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編集長コラム

2015年下半期の飲食マーケット注目点は?(前編)

PROFILE

佐藤こうぞう

佐藤こうぞう
香川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、日本工業新聞記者、雑誌『プレジデント』10年の編集者生活を経て独立。2000年6月、飲食スタイルマガジン『ARIgATT』を創刊、vol.11まで編集長。
その後、『東京カレンダー』編集顧問を経て、2004年1月より業界系WEBニュースサイト「フードスタジアム」を自社で立ち上げ、編集長をつとめる。

2015年も後半に入りました。下半期の飲食マーケットのトレンドはどう動くのか?押さえておくべきポイントと注目店を取り上げてみた…。


まずは、下半期も引き続き、これらのキーワードがトレンドを見るうえでポイントになるだろう。
1、「ネオ大衆酒場」
2、「イートグッド」
3、「ジャパンクオリティ」
4、「肉業態の進化」
5、「魚業態の進化」
6、「地方ブランディング」
7、「ネオエスニック」
8、「インバウンド」
いまのマーケットは、フレンチとかイタリアン、和食や居酒屋といったジャンルで見るとミスリードしてしまう。たとえば、フレンチのジャンルでもいま最もホットなのは「大衆ビストロ業態」。そこにはネオ大衆酒場的な切り口やイートグッド、肉・魚業態の進化といった要素がないまぜになっている。あるいは、居酒屋という業態はもはや空洞化し、飲み志向の「大衆酒場業態」とキラー食材&料理志向の「ネオ炉端」や「ネオ割烹」にシフトしている。そういう見方をしていかないと、現在と未来の飲食店ビジネスシーンとマーケット構造の“真実”は理解できないだろう。

では、一つひとつキーワードを解説していこう。
1、「ネオ大衆酒場」。時代は回るというが、ここ数年、老舗大衆酒場人気が続いている。コの字型カウンターがあって、甲類焼酎のチューハイやサワーの安酒を飲みながら、串焼きのモツ、煮込み、肉豆腐、ポテサラ、ハムカツなどの定番料理を楽しむ。こういうスタイルを踏襲して、現代の若い経営者たちが新しいセンスで店づくりしたのが「ネオ大衆酒場」だ。客単価は2500円以下だから、週に数回通える。客単価3500~4500円の中途半端な居酒屋から客がこのネオ大衆マーケットに流れてきているわけだ。「鳥貴族」は私はこの流れに乗って急成長したと思う。彗星のように現れた「串カツ田中」も串カツという専門性でアイデンティティーを主張しながら実はネオ大衆酒場。肉汁餃子を謳う「ダンダダン酒場」もその流れだ。ネオ大衆酒場では、2009年創業の立ち飲み「晩杯屋」がいま注目の的。その圧倒的安さ、価格に対する価値感の高さは圧倒的。現在6店舗を展開、2年以内には直営30店舗を展開する計画。客単価は1300~1500円。「週に4~5回通える店です」と金子源社長。景気が良くなっているとはいえ、外食ニーズが高価格市場に流れるわけではない。エンタメ性の強い業態やこうした大衆酒場マーケットはリッチ層にとっても魅力的なターゲットスポットになるのだ。


「イートグッド」の波はじわじわと広がっている。かつてのオーガニック、マクロビブームとは違い、SNSなどでアメリカの食生活の健康志向トレンドや日本での添加物、化学調味料漬け文化に対する厳しい批判や反省の動きが広がっている。「自然に帰ろう」というムーブメントは、食の分野ではもはや戻れない河の流れだ。アメリカもそうだが、とくに子供を持ち始めた30代の若い世代がこのムーブメントを“切実な生活テーマ”と考えはじめた。シニア層(私もそうだが)は現役時代の食生活への反省から、やはり「イートグッド」=“良いを食べる”に共感せざるを得ない。「地産地消」(イートローカル)、「ファームtoテーブル」はいまや特別なものではなく、あたりまえに日常のライフスタイルに取り込んでいく時代が来たのだ。外食、飲食マーケットも当然、この動きを店づくり、メニューづくりに取り入れていいかなければならない。「麹町カフェ」のエピエリが提唱した「イートグッド」に共鳴する新世代の飲食店オーナーたちは増えているし、彼らの動向が下半期のマーケットトレンドのスイッチを変える存在になるに違いない。
(「後編」につづく)

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