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コラム

「赤坂」がアデージョ(艶女)の街”へ変貌?”

東京ミッドタウン(2007年3月開業)や旧TBS会館跡地再開発ビル(地上39階、2008年1月開業予定)の話題で盛り上がる赤坂エリアだが、いま旧田町通り"が密かに変貌を遂げつつある。 "

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


赤坂といえば、銀座、新宿に並ぶ“夜の街(歓楽街)”という印象が強いうえ、連想するのは“ヤクザ”“フィリピンパブ”“韓国街”というダークサイ ドイメージ。しかし、急激な変貌を遂げつつあることに、最近気づかされた。赤坂の街は3つの商店街通りで構成されている。赤坂見附駅から近い順に、旧田町 通り、みすじ通り、そしてTBSに最も近い一ツ木通りである。そのなかで、旧田町通りが「エスプラナード赤坂通り」と名称を変え、“大人の女性”をターゲットとした街づくりに向けて突き進んでいたのだ。 エスプラナードは“貴族の散歩道・高貴な避暑地の遊歩道”という意味とか。数年前から電線地中化やゴミ廃止運動を進め、今は確かに石畳のクリーンな 通りに変わっている。風俗店は消え、おしゃれなレストランやカフェ、書店、ブティックなどが増えている。個性的な飲食店も増え、最近も博多中州から鶏料理 の「ぢどり屋」やベジダイニングの「やさいや」、ステーキレストラン「パトラシーザー」などの新店が続々とオープンしている。チェーン店が出店に二の足を 踏む間に、こうした“恵比寿型”の飲食店が密かにデビューを果たしているのである。赤坂周辺のオフィスに勤めるアンテナの高いOLたちがターゲットである ことは言うまでもない。 そんな変化を遂げつつあるエスプラナード赤坂通りのど真ん中に12月14日、「赤坂グランベルホテル」がオープンする。一ツ木通りにも「APAホテル」(1階はイタリアンバール)があるが、グランベルホテルは目黒「ホテルクラスカ」を手掛けた都市デザインシステムが 設計した“デザインホテル”である。今年7月、渋谷・桜丘に「渋谷グランベルホテル」(1階はスペインバル「P」)を開業し、桜丘エリアを“大人の渋谷” に変える起点となった(奥には中目黒の隠れ家「元旦」姉妹店「SSO」が出現し、いまや桜丘は“芸能人のお忍び通り”と言われ始めた)。赤坂グランベルホ テルも渋谷を超える気合いの入れようで、地下には173席の「レッドシアター」(小劇場&貸しホール)も開業。1階にはヨーロピアン・ビアパブの「The Mermaid」、2階には寿司和食の「金乃助」(ヤマト水産)がオープン。まさに通りのコンセプトにジャストマッチングの“アデージョ(艶女)”狙いのホテル、レストランであり、ランドマークである。 エスプラナード赤坂通りの沿革を調べてみたら面白いことが判明した。実は、この通りを変えてきたリーダーは城所ひとみさんという地元商店街振興会の 女性理事長。地元の赤坂クインビル副社長としてビル経営に従事。1988に「赤坂田町通り会」役員となり、1990に同会長に就任。同時期に地元のオフィ スワーカーなどを巻き込んだ街づくり組織「トーク赤坂21」の代表発起人になる。2004年3月、理事長として「商店街振興組合エスプラナードアカサカ」 を率いてきた。女性理事長の目線で、旧田町通りを“男の街”から“大人の女の街”に変えてきたのだ。彼女の著書『赤坂はこんなにおしゃれになった』の宣伝 コピーにはこうある。「さびれてゆく街をどう再生するか。ゴミ、電柱、駐輪、駐車場──。ヤクザの親分さんに筋を通し、韓国街のボスの胸にとび込み──、 そうしてアカサカはガラリと街の様相を変えました」。赤坂もこれから侮れない…。

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