2011年7月、神田にオープンした「デビルクラフト」は、日米のクラフトビールとシカゴピザをコンセプトとした有名店。予約必須で日に2・3回転する人気ぶりだ。その2号店が、浜松町駅徒歩2分の新築ビル1階に8月1日オープンし、繁盛している。経営は3人のアメリカ人。「小規模醸造のクラフトビールが盛んなアメリカで、それぞれホームブルワーとして自家醸造を楽しんでいた3人が日本で出会い『自分たちの美味しいと思うビールを日本でつくり、多くの人に飲んでほしい』という思いで、意気投合したことが始まりだった」と、マネージャーの石渡雅啓氏は話す。石渡氏は神田の立ち上げから店長を経て、現在2店舗の運営を行なっている。
店舗入口の右手、カウンター奥には巨大なビールのディスペンサーが置かれており、常時20タップがつながる。アメリカのクラフトビールが3分の2、日本が3分の1。「浜松町店は、アメリカのクラフトビールを増やした。基本的に地産地消としてつくられているため、生産量が少ない。先日も、ワシントン州のブルワーに直接会いに行った。そうやって少しずつ取引先を増やしている」と話す。取材日は、日本初上陸の「ルシールIPA(ワシントン州シアトル)」(1パイント1300円 ハーフパイント900円)、「エピック インペリアルIPA(ユタ州ソルトレイクシティ)」(1パイント1200円 ハーフパイント850円)、その他カリフォルニア州、オレゴン州、コロラド州の醸造所が並ぶ。日本は「湘南ゴールド フルーツビール(神奈川県)」(1パイント1000円 ハーフパイント650円)、「絹SILK アメリカンウィートラガー(北海道)」(1パイント1000円 ハーフパイント650円)など。
ビールのセレクトはオーナーと石渡氏が美味しいと思う日米のビールから、バラエティに富んだ味わいが楽しめるよう、ビアスタイル別にバランス良く揃える。食後酒として、ゆっくりと味わって飲む「バーレーワイン」など、アルコール度数の高いビールも加える。もともと小規模で丁寧につくられるクラフトビールは仕入れ値が高い。さらにアメリカからの輸送費でコスト増だが、アメリカのうまいクラフトビールを日本でも味わってほしいと話す。本日のビールはホームページ、フェイスブック、ツイッターで確認することができる。
名物のシカゴピザは、キッシュのような厚みが特徴。ピザの底は生地が薄く、具がどっさりと入っている。焼き釜で1枚あたり20~30分かけて焼き、熱々をサーブする。1番人気は「デビル・ワークス」(Sサイズ1550円 Lサイズ3100円)。オリジナルトマトソースと3種のチーズをベースに、自家製ソーセージ、サラミ、ペパロニ、マッシュールーム、フレッシュトマトなど10種の具材がトッピングされたボリューム満点のピザだ。骨付き肉の「バッファローチキンウィング」(3ピース700円 6ピース1200円 10ピース1700円)は、アメリカから輸入したビールベースのソースを使用。「ヘルハウスチリのディップ トルティーヤチップス」(700円)は、ひき肉を使用しない本場の作り方。ビーフをたたき、ごろごろとした肉の食感が味わえる。デザートもザ・アメリカン。クラッシュオレオが入った「デビルズ デカダン チーズケーキ」(550円)。シカゴピザ、サイドメニュー、デザートまでアメリカンフードを堪能できる。
今後について「神田でブルーパブ(醸造所併設ビアパブ)を目指しオープンさせたが、設備の容量やスペースの問題から断念した。浜松町店では2014年春から夏に向けて、自分達が美味しいと思うビールをつくる準備をしている。また、ビール本来の味が楽しめるハンドポンプも導入予定」と話す。つくりたてのビールを飲むことができるブルーパブは、日本にまだ数少ない。おいしい日米のクラフトビールを提供する「デビルクラフト」による、自家醸造ビールの登場が今から待ち遠しい。
店舗データ
店名 | DEVIL CRAFT-2 Craft Beer & Pizza (デビルクラフト) 浜松町 |
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住所 | 東京都港区浜松町2-13-12 ライズウェルビル1F |
アクセス | JR浜松町駅南口 金杉橋出口 徒歩2分 |
電話 | 03-6435-8428 |
営業時間 | 月~金曜 17:00~23:00 (ピッツァ L.O. 22:00) 土曜 &emsp 15:00~23:00 (ピッツァ L.O. 22:00) |
定休日 | 無休(年末年始除く) |
坪数客数 | 38坪・45席 |
客単価 | 3200円~3600円 |
関連リンク | DEVIL CRAFT |