飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

ミッドタウン日比谷至近に浜倉的商店製作所が「一軒まるごと!日比谷産直飲食街」をオープン。同社初の“縦丁”の開業秘話と、今後の展望について迫る

3月29日に開業した話題の商業施設、東京ミッドタウン日比谷の至近に立地。目を引く派手な外観で、1階だけでなく、上層階の入居店舗の存在をアピールする
1階路面の「魚〇本店」。1階は集客力のある魚業態とした
3階「都久志屋」。3階のため集客面で懸念があったが、当初の予想を上回る売り上げを誇る
2階「牛〇本店」の、北海道函館の小澤牧場直送、「大沼牛のポンドステーキ」(3999円)

3階「都久志屋」の「霧島鶏のスタミナ串」(1本299円)
浜倉的商店製作所の代表、浜倉好宣氏

(取材=大関 愛美)


3月29日にオープンした東京の新名所、東京ミッドタウン日比谷の開業に沸く日比谷エリア。以前にはなかった活気が生まれつつある場所だ。そんな日比谷の一角に、東京ミッドタウン日比谷開業の前日である3月28日、「一軒まるごと!日比谷産直飲食街」がオープンした。運営は浜倉的商店製作所(東京都千代田区、代表取締役:浜倉好宣氏)。これまで数々の横丁を手掛け、“横丁ブームの仕掛人”と名高い浜倉氏だが、今回は同社初の「縦丁」に挑む。1フロア20坪で地下1階・地上3階建ての建物を、一棟まるごと飲食ビルとし、地下1階は貝料理の「炉端貝○」(7月1日オープン予定。現在は地下1階と1階が魚〇本店)、1階は全国漁場直送の「魚河岸 魚○本店」、2階は函館直送の大沼牛がメインの牛酒場小澤牧場 牛○本店」、3階は宮崎直送の朝挽き霧島鶏がメインの「九州づくし 都久志屋」という構成だ。

「一軒まるごと!日比谷産直飲食街」の開業について、浜倉氏はこう話す。「2010年に開業した当社の旗艦店『有楽町産直飲食街』の山手線側の3店舗が2017年4月に、残りの4店舗も今年の7月に耐震補強工事のため閉めざるを得なくなった。『有楽町産直飲食街』は、開業から24時間営業を根気強く続け、ようやく認知され、年々、売上も増加しているところでした。2019年7月には同じ場所で再オープンできるのですが、ブランクを開けてせっかく付いたお客さまに離れてほしくない。そこで、近隣で移転先を探し始めたんです」。そんな折、コンビニの「ナチュラルローソン」だった3階建ての同物件に出合う。当時は人どおりもまばらな場所だったが、東京ミッドタウン日比谷のオープンが決定し、集客力のアップが期待できる場所。角地で視認性のよさも決め手となり、開業を決めたという。

「1棟1業態だけにしてしまうと、3階などの上層階はオペレーションの都合でアイドルタイムは閉めてしまうケースがあります。そこで、各フロアで別業態を営業し、フロアごとに異なる業態で各々が集客力を持つ『縦丁』としました」と浜倉氏。1階に比べてお客に気づかれにくい2階、3階の認知度向上のため、外観は大きな文字や派手な色使いでその存在をアピール。それが功を奏してか、当初の予想よりも1階と2・3階の集客の差は小さく、売上は想定以上の数字で推移しているという。「東京ミッドタウン日比谷をはじめ、周辺はどんどん最新の施設が増えていきます。特に都内は核家族や単身で生活している方が多いこともあって、コミュニティのような空間で、肩書を気にせずに話ができる場所は少なくなりました。日比谷産直飲食街には、お客さまとしてさまざまな世代、職業の方、海外の方などが来ているので、飲み交わすなかでいい出会いが生まれ、自然にいろんな人々が集まる“溜まり場”を創っていきたいですね。」と浜倉氏は話す。

今後も続々と出店計画が進んでいる同社。7月には「日比谷産直飲食街」の至近の並びに十数坪ほどの物件で、「貝炉端と天ぷら屋台 貝〇」の他、「アメ横ガード下飲食街」、9月には駅改札口で立吞み業態を出店予定だ。2019年9月(予定)には、秋葉原駅に直結するホテルのテナントで、“コミュレス(コミュニティレストラン)”業態を出店する。「ファミレスの使い勝手のよさや、メニューのバラエティさをそのままに、「有楽町産直飲食街」で築いた全国の生産者さんとのご縁をより深めて、品数の多さはそのままに品質を高め、ファミレスならぬ、“都市生活者のコミュニティとなるようなレストラン”、“コミュレス”文化を作っていきたい」と浜倉氏。これらに以外にも、「巨大横丁計画」など複数のプロジェクトが進行中だという。「有楽町産直飲食街」の再オープンでは、以前の約倍の広さである約220坪になる予定。「日比谷産直飲食街」や2016年9月に開業した「新橋産直飲食街」など、周辺でドミナント展開を進めつつ、2019年9月にパワーアップして帰ってくる「有楽町産直飲食街」にも、期待がかかる。

「これまでは『恵比寿横丁』など、元ある施設を再生させるケースが多かったですが、今後は取り壊してそこに新築する施設が増えています」と浜倉氏。「ただ、いずれにせよ、『地域になくてはならない』という街のニーズありきで施設を作っていくのが我々の流儀。これからも、求められるままにいいものを作っていきたい」とも。とどまることを知らない同社の動向に、今後も目が離せない。

店舗データ

店名 一軒まるごと!日比谷産直飲食街
住所 東京都千代田区有楽町1-2-4

 >> GoogleMapで見る

アクセス 日比谷駅から徒歩1分、有楽町駅から徒歩2分
電話 炉端貝○:03-6550-8289、魚○本店:03-6550-8191、牛○本店:03-6550-8166、都久志屋:03-6550-8178
営業時間 24時間営業
定休日 無休
坪数客数 地下1階:20坪60席 、1階:20坪73席、2階:20坪76席、3階:20坪70席、計 80坪279席
客単価 魚○本店:3,200円、牛○本店:3,000円、都久志屋:3,000円
運営会社 株式会社浜倉的商店製作所
オープン日 2018年3月28日
関連リンク 浜倉的商店製作所(HP)
関連リンク 産直総合酒場 日本橋下克上(記事)
関連リンク 有楽町産直飲食街(記事)
関連ページ 産地直送 呑み喰い処 食道楽(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.