焼鳥「十七番地」をはじめ、居酒屋「赤燈」などを中野、下北沢エリアで7店舗展開しているJOHコーポレーション(代表:常田利幸氏)の新店となる地酒屋「常笑(ときわらい)」。同社は、2012年2月、飲食エリアとして知られる中野北口に立ち飲み地酒屋「常蔵」をオープンしたばかり。同店はレアな銘柄も含め、クオリティの高い日本酒と本格和食の職人が造る料理がリーズナブルに味わえると人気の店となっている。そんな「常蔵」から歩いて2、3分の「狸小路」と呼ばれるレトロ感満載の通りにオープンした「常笑」。店舗自体も築40年以上経過した昭和の風情をそのまま残す2階建ての古民家だ。「常蔵」より日本酒の種類が多く、店前には日本酒の瓶が並んでおり、新店ながらもすでに日本酒専門としての貫禄と信頼感を漂わせている。「常笑」は立ち飲み屋「常蔵」との棲み分けを明確にするため、1階・2階とも着席スタイルにしている。1階はオープキッチンを囲むカウンター席を中心にし、昔ながらの居酒屋らしさを感じさせる。2階は堀炬燵席になっており、さらにくつろいだ雰囲気の中、食事を楽しめる。「古いものやアンティークが好き」と語る常田氏。内装をはじめ、アンティークなランプシェードなどの家具屋類まで、古民家らしい昭和の雰囲気を多く残し、より和み感を醸し出している。驚くのは、自らのイメージを具現化するためになんと、友人や、同社専務の河合氏とともに改装までを行なうという。「常笑」は手作りの店なのだ。その手作り志向は料理にも反映されており、「できる限り、手間をかけて手作りを心がけている」という。卵がたっぷり入ったポテトサラダ(小250円/大400円)などの居酒屋定番料理。オーダーが入ってから焼く和食職人直伝の「出汁巻き玉子」や「厚焼き玉子」(550円)。ほかにも「明太子焼き」や「うまき」など、仕入れ状況により可能な限り、好みに応じ、焼いてくれるという。メニューの基本的な方向は決まっているが、その日時々の仕入れによって変えているそうだ。刺身は常に10種類前後。また時には隠しメニュー、「スフレ風豆腐ステーキ」を味わえるチャンスに出会えることも。おすすめは「本マグロの刺身」(980円)と常田氏の原点「焼鳥」(盛り合わせ3本450円、5本600円)という。なかでも、「白レバ炙りネギだく」(250円)は自信の一品だとか。日本酒は定番として置いている「十四代」など希少でレアな造りのものは14、5種類。「田酒」、「飛露喜」、「黒龍」、「而今」など人気が高く、話題の銘柄は54、5種類。日本酒はその時々に入れ替えたり、隠し酒も置いている。「いろいろなテイストを味わって欲しい」とポーションは120ccのグラス提供で500円から。燗酒はその都度、ちろりで好みの温度に合わせくれる。ほかにも焼酎や、サワーを置き、日本酒が飲めなくても楽しめる。あれこれと単品を少しずつ楽しめるようにと「常に何かしら、メニューを変える」という常田氏。そこには「店に来たら仕事を忘れ、美味しい酒と料理で常に笑って欲しい」との想いがある。店名の「常笑」はそんな彼の気持ちを表している。常に現場主義の常田氏は各店に出向き現場をサポートする。今後も、中野エリアでの出店を考える常田氏にとって、それは店と店の距離が近いメリットであり、エリアでのファンを広げることにつながるからだ。積極的に酒の会などのイベントも開催するこの店最大の企画は、お任せ料理に飲み放題付き(日本酒はオンメニュー価格が1000円以下に限定)。なんと4時間内で5500円とは、誰もが笑顔になれる楽しいプランだ。
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2013.02.18
日本酒ファンを拡大!美味い銘柄を揃えた地酒屋「常笑(ときわらい)」が10月2日、中野北口にオープン
- 1階奥のテーブル席。ボトルなどをディスプレイした棚もあり、呑み屋らしい雰囲気を見せている
- 2階は、掘りごたつスタイルの座敷。アンティークのランプシェード、家具が置かれ、落ち着いた雰囲気だ
- 手前左:牛スジ大根煮、手前右:玉子たっぷりのポテトサラダ。奥左:自慢の厚焼き玉子、奥右:殻付き牡蠣酢。
- 左よりオーナー常田氏、スタッフの鄭秀雲さん、大澤紘子さん
(取材=西山 登美子)