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コラム

「渋谷」が動き出した…

池袋―渋谷間を16分(急行11分)で結ぶ地下鉄副都心線が6月14日にいよいよ開通する。その工事の最終局面を迎えた渋谷を歩いてみた。

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。


地下鉄副都心線のキーステーションとなる池袋、新宿三丁目、渋谷の3駅周辺はいま、飲食店の新たな立地場所として見直しが進んでいる。池袋駅では東京メトロが表参道駅で成功した地下鉄内商業施設「Echika(エチカ)」を 来年2月オープンを目標に開発している。また、池袋西口に来年「新メトロビル」が飲食店ビルとしてオープンする。渋谷駅の「Echika」計画は周辺の既 存店との調整期間が必要で地下鉄開通1年後のオープンになるとみられる。さて、駅周辺は動いているだろうか。連休明けの昨日、渋谷駅周辺を歩いてきた。 まず、スクランブル交差点の角に明日9日、南仏生まれのコスモブランドショップ「ロクシタン」が世界初のカフェをオープンする。昨日はその内覧会だったのだが、1階が物販、2階には野菜やパン、スイーツが並んだマルシェ(市場)に囲まれたカフェ、そして3階はゆったりと寛げるカフェスペース。プロデュースしたのはユニマットキャラバン取 締役本部長の金井伸作氏とオーバカナル事業部長の田代圭氏。「ロクシタンは世界の有名ホテルのアメニティには必ず使われているコスメ界のスーパーブラン ド。それを敢えて渋谷のハチ公口にもってきました」と金井氏。ロクシタンスタイルが定着すれば、渋谷の街のイメージが変わるかもしれない。 地下鉄副都心線開通で大きく変わるのは、新しい地下鉄出入口ができる明治通り沿いである。その明治通り沿いに新店が次々にオープンしている。宮下公園側には陸橋近くに5月6日、“味つけ焼ホルモン”というニューコンセプトの「達磨天狗」がオープンしたばかり。経営は株式会社KID’S。ジンギスカン鍋でホルモンと野菜(キャベツとニラ)を焼き、味噌味のオリジナルタレに付けて食べる“新鉄板鍋”。同社の“ポストもつ鍋”の実験店か。明治通りを渋谷駅方面に戻ると、東口の陸橋のふもと、「東京トンテキ」に下にフォーシーズが4月17日、“ベタコテ系”初業態「串かつ でんがな」をオープンした。明治通りと246が交差する角立地で完全立飲み。「なにわゴールデン」などのハイボール、「わさびサワー」「缶ワイン」などユニークなドリンクの提案が目を引いた。 陸橋を渡って、恵比寿方面に向かって右側の通り。ここはかつて“フランチャイズ通り”と言われたように、大手チェーン系の丼業態、麺業態が多かった のだが、いまはトレンドを映して家系のつけ麺店など個性的な業態が並んでいる。その一角に3月オープンしたのが「渋谷三丁目酒場」と「Ume桜」。「渋谷 三丁目酒場」は「プロント」「紅とん」のFCから飲食に参入した株式会社FBプロデュース初のオリジナル業態。“新鮮和豚専門店”だが、人気のコラーゲン をそのまま出す「コラーゲン刺し」や豚のミルフィーユの天婦羅「みるとんてん」など面白いメニューを出している。ドリンクもいま旬の“三冷ホッピー”を打 ち出していた。「Ume桜」は店舗プレミアムの新業態で“梅酒スタンディングバー”。アルコール度数、甘辛の種類の違う35種類の梅酒を集めている。明治 通りを歩いて、「渋谷が動き始めた…」と実感した。

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