東京メトロ東西線神楽坂駅の矢来口から徒歩1分、早稲田通りから少し入った坂の中腹にオーストラリア・ニュージーランドワインバル「ZOOGUNZOO(ズーガンズー)神楽坂店」が1月28日オープンした。経営は、渋谷で14年続くオーストラリアとニュージーランドのワイン専門レストラン「UNDERGROUND Mr.ZOOGUNZOO(アンダーグランド ミスターズーガンズー)」を手掛けるジップザフューチャーズ(東京都渋谷区、代表:横田典行氏)。2号店となる新店舗は、レストランスタイルの渋谷店とは異なり、カウンター席のみのバルスタイルとなっている。
代表の横田氏は、当初スタッフの一人として渋谷店に携わっていたが、9年程前に前オーナーから店を引き継ぎ、経営サイドとして現在に至っている。渋谷の店舗がオープンした当時は、ニューワールド系と呼ばれるオーストラリアやニュージーランドのワインが珍しく、扱っている飲食店もあまりなかった。前オーナーは、ニューワールドワイン未経験の人々にその美味しさを伝えたいと、ワイン選定に力を注ぎ、それらのワインに合った料理を提供したいとの想いで開業したという。カンガルー料理、ワニ料理といったオージー料理も扱い、また金沢出身だった前オーナーの人脈から、能登・金沢の新鮮な魚介類や野菜を生産者から直接仕入れることができ、日本の旬の食材を使った料理も提供するレストランとして、長きにわたり支持されてきた。その開業以来のコンセプトはそのままとして、よりカジュアルにワインと食事を愉しめる空間を提供したいと、今回、横田氏はあえてカウンター席と立ち飲みスペースのみの店舗を選んだ。オーストラリア、ニュージーランドワインの魅力を伝える情報発信の場を渋谷店の他にもう一つ作りたかったことも、新店オープンの理由ではあるが、神楽坂という立地を選んだことについては、料理人として憧れの地である神楽坂で、自分たちの料理やワインが通用するのか試してみたいというのが大きな理由の一つだったという。
同店選りすぐりのワインは、常時30種類ほどのボトルワイン(3000円~)と約10種類のグラスワイン(600円~)が取り揃えられている。最初の乾杯時に人気がある「ズーガンズーオリジナル オーストラリア産 スパークリングワイン」(グラス890円)は、白と赤があり、赤は珍しい上、味わいも酸味のバランスが取れていて非常に飲みやすくぜひ注文したい一杯だ。オーストラリアでトップクラスの知名度と人気の「ピーターレーマン」や、南オーストラリアの「ダーレンベルグ」、タスマニアのハイセンス・ワイナリー「ナインスアイランド」など、飲み比べしたくなるようなラインナップがメニューリストに並んでいる。
料理は、渋谷店で好評なメニューや、金沢港で水揚げされ直送された魚介料理の「本日のおすすめ」メニュー、また裏メニューとして低脂肪・高たんぱくなカンガルー肉やワニ肉を使ったオージー料理などバラエティーに富んでいる。その中でも同店一押しは「塩バーニャカウダ」(980円)。アンチョビの代わりに能登産の塩を使ったソースが、新鮮な野菜の旨みを引き立て絶妙だ。またハーブとナッツなどを合わせたオリジナルのミックススパイス「デュカ」にバケットを添えた「バケット&デュカ」(300円)もワインに合う人気の一品。
直近の目標については、「渋谷店とは違いこちらは駅から近いので、ふらりと気軽に立ち寄ってもらえる店、地元の人に親しんでもらえる店にしていきたい」と語った横田氏。またデュカなどをはじめ食品物販にも今後力を入れ、多角的に情報発信することでズーガンズーというブランドを作り上げていく計画もあるという。神楽坂という地で、オーストラリア・ニュージーランドワインバルがどう受け入れられていくのか、今後に注目していきたい。