3月20日、渋谷区宮益坂に「魚まみれ眞吉 宮益坂店」(運営:フィッシュウェル、代表:日紫喜智氏)がオープン。原宿は神宮前2丁目にある「上総屋眞吉」を経営する日紫喜氏の独立2店舗目となる鮮魚居酒屋だ。日紫喜氏は都内に「魚真」などを展開する株式会社シンで13年勤務。その間3店舗の店長を経て、総店長に就任し「上総屋眞吉」を譲渡される形で独立を果たした。 日紫喜氏の父親が地元・八王子で小さな魚の居酒屋を経営していたことから、いずれは家業を継ごうと「魚真」に入社したのが飲食業に足を踏み入れた始まり。「お客様の美味しいとか、楽しいという喜びが間近に伝わる貴重な仕事だと思いました」と日紫喜氏は飲食業の魅力を話す。日々営業していく中で、初めは父親の小さな店を継ぐつもりだったのが、従業員を養い事業として成り立つような店をやりたいと、商売感が変わっていったという。また、魚と向き合う中で、同じ魚でも収穫の時期や個体差のある魚の奥深さにはまっていった。前職では、「魚真」の会長に付いて築地の買い付けに行き、魚を見る目を養うなど意欲的に知識を得てきた。そうしているうちに、魚好きが高じて「日本さかな検定2級」を取得するまでになり、魚のことは何でも応えられるように経験を積んだ。
メニューでは、これまでの経験から得た知識や技術を惜しみなく披露する。「魚の手当てと呼ぶのですが、例えば夏場は水道水で洗ってはいけない、大きな魚は寝かせた方が美味しいなど、その魚にとってどういう状態での管理がベストかは気を遣っていますね」と日紫喜氏。同店の扱う魚は、単に毎日築地から買い付けしているため鮮度が良い、というだけではない。魚の管理方法を徹底しているからこそ、素材の魅力を存分に引き出した料理を提供できるのだ。仕入れ状況の異なる魚は「刺身」「焼・煮」「揚」「肴」に区分される。魚によって調理法を変え、素材の持ち味を活かしたシンプルな調理法で提供する。定番メニューには「のっけ寿司」(1500円)「6カン握り」(880円)などの寿司も用意。これらは、元寿司職人のスタッフが握る本格的な一品だ。宮益坂店では「魚介系つけめん」(680円)も新メニューに追加。「飲んだ後の締めにラーメン屋に行くより、うちで食べた方が楽だろう」と開発したという。
元高級な魚居酒屋だった物件は、居抜きで借り受けた。しかし、カジュアルに使ってもらえるよう半分は改装を加えたという。ガラス張りの店頭は、前を通る人の目に触れる機会を多くする。「お客様でいっぱいになることが、店の雰囲気をつくる」というのが日紫喜氏の考え。入口手前にはサク飲みができるスペースを、中央にはキッチンに対面するカウンター、奥は個室で構成されている。カウンター後ろには、ビールの自動サーバーを設置。おかわりのビールは、セルフサービスとすることで50円引きにするなど、新たな試みも行なう。
「儲けよう儲けよう、という気持ちではやっていません。業者さん、お客様、スタッフがそれぞれWIN-WINの関係であるのが一番の理想ですね。年に一度スタッフ全員をハワイ旅行に行かせてあげられる、そんな企業を目指しています」。独立の際には、これまで一緒に働いてきたスタッフが付いてきてくれた。そうした支えてくれる仲間のためにも、日紫喜氏は経営者として企業を大きくしていくことを考えていきたいと話した。
店舗データ
店名 | 魚まみれ眞吉 宮益坂店 |
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住所 | 東京都渋谷区渋谷1-10-12 |
アクセス | JR渋谷駅より徒歩7分 |
電話 | 03-6418-8318 |
営業時間 | 17:00~24:00(料理L.O.23:00) |
定休日 | 無休 |
坪数客数 | 26.8坪・50席 |
客単価 | 4000円 |
運営会社 | 株式会社フィッシュウェル |
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