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新・編集長コラム

Z世代と飲食店・後編-店選びの事前調査を入念に行う「失敗したくない消費」とは

今の若者世代を指す「Z世代」。Z世代について分析した書籍「SHIBUYA109式 Z世代マーケティング」によると、彼らの持つ消費行動には「体験消費」「メリハリ消費」「応援消費」「失敗したくない消費」があるという。このうちの「メリハリ消費」と「失敗したくない消費」について、外食の目線で考察してみたい。後半は、Z世代は失敗を恐れて消費行動に慎重になる「失敗したくない消費」についてだ。

PROFILE

大関 まなみ

大関 まなみ
1988年栃木県生まれ。東北大学卒業後、教育系出版社や飲食業界系出版社を経て、2019年3月よりフードスタジアム編集長に就任。年間約300の飲食店を視察、100軒を取材する。


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店のことを事前に調べつくしているから、注文したいメニューは来店前から決まっている

前回は長田麻衣さんの著書「SHIBUYA109式 Z世代マーケティング」(プレジデント社)で紹介されてるZ世代に見られる4つの消費行動の価値観、「体験消費」「メリハリ消費」「応援消費」「失敗したくない消費」のうち、「メリハリ消費」について外食的視点から分析した。

この4つの価値観の中でもう一つ注目したいのが「失敗したくない消費」だ。Z世代は失敗を恐れるあまり、消費行動に慎重になる特性があるという。その背景には、周囲の目を気にしており「失敗した」と思われたくないことや、限られたお金や時間を効率的に使いたいという思いがある。

外食で言えば、「店選びで失敗したくない」「メニュー選びで失敗したくない」というインサイトがありそうだ。確かにZ世代は失敗したくないがゆえ事前に店のことを徹底的に調べている印象がある。ネット情報や友達の口コミをもとに、どんなメニューがあるのか、どんな体験ができるのか、値段はどれくらいか……それらを調べつくして、納得したうえでようやく来店に結び付く。物心ついたときからネットが身近にあり、情報過多の時代を生きるZ世代にとっては自然なことだ。「よく調べずに入ってみて、いい店なら嬉しいし、イマイチだったとしてもまあいっか」は通じない。失敗は許されないのである。

最近の居酒屋では、20代のお客がメニュー表には目もくれずインスタを開いて「これと同じものをください」とスマホ画面を指しながら注文するシーンも珍しくないという。彼らは徹底した事前調査の末に来店しているので、メニューを見るまでもなく頼みたい品は最初から決まっているのだ。

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