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秋葉原にネオ大衆酒場の聖地が誕生 「ヤキトンヤリキ」が街の歴史を変える

大衆酒場を思わせる外観は、昭和通りで一際異彩を放つ
テーブル席だけでなく、カウンター席も用意されており、幅広いシーンで利用できる作りになっている
豊富な種類が揃う「やきとん」のメニューの数々。新鮮な豚を仕入れるものはもちろん、その日の内に売り切るのも特徴だ
キレイな霜降りのタンもとのみを使用した「あぶりたん刺」(490円)は、同店でも抜群の人気を誇る
代表取締役の荒木智大氏(前列中央)と同店のスタッフの方々

(取材=三輪 大輔)


秋葉原の人の流れが変わるかもしれない。現在、昭和通り沿いをはじめ、一歩路地へ入った神田和泉町周辺などに、個性的な飲食店が出店しており、多くの業界関係者が熱い視線を注ぐ。11月15日にオープンした「ヤキトンヤリキ」も、そうした飲食店の一つである。運営するのは、サンクスコーポレーション(東京都台東区、代表取締役 荒木智大氏)で、同店が2店舗の展開となるが、どちらも店のクオリティは圧倒的に高い。代表の荒木氏は「大衆的でありながら、どこか新しい。当店は、そのようなに感じてもらえる店となっています。日本の文化と呼んでも差し支えない串焼きに徹底的にこだわって、秋葉原の地に根付く店にしていきたいですね」と話す。

もともと荒木氏は上野の出身で、幼いころから、アメヤ横丁の大衆的な飲食店に慣れ親しんできた。ご両親と祖母が、インドカレーや回転寿司、鉄板焼きなどの飲食店を経営していたため、物心ついた時には「自分も飲食店の経営者になるんだ」という意識が芽生えていたという。そのため大学卒業後は、すぐに独立をして、アメヤ横丁にミュージックバーをオープンさせる。しかし、将来的なビジョンなどに限界を感じて、3年で一旦閉店。その後、同氏が選んだ道は、IT企業での広告営業だった。飲食経営はやりたいが、経営者としてのスキルを伸ばさなければいけない。そうした決心のもと、営業活動に打ち込み、ロジックツリーによる思考法などを習得していく。そして27歳の頃、再び独立して、アメヤ横丁の地で「クシヤキ酒場ヤリキ 上野総本店」をオープンさせた。同店は、キンミヤ焼酎と新鮮なホルモンを使ったメニューが話題を呼び、爆発的な売上を誇る人気店となる。こうした同氏の軌跡やノウハウを結集させた結果、2号店目として「ヤキトンヤリキ」が誕生した。

同店の魅力は、大衆的な酒場をベースにしながら、一歩も二歩も進化させたメニューや雰囲気にある。そのこだわりについて、荒木氏は「もともと私自身、赤ちょうちんの居酒屋が大好きなんです」と言うと、次のように続けた。「おいしいお酒と料理を楽しみながら、仲間と一緒に楽しいひとときを過ごす。そうした空間だからこそ、居酒屋では、自然体の自分も見せることができるのではないでしょうか。うちのキラーコンテンツは、キンミヤ焼酎とホルモンを使ったメニューです。しかもホルモンは、肉屋から直接仕入れているので、生でも出せるくらい新鮮なものばかり。内装もにぎやかな雰囲気を作り出して、大衆酒場の魅力を凝縮させました。ぜひ仲間と一緒に、かけがけのない時間を楽しんでほしいですね」

同店のメニューには、110円と130円、150円、220円の価格帯で、数多くのやきとんが並ぶ。その内容も「しろ」や「ちれ」、「れば」などはもちろん、「なんこつ」「シロコロ」、「のどがしら」、「漬けかしら」、「ばら」などとバラエティに富む。また「パクチー天」(450円)や「大人のポテトサラダ」(430円)、「もんじゃサラダ」(480円)など、定番メニューに独自のアレンジを加えたメニューや同店一番人気の「あぶりたん刺」(490円)も見逃せない。ドリンクメニューの目玉は、やはり「金宮酎ハイ」である。「レモンサワー」(420円)や「抹茶ハイ」(420円)をはじめ、「ガリガリ君サワー」(520円)や「炭ハイ」(450円)など15種類ほどのメニューが揃う。この他にも、ビールやハイボール、日本酒、焼酎と幅広いラインナップになっているが、特筆すべきが青森県の斎藤酒造の「六根(ロッコン)」を取り扱っている点である。同酒造は小規模なため、製造した日本酒があまり世の中に出回らず、希少が高い。荒木氏は、とある繋がりの中で知り合いとなり、青森の蔵元まで直接あいさつをしに行ったそうだ。元・サッカー日本代表の中田英寿氏も大絶賛する味わいで、同店では「六根」だけで7種類仕入れている。

今後のビジョンについて荒木氏は、「秋葉原の地に根付くことはもちろん、スタッフの育成にも力を入れていきたいと考えています。こうして私が飲食店を経営できるのは、スタッフの力があってこそ。だからこそ、うちでの経験を通して、一人でも多くのスタッフが独立していけるような場所にしたいですね。飲食店は、ただ食べ物を提供するだけではありません。いかに居心地の良い雰囲気を作れるかなど、経営の手腕が求められるシーンが数多くあります。それだけに、経営者として、私自身もさらにレベルアップしていくつもりです」と語る。昭和通りに忽然と現れる大衆的な雰囲気の酒場。そこから秋葉原の飲食シーンが塗り替えられていくかもしれない。

店舗データ

店名 ヤキトンヤリキ
住所 東京都台東区台東1-10-5 1F

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アクセス JR・私鉄各線 秋葉原駅から徒歩7分
電話 03-5807-3620
営業時間 平日土ランチ 11:00-14:00
夜 17:00-23:30
日曜夜 15:00-22:00
定休日 年中無休
坪数客数 13坪・35席
客単価 3,000円
運営会社 株式会社サンクスコーポレーション
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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