飲食店の入れ替わりが激しい自由が丘において、「はじめの一歩」「縁LAVIDA」という不動の人気を誇る2店舗を経営する「一期一会」(東京都渋谷区、代表取締役:石垣創氏)が、11月15日、代官山に“魚と鶏と旨い酒”「うおとり」をオープンした。もともとこの店舗は、格闘家の坂田亘氏が経営していた「わたる」であったが、前店舗の内装はそのままに、石垣氏が引き継ぐ形でリニューアルされた。今回のリニューアルにあたって、店名とメニュー構成は、石垣氏の独自のアイディアにより大幅に改変。店の立地は、代官山と渋谷の中間地点で、代官山駅からは徒歩8分位と駅からは少し離れているが、前店舗の頃より、代官山~渋谷エリアのアパレル関係者や業界人などが集う、ミドルアッパーな店として人気を博してきた。
店舗は2フロアからなっており、1Fは広々としたカウンター席とテーブル席で構成される純和風の空間。そして2Fに上がるとガラりと世界が異なり、個室を備えたしっとりとした洋風のダイニングバー的空間が広がる。一見、1Fと2Fには異なる業態の店舗が入っているように見えるが、メニューはどちらも同じで、その日のお客様の気分で和と洋、好みの空間が選べるようになっている。料理の方は、「うおとり」という店名が表わすように、新鮮な魚と鶏肉が売りに。魚は、石垣氏が吟味して選んだ石川県の石川漁港から直送される朝一番の獲れたて魚貝メニューが“その日のおすすめ”にずらりと並ぶ。ユニークなのは、1Fのカウンター席にて「新鮮旬魚の刺身盛り」(1人前1000円~)をオーダーすると、寿司屋のように一貫ずつオーダーできること。カウンターに置かれた寿司ゲタには、オーダーした順番に鮮度のよいツヤツヤの刺身が供される。
「居酒屋などで刺身盛りをオーダーすると、大皿にすべてが一緒に盛られて出され、時間と共に魚の表面は乾いて、鮮度は落ちてくる。ウチでは、獲れたての魚はそのままの鮮度で味わってもらいため、こうしたスタイルを取りました!」と石垣氏。
また、七輪で供される石川県産の「香箱カニ」は、身を食べた後は甲羅に酒を入れて飲めるなど、丸ごと一匹が贅沢に味わえる。
一方、店自慢の鶏肉料理は、店頭に備えられた「わら焼き台」で轟々たる炎で焼かれた「名物!鶏もも一枚 ワラ焼きチキン」(Lサイズ980円、ハーフサイズ680円)。国産地鶏の鶏モモ1枚をじっくり焼き上げ、最後にワラで香りをつけ自家製香味ソースでいただくボリュームも満点の料理だ。また、「丸鶏一羽の白湯鍋(パイタン鍋)」(1,980円)は、厳選した鶏丸々一羽を、何時間もかけて出汁をとった白湯スープと共に煮込んだ絶品の鍋。丸々一羽が入っているので4名で存分に味わえ、値段も大変お値打ち。自由が丘の「はじめの一歩」で腕をふるった料理長が現在は同店を仕切り、お酒とマッチするこだわりの一品料理も充実させている。
ドリンクでは、日本酒に特にこだわり、熱燗は日本酒の味がまろやかになることから、昔ながらの銅のやかんにて適温に温められる。店のイチオシ銘柄は、燗にしてもくずれない、武田信玄が愛したという新潟の超辛口の酒「景虎」(450円~)。通常、日本酒は一合で供されるが、この店では、いろいろな日本酒を利き酒的に味わってもらいたいという配慮から、半合にあたる90mlからオーダー可能だ。また、個性的な銘柄としては、山口県の「獺祭 純米吟醸 50シャンパン」(360ml・3,000円、720ml・5,800円)。発泡性日本酒は、これからジワジワ人気が高まりそうで、こちらの銘柄は、まるでシャンパンのような爽快な味わいだ。日本酒以外にもワインや焼酎なども充実。ワインは、サントリーの自信作であるワイン「サントリーJPメルロー&カベルネ08」(グラス550円、ボトル3,000円)など、気軽な値段で飲めるボトルが各種揃えられている。
オープンして約1ヶ月となるが、忘年会シーズンも迎え、店は代官山界隈の業界人などで日々賑わいをみせている。前店舗からのなじみの客もしっかり取り込み、今後は石垣氏のカラーをより打ち出した店舗として、客層を広げていきたいという。美味しい料理と酒を、しっかり食べて飲んで、客単価は4000円前後と、現在もっともがんばってもらいたい「ミドルアッパー」店舗のお手本として、今後も躍進を遂げてもらいたい。
店舗データ
店名 | うおとり |
---|---|
住所 | 東京都渋谷区猿楽町1-3 ユガテビル1・2F |
アクセス | JR渋谷駅南口より徒歩8分、東急東横線代官山駅より徒歩8分 |
電話 | 03-5428-5533 |
営業時間 | 17:30~翌1:00 |
定休日 | 不定休 |
坪数客数 | 30坪・1F20席/2F22席 |
客単価 | 4,000円 |
運営会社 | 株式会社一期一会 |