渋谷は宮益坂の中腹に、ワイン・ベルギービール・シャルキュトリーが自慢の炭焼ビストロ「WINE & Belgian Beer Hemel ミヤマス(ワインアンドベルジャンビアー ヘイメルミヤマス)」が7月19日にオープンした。運営はPottz(東京都品川区、代表:千 倫義氏)、同社の直営2店目の出店である。1号店は道玄坂に店舗を構えるベルギービールの専門店「Hemel(ヘイメル)」、渋谷の駅を中心として東西に位置するよう、割と洋業態の少ない宮益坂エリアを2号店の出店先に選んだという。1号店の「Hemel」では120種を超えるベルギービールを置く専門性の高い業態だが、今回のビストロは、その強みを生かしつつ、トレンドであるワインにも力を入れて幅広い客層をターゲットに据えた。それに加え、料理ではライブ感のある炭焼き、そして最近日本でもフレンチビストロを中心に定着しつつある“シャルキュトリー”を売りにした新たな業態として誕生した店なのだ。 “Charcuterie シャルキュトリー”とは、“Chair=肉・Cuit=火を通した”を語源とした、ソーセージ・パテ・リエットなどの豚肉加工品あるいはそれを専門に扱う店をさすフランス語。同店のシェフ佐山直嗣氏は、日本では貴重な、本場フランスで修行したシャルキュトリー職人=シャルキュティエの一人である。佐山氏の料理人としてのスタートは、仙台の「あずやま」という、当時フレンチの草分け的存在であった店で、シェフ澤部喜次氏に師事し、フレンチの基礎を学んだ。その後渡仏。パリの有名ビストロでの修行後ロワールに移り、数々のコンクールで優勝している名のあるシャルキュティエに師事し、住み込みで一から学んだ。この2号店では、炭焼きとともに、本場の伝統的なシャルキュトリーを、ワインにもビールにも合うよう佐山氏のアレンジをきかせ、他では味わえないメニューに仕上げているのが特徴だ。 例えば、チェリーの香りが特徴的なベルギービール「ベルビュークリーク」を練りこんでつくる「自家製麦酒ソーセージ」(1100円)や、ベルギーの白ビール「ヒューガルデン」で仕上げた「新鮮ムール貝のホワイトビール蒸し」(S1100円、M1600円)などがメニューに並ぶ。もちろん王道のパテ・リエット・ハムを盛り合わせた「肉のオードブル」(1300円)もあれば、シャルキュトリーとビールと炭焼きを見事に生かしきった「ブーダンノワールのグリル りんごのビールコンポート」(1100円)や、焼き場を使い目の前で調理される「自家製燻製ベーコンのグリル」(1100円)、「まるごと一杯のスルメイカのグリル withリゾット」(1100円)、「イベリコハンバーグの炭火焼き」(1400円)など多数揃っている。そのほか、必ずオーダーされるラードを使って低温で2度揚げした「フリッツ」(S600円、M800円)は、セロリマヨネーズ・パプリカマヨネーズなど珍しいフレーバーもあり、人気の高い一品のようだ。 アルコールでは、ベルギービールが60種類以上あるが、これらは「レッド」「ホワイト」「トラピスト」「アビー」「ストロングエール」「セゾン」「ランビック」といったカテゴリーに分けられているため、好みにあった銘柄を見つけやすい。加えてドラフトを4種揃えている。一方ワインは、弁護士でソムリエの山本博氏監修のもと、料理との合せを考慮し、泡・白・赤・ロゼをボトルでは約50種用意し、価格は2000円代から8000円代と幅を持たせ、季節によって提案していくそうだ。 内装はビストロよろしく、肩肘はらず親しみやすい空間にと、モダンな山小屋をイメージしながらも“かっこよすぎないように”意識してデザインしたそうだ。焼き場前のカウンター、テラス、テーブル席と、約20坪の店内でも座る場所により異なる雰囲気が体感出来るのが面白い。 若者が集う渋谷と、大人が行き交う青山の狭間で、両者に愛されるビストロを目指す「Hemelミヤマス」。今後は同ブランドでの店舗展開に加え和業態での出店など、様々な構想を描いているという同社の動きには、これからもますます注目が集まりそうだ。
店舗データ
店名 | WINE & Belgian Beer Hemel ミヤマス (ワインアンドベルジャンビアー ヘイメルミヤマス) |
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住所 | 東京都渋谷区渋谷1-12-7 CR-VITE1階 |
アクセス | JR・地下鉄 渋谷駅より徒歩3分 |
電話 | 03-6427-7524 |
営業時間 | 17:00~27:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 21坪・48席 |
客単価 | 4500円 |
運営会社 | Pottz株式会社 |
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