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ベイシックス出身の女性オーナー、2012年12月10日「おうちごはん」をコンセプトにした創作居酒屋「月来ル。」を赤坂のTBS裏手にオープン!

テラス席もあり、カフェのような外観。でも実は居酒屋というギャップ
入口近くにあるショーケースには、おばんざいが並ぶ。日替わりで各500円
左上から時計回りに「黒豚のしっかりメンチ」(730円)、「白モツの味噌煮込み」(550円)、「牛すじのトロトロ煮込」(550円)、「EGGフライのポテトサラダ」(680円)
2人の女性オーナー。内田氏(左)と大野氏(右)

(取材=下前 ユミ)


赤坂駅から赤坂Bizタワーに回り込み、一ツ木通りへ。1つ目の路地を左折すると、円通寺通りに辿り着く。ここは赤坂といえども近隣にオフィスが立ち並び、住居もあるエリアだ。この円通寺通りをまっすぐ進んだTBSの裏手に「おうちごはん」をコンセプトにした創作居酒屋「月来ル。(つきくる)」(運営:as kitchen(アズキッチン)東京都港区、代表取締役社長:大野早苗氏、取締役副社長:内田晃世氏)が2012年12月10日にオープンした。女性オーナー2人で経営する「月来ル。」は店長の内田氏が命名した。「自分の好きな『月』を絶対店名に入れたかった。試行錯誤の末に浮かんだのが、“月(ツキ)”=“Lucky“と”来る“=“Come ”の“ツキが来る”という、二重の意味を含ませた名前でした」と内田氏。「堅苦しくない、良い意味での緩さがある楽しい空間にしたい」との想いから随所に遊び心も盛り込まれている。たとえば、店名にある「おうちごはんとOH酒」の「OH」もひらがなの「お」ではなく、あえてアルファベットを用いることでシャレを利かせている。内田氏はOLから転身。ベイシックスが経営する沖縄創作居酒屋「てやん亭゛」で経験を積んだ。同社は渋谷、西麻布、六本木などを中心に大人の隠れ家的居酒屋を展開し、人気を集めている。ベイシックスの代表取締役を務めるのは“ガンさん”こと、「業界にその名を知らぬ者はいない」という岩澤博氏。内田氏には「丁寧にただ料理を運ぶだけの店にはしたくない。お客様に楽しんでもらいながら、そして教わりながら成長していくことを念頭に考えている」という岩澤氏の「商いの原点」が心に刷り込まれている。大野氏は「長年美容関係の接客業に携わっていた経験を生かし、お客様目線に立った楽しい接客を志している」という。2人は13年前に共通の友人を介して知り合った。実は誕生日も1日違い。仲間と一緒に誕生日会を行ったり、旅行に出かけたり…・気がついたらいつも傍にいる、お互いの良き理解者になっていました」と当時を振り返る。同店にはガラス張りで天高の開放的な空間が広がる、一見、カフェのような雰囲気。「でも実は“居酒屋”というギャップを狙った」と内田氏。小さい頃から「将来は自分のお店を持ちたい」という夢があったそうだ。「カウンターに10席は必ず欲しかった。地元に特化した温かいお店を作りたい。ほんのり光を放つ月明かりに導かれて、近所に住む人や働く人がふらっと訪れるような場所にしたい。仕事帰りに『ただいま』と家に帰るようにここへ来て、おいしい料理と居心地のよい空間を一緒に楽しめるお店にしたい」と同氏。店舗の立地は内田氏と大野氏の2人でいろいろな街を歩いて探した。「居抜きで探せばコストも抑えることはできますが、やはり路面店にこだわりがあった。資金面で諦めかけたその時、ふらっとこの通り(円通寺通り)に入り、2人の思い描くものが重なった。まるで引き寄せられたかのようにこの物件と出会い、ここなら思いがカタチにできると確信し、即決しました」と大野氏。路面店にこだわる理由は「お店の前を人が通る時にキャッチできるから。たとえば、笑顔ひとつ見えるだけでもアピールになる。自分だったら知らない2Fのお店より、中の様子が見える1Fにあるお店の方が入りやすい」と気軽に入れることを重要視している。もともとガレージだった場所を「スケルトンから仕上げた」という空間には、2人のこうした想いがカタチとなっている。店内に入ると、まず目に飛び込んでくるのはショーケース。常時6種類のおばんざいが並び、注文が入るとここから小鉢として出される。メニューの写真で見る以上に実物を目の前にすると、食欲がかき立てられる。「牛肉とれんこんのきんぴら」(500円)、「手羽先と大根煮」(500円)、「ササミの春雨サラダ」(500円)など、食べたらホッとするおふくろの味。テーブルの上には、毎日書き替えているという手書きのメニューがある。「見ているだけで楽しくワクワクするようなタッチは、ベイシックス仕込み」という内田氏。「仕事の後、ホッとして飲んで食べてほしい」と背伸びしない料理を作っているそうだ。醤油をベースにし、コラーゲンをたっぷりと含んだ「牛すじのトロトロ煮込」(550円)と白味噌を用いてもつとこんにゃくをやわらかく煮込んだ「白モツの味噌煮込み」(550円)は不動の人気を誇る「名物二大煮込み」なんだとか。また、見た目にもインパクトがある「EGGフライのポテトサラダ」(680円)は、EGGフライを崩しながら食べるという楽しい一品。「黒豚のしっかりメンチ」(730円)は、肉の食感を楽しめるようにと挽肉を使わず、バラ肉の塊から作るというこだわりがあり、腹を満たしてくれる一品に仕上がっている。ドリンクは「自分たちが飲んでみて、美味しいと思うもの、料理に合うものを選びつつ、お客様の反応を見ながら展開している」と内田氏。ワインは、グラス600円、ボトル2300円から4000円とリーズナブルに赤・白5種類ほどを取り揃える。もちろん、ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウィスキー、カクテル、果実酒、テキーラなど、「好きなお酒を飲んでほしい」とひと通りの種類を網羅している。また、祝いの席にも対応できるようにと、シャンパンを揃えている。誰しもがその名前を知る「ヴーヴクリコ」や「ドンペリニョン」を置く辺りには遊び心をも忍ばせている。さらには、店名にちなみ「MOON SELECT」として「月」のラベルの酒を集めた。しぼりたて特有の荒々しさの中にも穏やかな優しい味わいが感じられる「月の輪 純米生原酒」(700円)、麦の香りを抑えつつ、凝縮した旨みと無濾過によりコクのある深い甘味と膨らみのある味わいの「月心」(650円)など、月のラベルだけではない、通好みのこだわりのセレクトになっている。「自分たちの好きな料理、好きなお酒をお客様と一緒に共有したいという想いは大切にしたい。日々の接客の中でお客様のニーズをリサーチしながら、今後取り入れて行きたい」という内田氏。「お客様を楽しませるのみならず、スタッフも共に肩肘張らず自然体で楽しみながら運営している。本気で心から楽しんでいるということがお客様にも伝わるはず」という大野氏。2人の目が行き届くようにと設計された店内には、女性オーナー特有の温もりと心なごむ接客の姿勢が溢れている。近隣の住民が「ホッと帰りたくなる場所」に育っていくことだろう。

店舗データ

店名 おうちごはんとOH酒 月来ル。
住所 東京都港区赤坂5-2-46 落合ビル 1F

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アクセス 東京メトロ赤坂駅1番出口より徒歩6分、赤坂見附駅10番出口徒歩8分
電話 03-6441-2568
営業時間 18:00~24:00
定休日
坪数客数 13坪・24席
客単価 4000円
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※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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