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「発酵文化応援団」!力強いネーミングが伝える、話題の発酵をコンセプトにした店。亀戸香取勝運商店街に3月3日オープン!

4寸角材をボルトで連結したナチュラル仕上げの特徴ある環境。鳥取県智頭産の無垢の杉を活かした癒し系
土日祝日は、亀戸香取勝運商店街の昼呑み・角打ち目印として。夜は店内でと、盛り上げる、おでん屋台
仕入れによって多少変わるが、刺身盛合わせはアジ刺しなどに加え、話題の塩糀を使ったアジの塩糀漬け・いか塩糀和えなどが楽しめる
気さくなオーナーの喜連川氏。発酵文化と江戸東京野菜への深い思いを判りやすく楽しく語ってくれる

(取材=西山 登美子)


先人が残す優れた食文化である発酵文化。世界に広がる歴史深い、食材の熟成の文化だ。日本も例外でなく、伝統食や和食の原点として、今も身近な食文化の一つである発酵という技術。その発酵文化・発酵食品が今、熱く注目されている。自然の力、菌(微生物)が生み出す熟成パワーによる凝縮された旨み、高栄養価、そして体に優しい保存力として。 この優れた発酵文化に魅せられ亀戸の商店街に3月3日オープンしたのは、オーナー喜連川覚氏による「発酵文化応援団」。発酵によって生まれる日本独自のお酒、日本酒を軸に、発酵の基となる糀にも着目したコンセプチャルな店である。とはいえ、通りのなかでは新参ながら、ご近所の人が気軽に声をかけていくように、飾らない気さくなオーナーの人柄がそのまま反映する気負いのない店だ。 「発酵文化応援団」が店を構える亀戸香取勝運商店街。古い歴史を持ち、勝運の神社として日本を代表するアスリート達の「勝守り」としても人気の香取神社の表参道だ。亀戸香取勝運商店街は江東区で最も古い商店街という。200メートルの距離に、看板建築(関東大震災後、関東一円にブームとなった装飾看板で演出した商店建築)を再現した商店が並ぶ、昭和レトロな雰囲気。実は東京都江東区がバックアップする町おこしモデル通りだ。神社の勝運と観光レトロ商店街を目指し、昭和30代をテーマにリニューアルしたばかり。このリニューアル計画を知り「伝統文化、発酵文化に相応しい場所と閃いた」と縁もない場所での出店を決めた喜連川氏。 同氏は福岡県出身で大学卒業後、就職した会社を1年半後に辞め、北海道へ流浪の旅。その後、「飲食業界に興味を持ち、当時、大吟醸では日本一という割烹に飛び込んだ」という。「ここで、ライフワークの日本酒と出会い、学んだ」そうだ。それから10年以上。ある日、「日経新聞が読めなくなったというほど、経済、社会から切り離されたような思いに駆られた」と金融印刷という特殊な会社へ転身。そして10年。ついに念願の開業に至った。日本酒に情熱を注ぐ喜連川氏は、試飲会や蔵元へ足を運び、その情報収集も熱心で深い。「発酵文化応援団らしさのある自分好みにこだわる」と語るように、銘柄揃えは個性的。 自然に学ぶ酒造りで話題の寺田本家の「五人娘自然のまんま」、「純米80香取生原酒 なんじゃもんじゃ」。寺田本家の23代目当主となる寺田啓佐氏は「発酵道」を出版し、「発酵の里 神崎」と町を盛り上げ、発酵文化を啓蒙する今、注目の人である。店主は作り手の考え方、造り方にこだわるため、少量生産、入手困難な日本酒も少なくなく、いつも同じ銘柄があるとは限らない。静岡の蔵元へ1年半ラブコールを続けようやく入手した「臥龍梅」は、かつて安藤広重が描きゴッホが模写した、今はなき亀戸梅屋敷の臥龍梅への思い、ストーリー性が込められている。いろいろな発見、出会いが楽しめるラインナップの日本酒は120ml、価格は550円~700円で提供。そのほかのドリンクには木内酒造で造る商店街のオリジナルビール「勝運ホワイトエール」(650円)、「かちわりワイン」(500円)、その他種類は少ないが焼酎も置く。 料理は塩糀に漬けた「タコのカルパッチョ」(500円)、「塩糀漬けパンチェッタ(豚肉・鶏)の野菜蒸し」(600円)、「糀ドレッシング豆腐サラダ」(500円)、「三国発酵和え」(400円)といった同店らしいメニュー。加えて「発酵文化応援団」のもう一つの看板商品となるのが江戸東京野菜だ。「東京小松菜のシャキシャキサラダ」(600円)、「千住ネギ丸定みそ炒め」(600円)、あるいは東京ウドを使ったものなど、旬の東京産伝統野菜が並ぶ。刺身は築地仕入れの新鮮さとクオリティにこだわる。喜連川氏はふぐ免許を持ち、「今後はリーズナブルに楽しめる、ふぐ料理も提供していきたい」と語る。 亀戸香取勝運商店街は土日祝日には、各店、通りに屋台を出し、特産品を並べて表参道らしい賑わいで観光地化を盛り上げる。「発酵文化応援団」では、昼呑み・角打ちタイムとして昼酒も楽しめる。肴はアゴ出しの自慢おでん(100円からで約12種類)。夏には冷やしおでんとなる。 「店は箱ではなく、人と人を発酵させる場。コミュニティの場として活性化させたい」と語る喜連川氏。すでに落語会、江戸東京野菜セミナーなどのイベントも開催している。 「自分の専門分野であり、ライフワークである日本酒、発酵食品といった発酵文化を若い世代に伝えていきたい」と、熱い思いを語ってくれた。

店舗データ

店名 発酵文化応援団
住所 東京都江東区亀戸3-59-15

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アクセス JR亀戸駅より徒歩6分
電話 03-3684-1585
営業時間 17:00~23:00、
土日祝のみ13:00~17:00(昼呑み角打ちタイムがある)
定休日 不定休
坪数客数 11坪・20席
客単価 2700円~3800円
関連リンク 発酵文化応援団・隊長良好ブログ
関連リンク 亀戸香取勝運商店街
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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