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大衆もつ焼業態でチェーン店化を推し進めるドリーマーズが今後の旗艦店と位置づける「亀戸北口の串屋横丁」を8月17日にオープン!

駅近くだが、目立たぬ裏通りに立地。初期投資を抑えることで損益分岐点を低くし、健全な経営を固守する
全客席の40~50%をカウンター席に仕立てるのが同社の方針。1人客が来やすい店づくりを行なうことで、週に何度も来店してもらえる常連客を育てる
ドリーマーズ代表取締役の中村正利氏(右端)が会社を、串屋横丁事業部チームリーダーの斉藤優氏(右から3人目)が店舗をそれぞれ牽引
売り物の“もつ焼き”、“やきとり”、“煮込み”に加え、今回新たに“手羽塩”をメニューに導入。揚げるだけですむため、オペレーション的にも魅力の大きい商品

(取材=印束 義則)


「亀戸北口もつ焼きセンター」「スタミナ満点!千葉県産豚毎日工場より直送!」と横長の店舗いっぱいにデカデカと掲げた特大看板。そしてその下には無数の提灯をずらりと吊り下げ、ガラス戸には墨文字のメニュー札をベタベタと貼る。さらに店頭には合板と酒ケースを用いて作った気どりのない客席を配置。決して奇抜なことをしている訳ではなく、いわゆる昔ながらの大衆的もつ焼店の店構えながらも、なぜか引き込まれてしまう印象の強い店づくり。店内に入れば中央部分に設けた20人がけのコの字型カウンター席がドンとお客を迎え入れ、そのまわりにはいくつものテーブル席が配される。店頭と店内に設けた計90席の客席はいつしか大勢のお客で埋め尽くされ、そうしたお客の活気に負けじと店員も元気いっぱいに右へ左へとキビキビした動作で店内を動きまわる。まさに、その場にいるだけで明日への活力がむくむくと沸いてくる魅力あふれる居酒屋が「亀戸北口の串屋横丁」だ。
同店はドリーマーズ(千葉県茂原市、代表取締役:中村正利氏)が手がけた23店目の新店舗で、オープンは8月17日。「串屋横丁」は現在、直営10店舗、FC店13店舗に展開しており、「亀戸北口の串屋横丁」は同社最大の大型店舗で、来年以降の集中出店を見据えたモデル店となるべく旗艦店として位置づける。同社は他に「辛獅子屋」も3店舗展開しており、2012年には現在の計26店舗から倍の50店舗へ、2015年にはさらに倍の100店舗を目指しており、7年前に1店舗からスタートした居酒屋としては順調すぎる伸びを見せている。
ドリーマーズ代表取締役の中村氏はドトールコーヒーに勤務して外食の基礎を学び、その後、方向転換して注文建築のメーカーで営業に従事。そしてIT企業で独立を果たしたという多彩な経歴を持つ。だが、会社は5年で倒産の憂き目に。何とか立ち直り、失意のどん底から再起を決意した時にふと思い出したのが、かつて破竹の勢いで日本中を席巻し、多くの人たちから愛されたドトールコーヒーの存在であった。当時1杯150円のコーヒーを武器に、店舗のある街のすべての人がターゲットというドトールコーヒーの革新的な商売のあり方は、中村氏の目に大いに衝撃に映った。「この売り方を焼とりに特化した居酒屋に応用できないか?」「なぜ、焼とり店のナショナルチェーンがないのか?」。そうした熱い想いが中村氏を「串屋横丁」のチェーン展開へと駆り立てたのである。
「串屋横丁」のメニューは“もつ焼き”“やきとり”を2本柱に、“煮込み”“串カツ”などのメニューで脇を固める。同店の大きな特徴は店構え同様、一見すると普通の大衆的なもつ焼店ながらも、実にバラエティーある品揃えを誇る点にある。例えば“もつ焼き”では、「かしら」「はらみ」など1本125円均一で提供する15種のメニューは一般的なタレか塩の味付けに加え、辛味をきかせた赤ダレでも提供。さらにその内の4種はブラックペッパー味でも供する。この他、タン、豚ハツ、豚レバ、かしら、はらみは、それぞれ天然塩ダレとにんにくごま油で味つけする商品も揃え、各1本150円均一で販売。こうした味つけの工夫でバリエーションを豊富に揃え、何度足を運んでも飽きのこない魅力を打ち出している。また、“やきとり”も同様の売り方を採用。串ものだけでなく、コプチャンを材料に用いた“もつ鍋”“ちりとり”もメニューに加え、これらも串もの同様に味のバリエーションを広げる。“もつ鍋”は「もつ鍋」(2人前1880円、4人前2580円)、「トマトもつ鍋」「みぞれもつ鍋」(各2人前1980円、4人前2780円)と、「ちりとり」(2580円)はピリ辛と味噌の2種の味つけから選べる。“もつ鍋”と“ちりとり”は盛りつけさえすれば後は客席の卓上コンロで調理するため、オペレーション的にも効率がよい。今回、新たに揚げるだけですむ「手羽塩」(380円)も加え、従来のメニューをベースにしながら90席の規模に対応できる商品構成で臨んでいる。
これまで千葉を中心に展開してきた「串屋横丁」は来年以降、東京への集中出店を視野に入れる。こうした急速な多店舗化を可能にするのが自社所有の食肉センターだ。車で10分の養豚業者から新鮮な肉・副生物を仕入れ、自社で加工して串打ちをし、店舗に配送。こうすることで各店舗での仕込みを極力減らし、同時に衛生面にも万全を期する。売れ残った串ものは決して翌日に持ち越すことなく、翌日の配送の際に回収し、食肉センターで“煮込み”にして商品化することで上手にロスを防いでいる。
現在、「串屋横丁」は直営とFCを含め、東京では4店舗を展開。2007年に開業した東京1号店の「浅草橋駅ガード下の串屋横丁」は16坪・35席で月商500万円を上げる。そうした実績を踏まえ、「亀戸北口の串屋横丁」は29坪・90席で月商800万円を想定。総投資額1300万円と低投資で開業しているだけに損益分岐点は月商400万円と低く、無理のない健全な経営体質で多店舗化を推進。今後、ますます目が離せない注目の優良チェーン店だ。

店舗データ

店名 亀戸北口の串屋横丁
住所 東京都江東区5-3-7

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アクセス JR線亀戸駅、東武線亀戸駅より徒歩2分
電話 03-5875-5351
営業時間 17:00~翌1:00(L.O.24:00)
定休日 無休
坪数客数 29坪・72席(+テラス席18席)
客単価 2500円
運営会社 ドリーマーズ株式会社
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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