飲食店・レストランの“トレンド”を配信するフードビジネスニュースサイト「フードスタジアム」

ヘッドライン

肉とパスタとチーズとワイン。純米酒専門店の火付け役「それがし」ブランドを展開する飲食集団JOの新業態は、ワインが主役のレストラン。2015年10月19日に恵比寿にオープンしたワインレストラン「LOVAT(ロバット)」に注目

その場所で長く歴史を刻みたいとの思いから新築にこだわって探した路面物件。ロバット・グリーンのテントが目印だ
ジャズの流れる店内はカウンター席とテーブル席、半個室を用意。レンガの壁がスタイリッシュで落ち着いた空間に
バルサミコ酢と八丁味噌を合わせた“バルサ味噌”を添えた「牛ハラミ」は人気メニュー
手前「自家製ベーコンのカルボナーラ」(1500円)は、ベーコンの旨味を引き出した味わい深いパスタ。奥「LOVAT香草サラダ」(1000円)には、赤ワインビネガーとナンプラーを合わせたオリジナルドレッシングを
ワインはマーケットが成熟しているからこその差別化が必要だと考える、株式会社JO 代表取締役の尾山淳氏

(取材=下前 ユミ)


JR恵比寿駅から渋谷橋方面へ歩くこと5分ほど。明治通りにあるライブハウス・リキッドルームの隣。純米酒に特化し、日本酒初心者たちを開眼させてきた「酒場それがし」(五反田)、「鳥料理それがし」(五反田)、「それがし恵比寿店」(恵比寿)を運営するJO(ジョー、東京都品川区、代表取締役 尾山淳氏)の4店舗目・新業態となるワインレストラン「LOVAT(ロバット)」が恵比寿に2015年10月19日オープンした。“日本酒初心者”をターゲットに日本酒の裾野を広げた「それがし」とは相反して、ワインを軸にした同店のターゲットは、“よりワインに詳しい人”。ワインを飲み慣れたワイン愛好家に対する5000円ゾーンの価格帯をフックに、自然派を中心にグランヴァンまで200〜300アイテムをラインナップした戦略的な価格設定に注目。もちろんそれだけではない。ワインに詳しくない人にも、ソムリエに相談して、おいしいワインとの出会いを楽しめるのが同店の魅力となっている。

一見、飲食店らしくない店名の「LOVAT」には、“飲食にデザインをプラスする”というテーマがある。「LOVAT」とは、天然の草木色を取り入れて作られた色の名称のこと。「どこか牧歌的で懐かしさを感じるロバット・グリーンのイメージで、大人が落ち着いてくつろげる、素材感を活かした温かみのある空間づくりを心がけました」と代表の尾山氏は話す。同社のグラフィックデザインを手掛ける高橋秀一氏の持つ・デザイン力が最大限に発揮されているアンティークな雰囲気の店内。窓にはチェックのカーテン。本物のキャンドルを使用する柔らかな照明に、重厚感のある無垢材の床。陶芸家に特注したロバット・グリーン色の陶磁器製タイルやレンガなど、温もりが伝わってくるようなこだわりが随所に詰まっている。

同店の主役である“ワイン”を引き立てる料理は、「肉」「パスタ」「チーズ」で構成される。決して脇役ではなく、どれもシンプルながら手が込んだ主役クラスの料理ばかりだ。おいしいワインに、おいしい食事。レストランだからとコース料理を押し付けるようなこともない。ワインに合わせて、お客が好きなようにチョイスしてコースに仕立てることも、軽くつまむ程度で済ませることも、シーンに合わせていつでも気楽な使い方ができる仕組みになっているのが特徴だ。「牛ハラミ肉のタリアータ バルサ味噌」(3600円)など、牛肉料理は全てA5ランクの黒毛和牛を使用し、肉の部位に合わせて素材を活かしたオリジナルソースを組み合わせている。肉にソースを合わせることで、ワインにつなぐ味付けに仕上げ、ワインと料理のペアリングを一層楽しませているのだ。ソムリエが厳選するワインは、マグナムボトルで用意するグラスのシャンパーニュをはじめ、「赤・白グラス」(各800円〜)、ボトルは5000円〜6500円がボリュームゾーン。ワイン初心者からマニア向けの1本まで、ワイン愛好家ならば驚くような価格で並ぶ。

「レストラン」という名称の起りは「restore (元気を回復させる)」に起因する。ワインと料理を通してさまざまな思いを人から人へと繋ぎ、憩いの場となるような店づくりを目指すからこそ、“ワインレストラン”とした尾山氏。「当面の目標は10億企業をつくること。とはいえ、これまでの店舗展開も“僕たちJOだからできること”を第一に考え、人材ありきで出店をしてきました。会社組織というよりも、飲食の集団でありたいと考えています。あそこがやるとこうなるよねとか、あの会社って面白いよねと思ってもらえるような、人が生きる店をつくることが結果的に店舗展開という形になっています。うちの会社で働くスタッフが誇りを持てることで、飲食業っていいなと思ってもらいたいですね」と同氏。飲食にデザインをプラスすることで、企業ブランディングを図る。そこには飲食業をもっと魅力的に伝えたい、飲食業界の価値を高めたいとする飲食集団JOの思いが根源にある。恵比寿でワインといえば「LOVAT」となる日も遠くはないだろう。

店舗データ

店名 LOVAT (ロバット)
住所 東京都渋谷区東3-16-6 1F

 >> GoogleMapで見る

アクセス JR・東京メトロ日比谷線「恵比寿駅」から徒歩5分
電話 03-6427-9490
営業時間 月~金 18:00〜26:00
土   17:00~25:00
日・祝 16:00〜24:00
定休日 無休(2月末まで日曜定休)
坪数客数 16坪・32席
客単価 5000円
運営会社 株式会社JO
関連リンク LOVAT(HP)
関連リンク LOVAT(FB)
関連ページ 鳥料理それがし(記事)
関連ページ それがし 恵比寿店(記事)
※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

ヘッドライン一覧トップへ

Uber Eats レストランパートナー募集
Copyright © 2014 FOOD STADIUM INC. All Rights Reserved.