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DX活用によるマーケと商品力で激動する業界の勝ち組へ。ゴーストレストランの旗手「X kitchen」が描く未来<前編>

2019年の創業から5年。2024年の6月時点で、提携店舗数が700を突破したゴーストレストランの雄が「X kitchen」だ。同業界は奇しくも、コロナ禍が大きなターニングポイントとなったのは周知の事実だろう。では、その現在地はどうなっていて、激動の業界内で同社が競り勝てた要因は何だったのか。また、課題感や今後の展望は? 大学生時代に起業した、株式会社X kitchenの山路健一郎代表に聞き、前・後編でお届けする。本稿はその前編。


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一番の強みはDXを駆使したマーケティング

X kitchen社は、当時大学3年生だった山路氏が知人とともに創業。三重県四日市市出身の山路氏は、ものづくりを生業とする職人が身近な環境で育った。自然と将来は、作り手や職人を支援する仕事に憧れるように。
加えて、もともと独立志向だったという山路氏。外食との関りはアルバイトで勤務した経験しかなかったが、日本でもUber Eatsが躍進するなど可能性を感じ、身近な衣食住の中から“新たな食文化をITの力で創造する”をビジョンに起業。デリバリー専門のゴーストレストランをスタートした。

「最初の約2年間は、自社で借りた厨房から届ける販売手法のみでした。手ごたえを感じたのは、開始3カ月ごろにお茶漬けのブランドが月商100万円を叩き出したときです。その後2020年にはコロナが転機となり、5坪の1店舗でも月商500万円ほどに。ただしそれでも利益率が5~10%と少なかったので、収益改善をはかるとともに2021年からはFC事業も始めました」

いまや多数のブランドを抱える「X kitchen」。その独自性をいくつか挙げてみよう。特に強みとなるのが下記1、「DXを駆使したマーケティングに長けている」だ。
1:DXを駆使したマーケティングに長けている。
2:業界ではNB比率が高い中、オリジナルのPBが多い。
3:社内外の実力派シェフが考案する魅力的なメニュー。
4:各食材を得意とするパートナーを発掘し全国的に増えている。
5:有力な倉庫業者や物流企業と提携し管理や納品がスムーズ。

2~5はいくら充実していても、商品が売れなければ意味はない。食のトレンドをキャッチしたり、購買データやリピート率の分析から売れるメソッドをはじき出したり、ニーズとのズレがあればクリエイティブを検証してABテストを行ったりと、効率的に改善できる体制を整えていることが、強い販売力へとつながっている。そして2~5との相乗効果によって、他社との差別化が生まれるのだ。

「社内の人材も、業界のキーマンたるご縁に関しても、とにかく人に恵まれたことが大きいです。投資家様の支援に加えてがむしゃらに足で稼いだ部分もありますけど、出会いに関しては運がよかったですね」

FC加盟店の増加に関しては、地道な努力が実を結んだといえる。山路氏自身も、テレアポを積極的に行ってきた。

「SNS広告からの流入やサービス比較サイト経由、または代理店の営業や既存顧客からの紹介から加盟につながったケースもありますけど、自社アプローチによる契約も多いです。泥臭い営業もいとわなかったことが、今につながっていると思いますね」

コロナはバブル。今後は淘汰が進み長期型の市場へ

では、市場はこの数年でどのように変化してきたのか。
「コロナ前は、国内のゴーストレストランはほぼ皆無だったといっていいでしょう。もちろん宅配サービス自体はありましたが、多くは昔ながらのデリバリーや出前ですよね。一点主義でUberEATSに出店しているお店は少なかったので、個性的な料理のブランドであればどんなジャンルでも一定の売り上げは取れた時期だったと思います。

一方、コロナ中はある種異常でした。当時は協力金もありましたし、飲食店も設備投資するなど導入しやすい状況で、消費者様のニーズも圧倒的でしたから。フードデリバリー業界のバブルだったといえますね」

とはいえ、コロナ後もフードデリバリー事業者は爆増したとか。中でも顕著だったのは、勝ち組プレイヤーの組織拡大。そこには同社も含まれるが、ここ1~2年でバブルの終焉と、栄枯盛衰からの淘汰を迎えたといえるだろう。

「組織規模が3~5倍に拡大した企業はザラにあったと思います。競合各社の保有ブランド数も軒並み増えましたし、一方でUberEATSからのガイドラインが策定されたり、不備によるブランド停止というケースもみられたりしました。ゆくゆくは徐々に業界が整備され、クオリティの高いブランドのみが流通する仕組みとなり、長期型のマーケットになっていくと思います」

では市場の伸び率はどうなのか、そして「X kitchen」の現在地は? より具体的に教えてもらった。

「マーケット全体でいうと10~20%の伸びに対して、当社は手前味噌ですが約200%の伸び率です。他社より50%以上伸長していますが、結果的にプレイヤーは現在の上位企業で固まってくるでしょう。ただし例外はあって、たとえば非常に強いブランドをヒットさせた企業が、そこから躍進するみたいなシナリオは起こりえると思っています。フードビジネスは、こうしたゲームチェンジャーが突然出てくるのも特徴ですよね」

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