スペシャル企画

「なかめのてっぺん」MUGEN内山氏インタビュー  効果的な分煙で、お客様の満足度を最大限に引き出す

「なかめのてっぺん」や「はまぐり屋串左衛門」、「築地もったいないプロジェクト」、「吉次蟹蔵」などの人気ブランドを展開するMUGEN(東京都目黒区、代表取締役 内山正宏氏)。数多くのトレンドを作り出してきた同社では、どのように分煙を行なっているのだろうか。代表の内山氏に、分煙に対する考え方や取り組みについて話を聞いた。


――飲食店における分煙について、どのように考えていますか?

分煙を考える上で、最初に考えなければいけないことがあります。それが、どのようなコンセプトの店舗にするかです。明確な判断基準がなければ、分煙や禁煙にしたとしても、なかなかお客様の満足度に繋がらないでしょう。喫煙者が多いエリアで、無理やり禁煙にしても受け入れられませんし、その逆も同様だからです。

当社では、エリアや業態、お客様の特性によって、分煙と禁煙を使い分けています。例えば、5店舗展開している「なかめのてっぺん」では、エリアの特徴から品川店や横浜みなとみらい店は禁煙としていますが、中目黒店は分煙です。同じブランドでも、エリアやお客様によって喫煙と禁煙を使い分けて、すべてのお客様が満足できる店作りを行なっています。

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寿司から炉端まで、同社が運営する業種は幅広い

 

――分煙を行なったキッカケは?

初めて分煙を行なったのは、中目黒の「なかめのてっぺん」です。同店は、ろばた焼きの店のため、カウンター席の目の前に野菜などを並べる演出をしています。しかし、たばこを吸わないお客様から、素材に煙がかかるのが気になるという声を頂いていました。そこで、今から5年ほど前、分煙に踏み切ることにしたのです。

実を言うと、初めての試みであったため、当初、売上への影響を懸念していました。喫煙者の方が来なくなって、その分、客数が減るのではないか、と。しかし、実際に行ってみると、売上が下がらないどころか、たばこを吸わない方はもちろん、たばこを吸う方からも感謝の言葉をいただきました。分煙という明確なメッセージを打ち出したことで、それぞれの立場の方が、遠慮なく過ごせるようになったのです。会社としても、新しい店舗の演出方法が学び取れたので、大きな収穫となりました。

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カウンター前に素材が並ぶ「なかめのてっぺん」の中目黒店

 

――飲食店とたばこの関係について、どのように考えていますか?

私自身、飲食店とたばこは、切っても切り離せない関係だと考えています。実際、居酒屋には様々なお客様がいて、来店目的は食事だけではありません。もちろん、たばことお酒を楽しみたい方も大勢います。そうしたお客様にとって、たばこが吸えるという点は、お店選びの重要なファクターとなるでしょう。

店側も、喫煙するお客様がいることがメリットになります。灰皿の交換など、スタッフの気が付く力が養われて、接客スキルの向上に繋がっていくのです。また、お客様とのコミュニケーションが生まれるため、店舗のファンの開拓にも一役買ってくれるかもしれません。

歴史的にも、お酒とたばこは密接に繋がっていて、文化として脈々と引き継がれてきています。だからこそ、店舗のコンセプトを明確にして、分煙と禁煙を使い分けていくことが、重要なのではないでしょうか。

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明確なコンセプトがあるからこそ、多くの来店客がある

 

――今後、飲食店とたばこの付き合い方で、新しい施策などは考えていますか?

電子たばこに新しい可能性を感じています。現在、飲食店には、禁煙と分煙、喫煙の選択肢しかありません。どの方法も、誰かが犠牲にならなければいけないため、選択には細心の注意が必要です。しかし、そこに電子たばこというオプションが増えれば、誰もが満足する空間作りが実現できるようになって、格段に演出方法が変わってくるでしょう。電子たばこを使用しているお客様が増えている実感があるので、今後、新しいスタンダードとして定着していけば面白いですね。

当社では、今年の11月に、中目黒で2つの新店舗をオープンさせます。一つが「立ち食い焼肉店」で、もう一つが「のどぐろ・牡蠣・日本酒バル」です。焼肉店が禁煙、日本酒バルは分煙にして、業態によって喫煙を使い分けました。

今後も、トレンドは積極的に取り入れながら、エリアや業態、お客様の特性によって、分煙と禁煙を使い分けて、お客様の満足度が最大限引き出せる店作りを行なっていきたいです。

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MUGENの代表取締役である内山正宏氏

[提供:JT]

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