として日々、研鑽しているのだ。
靖国通りと明治通りの交差点に建つ古いビルの最上階、10階にある同店へ上昇するエレベーターの扉が開いた瞬間、迎えてくれるのは明度を落としたゴールドとブラックの色使いのシックな空間。そして大きく開口した窓の先には新宿の街並が広がり、夜であれば目に映る夜景はまるで一枚の絵のようだ。店内は日本酒冷蔵庫を目の前にしたバーカウンター、スペシャルビューの窓際のカウンター、コミュニケーションが盛り上がるテーブルと多様なシーンに柔軟な存在感で楽しめる日本酒と出会える。
利き酒コースは、お任せでも好みでも店長である西明邦彦(さいめい)氏がナビゲートしてくれる。ポーションは基本50mlを提供するが、いろいろ多くのタイプや銘柄を楽しみたい場合には2~30mlに調整してくれる。また、50mlであっても冷や、燗酒と分けてくれるような細やかさで、奥の深い日本酒の世界を見せてくれる対応にプロの力量を実感する。当然ながら日本酒は一杯(100ml /オール500円)からでも可能で、気軽にサク飲みできるのも嬉しい。銘柄指定をしてもいいが、せっかくなのでタイプを相談し新しい出会いや燗酒を嗜むのもまた面白い。因みに純米酒専門とは言うが、決して醸造アルコールの添加酒を否定しているものではなく、あくまで良い日本酒へのこだわりからだ。
居酒屋ではないので、手の込んだ料理らしいものはないが、日本酒を引き立てるために厳選された肴(オール500円)をおく。「本日の三種盛り」、「クリームチーズのわさび和え」、「日本一うまい塩辛」、「鳥ささみスモーク」など10種類前後を揃える。特筆するのは塩ならず全国から集めた醤油蔵で丁寧に造られた醤油約80酒類を揃え、常時40種類前後がディスプレイされている。「クリームチーズのわさび和え」などで醤油比べも楽しめる。
元プロのサッカー選手であった山本氏の発想、原動力の原点はそのフィールドにあり、常に考え動きながら攻めて行くという。次世代に繋げていける酒屋のために、そして純米日本酒をナビゲートしていくことは、まさに現在のフィールドと情熱を見せる。
店舗データ
店名 | 純米酒専門 八咫(やた) 新宿三丁目店 |
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住所 | 東京都新宿区新宿三丁目14-12 小川ビル10階 |
アクセス | 地下鉄新宿三丁目駅より徒歩2分、JR新宿駅より7分 |
電話 | 03-5341-4365 |
営業時間 | 火~金 15:00~23:00 土日祝 14:00~22:30 |
定休日 | 月休(但し祝日の場合は営業することもある) |
坪数客数 | 10坪 25人 |
客単価 | 2500円 |
運営会社 | 株式会社マグネティックフィールド |