数多くの横丁スタイルの複合型飲食店をプロデュースし、“横丁ブーム”を巻き起こしてきた浜倉的商店製作所の浜倉好宣氏が東京・有楽町のJR高架下にまた新たな施設をプロデュース。今回手がけた「有楽町産直飲食街」は107坪4区画に地方自治体及び生産者のアンテナ業態の飲食店が軒を連ねるスタイルを採用し、11月16日にオープンする。 「有楽町産直飲食街」の大きな特徴は生産者、飲食店、消費者の3者をつなぎ、新しい産直モデルを構築しようというもの。“産直”と言うと一般にはよいイメージばかりで捉えられがちだが、いざそれを継続して行なおうとすると少なからず問題点も生じてくる。浜倉好宣氏はその問題点として以下のような点を挙げる。生産者側として「消費地での販路拡大に苦戦している」、「展示会に出展してもなかなかビジネスに結びつかない」、「商品をアピールする場が少ない」。飲食店として「新たに産地開拓する時間も手段もない」、「産地ごと、商品ごとに発注方法、決済方法がバラバラ」、「産直の多くが通販のお取り寄せになってしまっている」。そして、消費者としては「『産地直送○○!』『××漁港直送!』といったキャッチフレーズに飽きてしまっている」、「何がどういいのかが解らない」。こうした問題点に着目し、生産者と消費者をつなげられるのは飲食店しかないとの視点から、生産者、飲食店、消費者の3者が笑顔になれる「生産現場と飲食店店頭をつなげる産直サービス」を構築したのである。 浜倉好宣氏が全国の自治体に声をかけて出店を募った結果、岩手、長野、静岡、熊本の4県の参加が決定。そこから各県のメイン食材をもとにして、その魅力を引き出す業態を開発したのである。岩手は白金豚を売り物にした豚肉業態の「白金豚・三陸前浜もの 南部家」。長野は信州黄金シャモの料理で舌鼓を打ってそばで締める鶏肉とそば業態の「信州 神鶏」。静岡は沼津漁港に揚がる季節の魚貝を売り物にした魚業態の「魚河岸 魚○本店」。そして熊本は熊本馬肉を売り物にした馬肉業態の「馬かばい!」である。経営は「南部家」がオーバークラウド(東京都渋谷区、代表取締役:有泉雅幸氏)、「信州 神鶏」がスパイスワークス(東京都千代田区、代表取締役社長:下遠野亘氏)、「魚○本店」が浜倉的商店製作所(東京都新宿区、代表取締役社長:浜倉好宣氏)、「馬かばい!」が第一グリーン(埼玉県さいたま市、代表取締役:伊藤大介氏)。料理は各メイン食材を中心にしながら、その他の食材を使った料理屋や郷土料理なども組み合わせ、独自の魅力を作り出していく。目標月商は「南部家」「信州 神鶏」「馬かばい!」が各800万円、「魚○本店」が1500万円。 生産者の作った食材を飲食店が料理に仕立てて消費者に提供し、地方の魅力ある食材をアピールしていくことで地方の生産者と地域の活性化を目指す、従来とは一線を画する浜倉好宣氏の新横丁プロジェクト。各店舗を使ってそれぞれが県の魅力をアピールする品評会やイベントなども計画しており、その新たな取り組みには大いに注目だ。
店舗データ
店名 | 有楽町産直飲食街 |
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住所 | 東京都千代田区有楽町2-1-11 インターナショナルアーケード |
アクセス | 地下鉄有楽町、日比谷・銀座駅より徒歩5分、JR有楽町駅より徒歩5分 |
電話 | 各店舗により異なる |
営業時間 | 月曜~土曜17:00~翌5:00、日曜17:00~24:00 |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 共有スペース17坪 |
客単価 | 4000円~5000円 |
運営会社 | 株式会社浜倉的商店製作所 |