4月20日に錦糸町の北エリア(墨田区太平)に出現した商業施設「オリナス」。これまでの場外馬券売場のある下町歓楽街というイメージを一新するス ポットになっていた。これは確実に丸井を中心とした南エリアからの消費人口の移動を促すに違いない。錦糸町は隣の亀戸とともに「東京7大副都心構想(新 宿、池袋、渋谷、大崎、上野・浅草、錦糸町・亀戸、臨海部)」の一つ。さらに北には押上エリアがあり、ここも急速に開発が進んでいる。 さらに、東京・浅草の浅草寺からほど近い下町の一角に、東武鉄道が中心になって「新東京タワー」を建てることが決まった。高さは世界一の610m、 完成は2011年である。5月1日には「新東京タワー株式会社」がスタート、墨田区にも推進課が新設される。ここから地上デジタル波を関東一円に送ること になる。いまなぜか「東京タワー」がブームだが、人情の残っている下町エリアだけに「新東京タワー物語」が生まれてきてもおかしくない。 団塊ジュニアたちがニューファミリーの城を持つ場所として、ますます「東京EAST」に人口はシフトしてくるだろう。中央区の人口が10万人を超 え、豊洲や有明は「東の二子玉化」が急速に進んでいる。錦糸町「オリナス」からの帰り、秋葉原「AKIBA_ICHI」に立ち寄ったら、巨大IHキッチン スタジアム型レストラン「東京フードシアター」のGMがどこかで見た人物。なんと一世を風靡した元「カーディナス」の片山峻徳さんではないか。西から東へ 「飲食人」の移動も起きつつあるのだろうか。
コラム
2006.04.27
「東西格差」は縮まるか?
飲食トレンドを追いかけていると、だいたい8対2の比率で東京のWESTエリアに足を運ぶ感じだったが、最近なぜか「EAST」に出向くことが多くなった。
佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。