飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

編集長コラム

トレンドは誰がつくる?

恒例の日経MJ「ヒット商品番付」2006年上期版が公表された。外食絡みのヒット商品は、辛うじて「西小結」の下位のほうに入った「カップ地酒」だけ。なんとサミシイ結果か。編集長が外食に関心がないのだろうかと、一瞬文句をつけたくなった。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


とはいえ、確かにこの半年を振りかえると、ビッグヒットという商品(業態)はなかったと言えるかもしれない。昨年は立ち飲みやバル、ブランド豚ブームのような大きなうねりがあったが、今年はそれらが定着しつつあるということか。 私なりに今年前半を総括すると、ベスト5は①スペインバル、②屋台系酒場、③看板のない店、④ご当地系東京初モノ、⑤野菜・ロハス系というところだ が、結局はカジュアルに楽しめる新しい業態か、高い店はテレビにも雑誌にも出ない本当の隠れ家というふうに、やはり二極分化してきている。ただ、両方に言 えるのは、「店のウリ」のディテールへの徹底したこだわりである。それから「店の個性」ともいえるスタッフと客が一緒になってつくる空気感。それを演出で きるところが勝っている。 さて、今年後半はどんなトレンドになるのだろうか。最近、TVも視聴率が稼げるのだろう、グルメ番組が急激に増えている。「旨い!」「美味しい!」 というだけでなく、タレントがグルメレポーターになって、「これがトレンド!」といった番組も増えてきた。私のところにも、よくTV番組制作関係者から問 い合わせがくるが、この前も「今年後半のトレンドとして串揚げが来るという特集をやるんですが、どこか紹介してほしい」という質問。すでにテーマは決まっ ている。たしかに新スタイルの串揚げ専門店が増えてはいるが、トレンドというところまで来るとは私には思えない。 トレンドは誰がつくるのだろうか。それは誰にもつくれない。トレンドになったときには、もう終わっている。それはあくまで客の潜在的なニーズの中に ある。いま「串揚げ」を食べたいという潜在意識をもった人が多ければいい。しかし、どういうスタイルの串揚げが食べたいのか、新しい店に何を望んでいるの か、そういう顧客意識の底にこそ、トレンドの種が眠っているのだ。こう書いているうちに、新橋ガード下の立ち飲み、その名も「串揚げ屋」を思い出した。あ そこは経営者夫婦の笑顔もいいし、ネタもいい。TVには紹介したくないな。

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