吉祥寺に2月7日オープンしたオール立ち飲みスタイルの日本酒専門店「PLAT STAND 酛 moto」(プラットスタンドもと)は、優良な日本酒が飲める日本酒専門店として名高い新宿で人気の立ち飲み日本酒店、日本酒スタンド 酛 の2号店となる。1号店の日本酒スタンド 酛は、靖国通り沿いのビルの地下の奥、隠れ家のように店を構えるが、2010年6月オープン以来、いつも日本酒ファンで賑わっている。運営するファースト商事は、神保町「傳」や新橋「酛」といった本格和食の割烹業態を展開している。1号店、2号店を取り仕切る店長の島田健太郎氏は「日本酒自体の広がりと一人でも飲める場づくりのために立ち飲み業態を立ち上げた」。
「PLAT STAND 酛 moto」は吉祥寺駅北口、行き交う人々で賑わうサンロード商店街の角の商業ビル、1号店と同様に地下の飲食フロアの奥に店を構えている。店長の島田氏は「安心、安全で健全な飲酒をなによりも心がけているものの、立ち飲みらしく裏路地感もイメージしている」とビルの地下を選んだ訳を語る。立ち飲みであっても、店の品、質へのこだわりを感じる。
コの字カウンターの対面で、スタッフと日本酒談義が盛り上がる1号店。しかし、2号店は、立ち飲みであることに変わりはないが、スタイルも環境も大きく異なる。まずは入口脇のカウンターで一杯。キャッシュオンデリバリーで日本酒や料理のオーダーをし、テーブルに運ぶのも片付けるのも、すべて自分で行なうセルフスタイル。店内は、大きな長テーブルと壁面サイドをカウンターにした解放感ある空間に仕上げている。一見の客や一人客でも気軽に入りやすく、楽しめることを優先して店づくりをしているからだ。店の真ん中には酒燗器が2台、ちろりと燗酒用の温度計も用意され、燗酒も個々に行なえる。飲んでいる途中からも燗酒ができるとあって、普段は飲まない燗酒にトライする人や楽しむ人が多いとか。日本酒専門店として、スタッフの知識もこだわりも優れ、会話も専門的過ぎる傾向にある1号店。2号店では、うんちくではなく、日常の酒として、気軽に楽しめる酒であることを意識したという。「ともかく、日本酒をもっと自由に楽しんで、遊んで欲しい」とセルフスタイルであることへのこだわりを島田氏は口にする。
そんなことから、日本酒はコストパフォーマンスの高さに重きが置かれている。ポーションは150ml。500円の価格で揃える普通酒&本醸造を充実させているのも、店で知って、家庭でも楽しんで欲しいとの思いからだ。純米酒は700円、純米吟醸酒&吟醸酒は850円から。日本酒は「川鶴/香川県」「木戸泉/千葉県」「龍力/兵庫県」「一白水星/秋田県」「而今/三重県」「花陽浴/埼玉県」など、季節の造りを主体にした銘柄が並ぶ。「自分の出身地の日本酒があると嬉しいのでは」と蔵元も全国各地に広がる。
料理は本格的に和食の勉強、修行をした26歳の料理長、清水健一氏が斬新な感性で腕をふるう。洋の食材を日本酒に合わせるといった、新しいマッチングを提案する。なによりも目を引く、板場に置かれたハモンセラーノからもその斬新な感性が受け取れる。「23ヶ月熟成のハモンセラーノ」(550円)ワイン派の人にも、入り易いようにとの心遣いだ。フォアグラを酒粕につけ込んだ「フォアグラの酒粕味噌焼き」(800円)。いぶりがっこを混ぜ込んだマッシュポテトが添えられている。ラム肉を使った「ラムメンチ」(550円)。日本酒を引き立てると人気の燻製は30種類を揃える。
日本酒が不得手だった島田氏だが、初めて参加した日本酒会で美味しい日本酒と出会ってからファンになった。PLAT STAND 酛 はそんな初めての出会いの場にして行きたいという。そして今、ムーブメントとなっている日本酒新時代の中で、共に参加し支えていくという想いも強い。ユニークなネーミングの「PLAT STAND 酛」は、日本酒の酛となる生酛と日本酒への入り口、そしてプラッと入れる気軽さと、日本酒のプラットホームとなる店へ、との想いが掛けられている。
店舗データ
店名 | PLAT STAND 酛 moto |
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住所 | 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-9-10 ファミリープラザ B1F |
アクセス | 各線吉祥寺駅より徒歩1分 |
電話 | 0422-27-1640 |
営業時間 | 15:00~23:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 14坪・30席 |
客単価 | 2600円 |
運営会社 | ファースト商事株式会社 |