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中野に「ホタテん家」が開業。米国の日本食レストランや楽天での勤務を経た31歳経営者が、「日本の食で日本を元気に」と、北海道枝幸産ホタテの専門店を開業

中野通り沿いを北へ、新井交差点を超えて150メートルほどのところにある
店内の様子。オーナー大須賀氏自ら壁などのペンキ塗りをしたそう
「ホタテ刺し」。北海道枝幸産のホタテは身が厚く、味も濃厚
「半熟ホタテフライ」。揚げることでさらに甘みが増す
オーナーの大須賀健太氏(左)と、ともに店を切り盛りする川上直人氏(右)

JR中野駅から北に徒歩約10分。新井交差点を超えた中野通り沿いのビルの1階に4月1日、ホタテ専門店「ホタテん家」がオープンした。運営はOrlando Japan(北海道枝幸郡、代表取締役:大須賀健太氏)。北海道枝幸郡産直送のホタテがウリの居酒屋だ。枝幸産のホタテは、プリプリとした貝柱が特徴で、繊維質が際立ち歯応えのある食感。品質に定評があるものの、東京ではまず手に入らないと言われている。

現在31歳の大須賀氏。その経歴は面白い。学生時代はラグビーに熱中し、大学は明治大学に進学。農業経済を学んだ後、大手電機メーカーに入社。しかし「海外で通用する人間になりたい」との想いから海外勤務を希望するが、英語力不足もあり機会に恵まれず退職し、自ら渡米することを決意。単身米国・フロリダ州オーランドに渡り、現地で邦人オーナーが経営する日本食店でシェフとして働く機会を得る。その時の経験が、起業へと進む大きなきっかけになったと大須賀氏は話す。「近年、日本国内でも中国企業の勢いを増して、日本企業は押され気味のように感じています。そんな中、私が居たオーランドでも日本食ビジネスを行う多くが中国人、韓国人であることを知りました。現地の日本食は、アメリカ人向けに味付けなどアレンジされています。それはある意味とても大事なことだと思います。ですが日本食として大事な部分が失われていることも多く、日本食の基礎として妥協してはならない部分もあると思いました。そんなこともあり、古くから日本の先輩方が作られてきた日本食文化を継承すべく、日本人の自分が立ち上がるべきだと思いました」。

2年間後独立し、現地で日本食を広める会社設立に奔走するが、最終的にはビザの関係で白紙に。帰国後、「日本を支える企業である楽天・三木谷浩史氏の考えを学びたい」と、同社に入社した。「食の分野に携わりたい」と強い希望を出し、インターネットの側面から日本食を支えるECコンサルタントとして、北海道支社へ赴任。北海道で農家や漁師など、生産者と直接触れ合ったこときっかけに、日本の食を支える生産者の想いをダイレクトに広めていきたいと思うようになったという。

そんな中で枝幸産のホタテと出合った。「本当に今まで食べたことのないホタテだと感動しました。そして何よりも生産者の方々のホタテに対する想いやプライドが素晴らしいと感じました。日本の食の素晴らしさの根幹に触れたとき、このホタテの美味しさや魅力をもっと多くの人に味わってもらいたい、と思い、枝幸で海産物の加工・卸売りを行う枝幸漁業組合長が経営するマルチカ須永水産の取締役の佐藤真理子さんと、会社を立ち上げることにしました」と大須賀氏。そして「日本の食で日本を元気に」とのコンセプトでOrlando Japanを起業。事業内容は、大きく3つ。枝幸産ホタテの流通拡大を目的にしたアジア圏への輸出事業、インターネットビジネスで培った魅力あるこだわり食材のECサイト運営、そして東京で飲食店(ホタテん家)の展開だ。まずは一つの地方食材に特化し地方商材のブランド化を目指す。「価格競争が飲食店の価値基準となりがちな昨今、これらの事業で、本当に美味しい食材の流通と、生産者の誇りが伝えていきながら、日本食の価値をあげていきたい」と大須賀氏。

中野に店を構えたきっかけは、大須賀氏にとって馴染み深い場所だったことから。「高校は明大中野(明治大学付属中野中学・高等学校)に通っていたので、この辺はよく知っていた場所。ちょうど、明大ラグビー部の先輩のお父さんがやっていたトンカツ屋の場所を引き継ぐ形で開店しました」と話す。約10坪、カウンター12席・テーブル4席の計16席の店内には、開店資金集めに活用したクラウドファンディングでのリターンの一つ「ホタテ釣り」ができる水槽もある(コースメニュー注文のお客も体験できる)。

メニューは、ホタテの旨味をそのまま味わえる「ホタテ刺し」(680円)を筆頭に、甘辛い味付けで焼かれたホタテを海苔で包んで食べる「ホタテ磯辺焼き」(680円)、「下味もソースも必要ない」と話す「半熟ホタテフライ(3ケ)」(800円)は、少し熱の入ったホタテは刺身とはまた違った甘みがあり、海の塩味が程よくその味を引き立てている。アルコールは日本酒を推している。高校時代のラグビー部の後輩が日本酒業界に新たな風を起こそうと活躍していることから、「KURAND」(運営:リカー・イノベーション、東京都台東区、代表取締役:荻原共朗氏)と提携。ストーリーのある日本酒をプロデュースする新しいタイプの酒屋だ。「TEHAJIME」(720円)や「明利 副将軍」(600円)など、万人受けしやすいものを中心に用意する。焼酎では「なんこ(芋)」(520円)、「わんこ(麦)」(520円)のほか、ビール、ハイボール、ワインなどを揃える。

店を一緒に切り盛りする川上直人氏は、アメリカで知り合い、後に北海道で再会し、大須賀さんが誘ったという。大須賀氏は「私は人との出会いに恵まれ、多くの人に助けられてきた。『どこそこの店で何年修行した』というような経歴はないが、間違いのない素材と、食への熱い気持ちで、今まで支えてもらった分、お客様の笑顔を創ることで恩返ししたい」と意気込む。また「若い人が立ち上がって挑戦していかないと、この先の日本は元気にならないと思う。そのためまず自分自身が動き、少しでも目に見える結果を残していくことで、次の世代の人の勇気や力になっていきたい」とも。日本食というキーワードを軸に、生産者の想いを食べる人を届ける事業展開。まずは枝幸産ホタテの美味しさを中野から広めている。

(取材=別役 ちひろ)

店舗データ

店名 ホタテん家(ほたてんち)
住所 東京都中野区新井2-7-12 エントピア中野1F
アクセス JR中野駅から徒歩10分
電話 03-3388-4740
営業時間 18:00〜24:00(LO.23:30)
定休日 日曜
坪数客数 10坪16席
客単価 5000円
運営会社 株式会社Orlando Japan
オープン日 2018年4月1日
関連リンク 株式会社Orlando Japan(HP)
関連リンク ホタテん家(HP)

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