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目黒のエナジースタンド、ジルの2号店「大衆ビストロ 煮ジル」が学芸大学に2月12日オープン。今度は煮込料理をメインにエナジースタンドを目指す

店舗一面の大きな看板は迫力の存在感。階段を上がった2階が店舗
木の温もりと店内の活気が相乗して温かく楽しい雰囲気
見事なロゼ色に仕上げた「仔羊のコンフィ パクチーピューレ添え」(1300円)
ほっと和む、煮JILLメニュー「和牛スジとモツの煮込み」(650円)
オーナーの吉田裕司氏

(取材=下前 ユミ)


肉料理を中心に本格的なビストロ料理を大衆酒場スタイルで提供することで、気軽に日常使いが出来ると大ブレイク中の「大衆ビストロ ジル」が目黒にオープンしてから10カ月。今や業界誌でもこぞって取り上げられる注目株となった同店の2号店「大衆ビストロ 煮ジル」が2月12日、学芸大学駅前にオープンした。一軒家の2階でありながら、大きな存在感のある看板が目印となっている。目黒の1号店よりもコンパクトな店舗は、ジルの"セカンドコンセプト”となる、牛ほほ肉の赤ワイン煮込みやコンフィなどの“煮込み料理”をメインとする「独立支援の暖簾分け店舗」と語るオーナーの吉田裕司氏。

飲食業界で離職率が高くなるのは、入社3年から5年目を迎えた社員たち。経験を重ね技術も高まり、ステップアップや独立を考える頃に、チャンスを求めて離職されてしまうのは会社としても大きな痛手となる。一方、組織の中でその環境を与えられないのは、長く一緒に働きたいと思うスタッフを幸せに出来ないことにもなる。同店は、スキルや経験値が足りないスタッフであっても2年~3年で店長・料理長になれるビジネスモデルとして、営業前の仕込みで勝負ができ、オーダーが入ってからクイックに提供できる商品である“煮込み料理”を柱とした“セカンドコンセプト”。手を抜かず、食材を生かした正確な調理時間や提供方法を学び、美味しい料理が提供できる能力のあるスタッフの将来への独立という夢に向けた環境をつくるために生まれた。縦の組織化をはかるために、スタッフのキャリアプランをつくってあげる構想を開業時から練っていた吉田氏。「店舗展開やブランドをつくることで、会社の中でキャリアアップの目標を設定してあげられる。出店スピードを競うわけではなく、優秀な人材、お客様を喜ばせられる人材が揃っているときが出店のタイミングとなり、自分たちがマッチングする物件がでてきたときにすぐに対応できるように人材の確保と育成を怠らなかった」という。

おすすめは、月替わりで季節を楽しめる旬の食材をつかった「今月のコンフィ」。例えば、木の芽香る和風ソースとともに春を感じる「筍のコンフィ」(650円)。絶妙な火入れで程よくレアに仕上げた「鰆のコンフィ」(900円)には、ビネガーと野菜のさっぱりとした味わいのラビゴットソースを添える。そのほか、丁寧にじっくりとブイヨンで6時間煮込んだ「厚切り牛タンのやわらか煮」(850円)には、わさびでアクセントを。夏場は弱いイメージの煮込み料理ではあるが、季節のニーズに合わせてポーションを変えたコンフィを増やし、おつまみとしても楽しめるものを増やす。冬場は、温まる煮込みメニューを増やし、通年煮込みメニューを仕掛けて行く。

シニアソムリエが選んだ赤・白合わせ20種類以上ラインナップされる全てのワインは、グラスで550円から、デキャンタで1600円から提供する。ボトルは2000~3000円台でコストパフォーマンスの高いワインが充実。パリパリに焼いた鶏のコンフィはワインだけでなく、ビールにもハイボールにも合う。グラスビールは480円から、ハイボールやサワーなどは390円から。1号店の目黒店同様に+300円でメガサイズの「男気ジョッキ」にサイズアップが可能。ジャンルに拘らず、好きな酒で美味しい料理を楽しむことができるのも大衆酒場ビストロ版の魅力。

気持ちや能力があっても、開業資金が足りない——。吉田氏は「長く一緒に働いたスタッフへの卒業プレゼントとしてオープンのコーディネーションをしてあげたい」との思いからマーケットは、簡単に人が集まる街ではなく、定住率が高い住宅街に絞ったという。「時間を掛け、日々努力を重ねて街の一員になること、そしてその街に住む人々に常に新しい価値を提供し続けるパイオニアであり続けることで、街に必要とされ長く共存して行くことが出来る」と同氏。また、自身にとっても初となる住宅街への出店を「スタッフたちがいろんな引き出しを持ったうえで独立するために実地検証は必要であった。決して簡単なことではないので、結果的に立ち上がらず終わってしまうかもしれないが、この挑戦を自分がしなければならなかった」ともいう。学芸大学の街で暮らす人々の楽しくゆったりとした食事の時間。都心から仕事を終え、家に帰る前のリフレッシュのひとときに、「まずは認知度を獲得し、その後街の皆さんのコミュニケーション醸成の場として必要とされて行くこと。 “美味しかった、サービスが良かった”以上に“楽しかった”と、お客様が感じることが価値となり、プラスになる。時間がかかってもお客様同士の間で『楽しい、いい店、教えてくれてありがとう』というリアルな口コミが連鎖する学芸大学の“エナジースタンド”を目指す」と吉田氏は同店への思いを語ってくれた。

店舗データ

店名 大衆ビストロ 煮ジル
住所 東京都目黒区鷹番3-10-8 2F

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アクセス 東急東横線 学芸大学駅 徒歩1分
電話 03-6451-2729
営業時間 18:00~26:00(L.O. 25:30)
定休日 年末年始
坪数客数 11坪 26席+スタンディング2席
客単価 3300円
関連リンク 煮ジル
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※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報は店舗にご確認ください。

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